反落106ドル安、短期的な過熱感から売り
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【市況】反落106ドル安、短期的な過熱感から売り |
25日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比106ドル59セント(0.24%)安の4万2982ドル43セントで終えた。
イスラエルとイランの停戦合意を受けて投資家心理が改善し、前日に主要株価指数がそろって大幅高となった後で、短期的な持ち高調整の売りが優勢となった。半面、ハイテク株への買いは相場を支えた面もあった。
前日にはイスラエルとイランの停戦が維持できるとの期待が広がっていた。中東からの原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖も回避できるとの観測から、中東情勢を巡る過度な警戒が薄れたことで、S&P500種株価指数が2月中旬につけた最高値に迫っていた。
ただ、ダウ平均は前日までの3営業日で900ドルあまり上昇していた。25日には短期的な過熱感や高値警戒感が意識されやすかった。市場では「中東の地政学リスクの後退は織り込み済みで、次のカタリスト(相場上昇の材料)を待つ動きが広がった」との声が聞かれた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はこの日、前日に続き議会証言に臨んだ。この日の発言は前日と比べ、市場に「利下げを急いでいない」(日系証券)との印象を与え、過度な楽観が消失。利益確定の売りが優勢となった。中東情勢を巡る懸念もくすぶり、株価の重荷となった。
個別銘柄では、エヌビディアが最高値を更新し4.3%高で終えた。アナリストが人工知能(AI)の普及が進むなかでエヌビディアの独占的な立場を評価し、目標株価と投資判断を引き上げたことが好感された。ダウ平均の構成銘柄ではないが、アルファベットは2.3%高、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は3.5%高となるなど、ハイテク株へ買いが波及した。ダウ平均の構成銘柄では、マイクロソフトも最高値を更新した。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、マクドナルドやトラベラーズ、ビザが売られた。半面、アムジェンやホーム・デポは買われた。FRBが25日、大手銀行に対する自己資本規制を緩和する案を発表し、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスといった大手金融株も高かった。
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比61.019ポイント高の1万9973.552で終えた。連日で2月中旬以来の高値となった。一方、テスラは3.7%安で終えた。欧州での電気自動車(EV)販売の不振や自動運転サービスへの懸念が重荷となった。
NYダウ 42982.43 ( -106.59 )
S&P500 6092.16 ( -0.02 )
NASDAQ 19973.55 ( +61.02 )
米10年債利回り 4.292 ( -0.004 )
NY(WTI)原油 64.92 ( +0.55 )
NY金 3343.1 ( +9.2 )
VIX指数 16.76 ( -0.72 )
S&P500 6092.16 ( -0.02 )
NASDAQ 19973.55 ( +61.02 )
米10年債利回り 4.292 ( -0.004 )
NY(WTI)原油 64.92 ( +0.55 )
NY金 3343.1 ( +9.2 )
VIX指数 16.76 ( -0.72 )

25日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比160円高の3万8925円で終えた。この日は日経平均株価が堅調に推移し、ハイテク株の比率が高い米ナスダック総合株価指数が上げたのもあって、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38925 ( -5 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39030 ( +100 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
25日の英FTSE100種総合株価指数は下落し、前日比40.24ポイント安の8718.75と5月下旬以来、約1カ月ぶりの安値で終えた。
中東情勢を巡る懸念が和らいでおり上昇して始まったものの、買いの勢いは続かなかった。英アングロ・アメリカンなど資源に売りが優勢だった。
石油大手の英BPとシェルがともに下落したのも指数の重荷だった。英ユニリーバといった日用品関連やたばこ、公益といった景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄に売りが優勢だった。
半面、増収増益決算を発表した英バブコック・インターナショナルが急伸するなど防衛関連に買いが集まった。
取引終了後には米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として、シェルがBP買収を巡る協議の初期段階にあると報じた。米株式市場に上場しているBPの米預託証券(ADR)は25日の取引で大幅に上昇する場面がある。
FTSEの構成銘柄では、広告大手WPPが3.26%安、格安航空大手イージージェットが2.56%安、鉱業大手アングロ・アメリカンが2.41%安と下げを主導した。他方、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループは10.75%高と急伸。小売り大手JDスポーツ・ファッションは2.27%高、産金大手フレスニロも2.06%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
25日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比143.25ポイント(0.60%)安の2万3498.33で終えた。中東情勢が悪化するとの懸念が後退しているものの、成り行きを見極めたいと慎重な見方が残る。DAXは高く始まったものの買いの勢いは徐々に弱まり、下げに転じた。
個別では、コメルツ銀行が5.68%安、通信大手ドイツテレコムが3.00%安、香料大手シムライズが2.87%安と下落。半面、防衛大手ラインメタルは3.08%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは1.78%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.40%高で引けた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反落し、前日比0.75%安で終えた。