「44年」
「44年」 |
「陰極まれば陽転す」と言う相場格言。
11日連続陰線を陰と言うかどうかは議論の余地があるが、「選挙前株高のアノマリーは選挙通過で株高」に転じた格好。
「冬来たならば春遠からじ」というのもあるが・・・。
44年の時間をかけて行き着いた場所
↓
★新聞には過去のことが書いてある
★新聞の主役は広告
★数字を押さえるには原典にあたること
★その日のテーマを見つける
★縦に読む、横に読む:因果関係・誰が主役?誰が儲かる?
★想像力を働かせる
★載る話題と捨てられる話題
★歴史と地図
★人事欄も面白い
★限定空間の争奪戦VS無限空間への脱出
★堅い活字を楽しんで読もう
★ヒ・ミ・ツの法則
★結論が先、A3が1枚の魔法:ワンワード
☆ひと手間で変わる(サイバーセキュリティ)
重要なのは翻訳力だろう。
外国語を日本語に直すことも一部ある。
しかし専門用語をフツーの言葉にしてものを考えないとほとんど意味不能の世界。
ITやバイオ、そして証券そのものでさえも理解不能の言葉や文章は多々ある。
そしてそのことにそれぞれの業界の人が気がついていない。
同じ仲間社会でだけ通じる言葉は他の世界では全く通じない。
それを翻訳することで理解力は遥かに向上するものだ。
例えば「ERP」。
Enterprise Resources Planning の略であり、「基幹系情報システム」のこと。
これでは何かがわからない。
企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し有効活用すること。
ここで3割位が見えてくる。
あるいは「QOL」。
Quality of lifeの略で「生活の質」、「生命の質」のこと。
これもわからない。
抗がん剤などの副作用を減らして、闘病生活を楽にすること。
これで4割くらい見えてくる。
シナリオの伝わり方はマーケットによって時間差がある
情報とかシナリオの伝わり方はマーケットによって時間差があるようです。
一番早いのは商品先物の世界。
次がFXの世界。
そして最後が株式の世界。
これは各業界のレベルの違いと言う訳ではありません。
扱う対象の違いが背景にあるようです。
世界最古のヘッジファンドとされるのはイギリスのマン・グループ。
1783年にフレデリックマンとエドワード・マンにより農産物を扱う商社として創業。
1784年に英国海軍とラム酒の独占的供給契約を締結。
1970年に世界最大級の商社へと発展。
先物取引などの金融関連事業に進出したのが歴史。
初めに商品ヘッジがあったということ。
ヘッジファンドは株や債券、通貨ではなく農産物が発祥でした。
今の世の中からすると少し奇異な気がしますが歴史は嘘をつきません。
商品先物の扱うものはグローバルかつワンプライス。
金はどこへ行っても金ですし原油も同様。
だからどうしてもグローバルな投資環境分析が必要になります。
扱う商品の性質の問題から発生したこの違い。
つまり世界を俯瞰しシナリオを構築する必然性があったし、あるということです。
でもFXの為替だってグローバルという意見もあろう。
しかし「円ドル」や「円ユーロ」なんて所詮ローカルカレンシーの集合体。
ローカルな部分がグローバルな商品のシナリオを頂戴している構図に映ります。
その証拠にFX関係者のコメントはスケジュール重視型。
いつ何が予定されているかにはめっぽう詳しいですが「それが何を意味しているかの分析は少ない」。
そう揶揄されることもあります。
つまり所詮二番手の世界とも言えるでしょう。
そして株式市場。
多くのシナリオが跋扈しているように見えますが所詮出がらしのシナリオみたいなもの。
その証拠に商品先物の世界と2週間程度の時差が生じているように思えます。
これも東京株式市場という超ローカルでスモールな世界だからこその状況なのでしょう。
その意味では商品の世界で何が予測されているかを知ることは時間差攻撃の第一歩。
「金」が下がっていれば悲観シナリオで上昇を誘う。
「金」が上がっていれば楽観シナリオで下落を誘う。
そんな構図がもしあるとすれば、相場のリズム観測の一部となるでしょう。
残念ながら、東京発のシナリオというのは滅多にお目にかかりません。
たぶんグローバルなコモデティの世界からのシナリオの翻訳が多いように見えます。
それでも世界の方向を知る上では結構重要なこと。
金や原油やましてや大豆やトウモロコシに投資する人はおおくありません。
それでもその相場観測が意味を持っていることに気がつくことは重要です。
(その1)
その昔、現役の証券マンや株式新聞Weekly編集長をしていた頃。
いつもいつもすぐ上がりそうな銘柄を鵜の目鷹の目で探していたような気がします
取材をして決算短信や説明会資料の行間を読みました。
その上で罫線を縦横斜めに眺め裏側からも見て、MACDとかストキャスまで斟酌。
確かに化ける銘柄もありましたが、沈む銘柄も多かったもの。
というより日々明日を追いかけると疲れることこの上ありませんでした。
シナリオは朝考えるとして、銘柄は四六時中頭から離れません
これも精神衛生上は良くありません。
しかし、即日効果を求めることはしばらく前にやめました。
銘柄そのものを熟視するスタンスに換えたら逆に結構相場が見えやすくなった気がします。
言ってみれば「明日上る銘柄」を探す作業は競馬の三連単を必死に行うようなもの。
銘柄そのものを追いかけ始めると、それは競馬でいうと単勝や複勝を推理するようなもの。
頭がスッキリとして推理推論が出来るような気がします。
何度も書いていますがが相場や市場は単細胞。
「良い銘柄且つ明日上る銘柄、欲を言えばストップ高する銘柄」なんて三重連は解ける訳がありません。
