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【市況】383ドル高と反発、FRBが利下げ見通しを維持 |
19日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比383ドル32セント高の4万1964ドル63セントで終えた。
テスラやエヌビディアといったハイテク株などが堅調で、相場を押し上げた。
また、米連邦準備理事会(FRB)はこの日開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く一方、保有資産の縮小ペースを4月から減速することを決定。発表を受けて、買いが加速した。FRBは今年の米国の成長率予想を下方修正し、インフレ率見通しを引き上げた一方、年内の利下げ回数は2回と昨年12月時点の想定を維持した。
FRBは市場の予想通り、政策金利を4.25〜4.5%で据え置くことを決めた。同時に公表したFOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)で25年末の予想中央値が0.25%の利下げ2回を示す水準となり、前回24年12月と変わらなかった。市場では、「今後、米景気が減速してもFRBの利下げが景気を支えるという安心感につながった」との受け止めがあった。
パウエル議長はFOMC後の記者会見で、関税や移民などトランプ政権の政策がもたらす経済への影響を念頭に「不確実性が異常に高まっている」と警戒感を示した。一方、米経済が底堅さを保っていることを強調し、政策の変更を「急ぐ必要はない」と従来の考えを繰り返した。先行きに対して慎重すぎない見方を示したことも、市場に安心感を与えた。
FRBは保有資産を圧縮する量的引き締めを4月から減額する措置も決めた。FOMCの結果公表後、米債券市場で長期金利が前日終値(4.28%)を下回る4.24%を付ける場面があった。金利と比べた株式の相対的な割高感が薄れたことも株買いを促した。
買いが一巡した後、ダウ平均は伸び悩んだ。FRBは25〜27年の実質国内総生産(GDP)の成長率見通しを下方修正した。市場ではトランプ政権の政策に加え、今後発表になる経済指標を確認したい雰囲気がある。上値では持ち高調整の売りも出やすかった。
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングの上昇が目立った。経営幹部がフリーキャッシュフロー(純現金収支)の改善見通しを明らかにし、好感した買いが入った。アメリカン・エキスプレスやIBM、シェブロンも高かった。半面、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やアムジェンといったディフェンシブ株が下げた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比246.673ポイント(1.40%)高の1万7750.790(速報値)で終えた。アナリストが投資判断を引き上げたテスラが上昇した。ブロードコムなどの半導体株も買われた。

19日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比90円高の3万7625円で終えた。この日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を受け、米連邦準備理事会(FRB)が今後も利下げを続ける姿勢を示したことが安心感となり、米株式相場が上昇。シカゴ市場の日経平均先物にも買いが波及した。
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
19日の英FTSE100種総合株価指数は前日比横ばい圏で終えた。終値は同1.43ポイント(0.01%)高の8706.66だった。19日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が、20日には英イングランド銀行(中央銀行)の金融政策委員会の結果が、それぞれ公表される。英米の金融政策の先行きを確認したいと、様子見の雰囲気が広がった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は4日続伸し、前日比0.70%高で終えた。一部金融機関が投資判断を引き上げたと伝わった電機大手シュナイダー・エレクトリックに買いが集まった。石油大手トタルエナジーズや、仏エルメス・インターナショナルといった消費関連の一角が上昇した。防衛向けの電子機器システムを提供するタレスが下げた。