どうせ単純に考えるなら、条件を緩くして「感性のあう銘柄」探しに徹した方が良いと考えを変えました。
決して抜群のパフォーマンスを生む訳ではありません。
しかしがんじがらめの四面楚歌のような相場観よりも体にいいようです。
多くの市場関係者は「明日ストップ高するかも知れない良い銘柄」を探す作業に没頭。
そうではなくて単純に「見て聞いて感動できた銘柄」をリストアップする方が良いような気がします。
要はよく知っている銘柄=手持ち銘柄をいかに増やすかの問題。
そうすれば銘柄を横に追いつつ縦に追うことも可能になるでしょう。
横とは銘柄数の拡大、縦とは値動きの水準のこと。
そして明日のストップ高を求めなくなると、余裕が出来ます。
この余裕こそ市場と投資には必要不可欠なもの。
ストップ高幻想から脱却すると、相場の視点は拡大するに違いありません。
「一を聞いて十を知る」。
「イロハのイ」と見つけた瞬間に突っ走る獣としてのトレーダー的行動。
シナリオが市場に受容されるかどうかの見極めが求められます。
その意味で脳裏をかすめるは「心眼」という言葉。
心の目によって目に見えない真実を見抜く力のこと。
物事の真実の姿を見抜く、鋭い心の働き。
言い換えれば・・・。
株価を見ることをやめて、その銘柄の往来未来を静かに考えることが大切。
社会に必要とされる事業なのか。
未来の社会で存在できているのか。
経営トップが前向きに本当のことを言っているか。
などなどを瞑目して考えても良いでしょう。
「割安」とか「過熱」などという株価の位置や水準という邪念あるいは呪縛を捨てて銘柄という素材を素直に観察すること。
意外と効いてくるかも知れません。
(その2)
株は銘柄を知らないとやっていけません。
「稼足」ということを強調してからもう何年も経過しました。
「企業へ行って企業を知る」ことが相場の原点。
名前を聞いたこともない株を売買して買った負けたと騒いでも、後に残るのは単なるプラスマイナスだけ。
それでよしとするならば構いませんが、時間とお金を費やした結果に残るのがそれだけでは寂しいでしょう。
経験則という財産と知識と推理力という財産。
これこそが未来への資産として積みあがるような投資こそ望ましく思えます。
企業は呼吸をしている存在。
罫線や決算短信は呼吸をしているとは思えません。
無機質さの中に光明を求めるよりは、ヒトの呼吸の産物である企業活動をウォッチすることが重要。
企業の持つ無言の「訴えたいメッセージ」を聞くこと。
そして昨日までではなく明日以降を推理すること。
この継続こそが株式投資の世界です。
(その3)
明けの明星を眺めながら今日の展開を読み、宵の明星を眺めながら今日の反省をする。
この反復も忘れてはいけません。
明らかになってきたのは、見えない事柄に驚いたり騒いだりしないこと。
敵の狙いの術中に嵌まり込んだ自縄自縛の世界では、敵の思うがまま。
シナリオを作るとすれば、そういう仕組みで挑んでくるのが敵のシナリオ。
目に見えたり耳に聞こえたりする材料ではなく、それを飲み込んでその先を類推すること。
これが大切です。
人のシナリオに乗らないためには予防するしかありません。
そして理路整然とした相場観測で皆が一致した時に相場は反転するもの。
この相場というややこしい存在と付き合っていくためには少しは悪い性格を持つことが必要かも知れません。
本来、相場は素直な心で対峙するべきもの。
しかしお人よしでは相場に置いて行かれる可能性が大きいでしょう。
銭ゲバばかりの世界では強い意志と冷徹なマインドも求められるに違いない。
でも最後の最後の究極の場面で役立つのはきっと「素直な気持ち」。
「人の声でなく相場の発する声」を聞くことができれば、負けは少なくなります。
邪悪な悪魔の囁きになびかず、明確な目標と堅固な相場観を持つことこそ勝利への道。
相場に神様はいないのでしょうが天使様くらいはいるかも知れません。
繰り返しになりますが相場は罫線と数字だけでは成立しにくい存在。
個々の銘柄の息吹こそが明日の世界を暗示する筈。
深い海の底にある相場の相手の心理を読むことも訓練していくべきでしょう。
★相場をムードで捉えない
一番悪いのは相場をムードで捉えることでしょう。
一般論で相場を認識するとしばしば間違うということもあります。
「天底では小数意見につけ」という格言もあります。
天井は総強気。底では総弱気が市場を支配。
天井や大底では大勢の意見よりも少数の意見のほうが正しいことが多いもの。
相場で勝つには、少数意見に耳を貸す必要があるという格言。
市場関係者という給料を保証された安穏とした世界から相場を眺めることは悪くはない。
ただ、そこで比較されるのはそれこそリスクオンの個人投資家とリスクオフの専門家。
強烈なリスクオンの相場観は待ったなしの悲壮な相場観。
必死の相場観に勝るものはありません。
大切なのは空理空論ではなく具体的に相場を見通すこと。
時間つぶしのような過去の検証も必要なこともありますが本当に大事なのは未来感。
未来予想図というか相場予測図です。
そのためには相場における「5W1H」というのを常に考えたいものです。
「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」。
見通しにくいのは「いつ」と「どこ」と「だれが」。
時間軸とタイミングはなかなか見通せません
そして手口もない今は「誰が」も結構難しい」。
しかし、「何を」「なぜ」は自分で推論できるでしょう。
その延長線上に「どのように」があります。
曖昧模糊としたムードではなく、必死の相場見通し。
実践すれば少しは相場観が明るくなるかも知れません。
加えれば・・・。
マトリックスにして好材料と悪材料を並べてみることも一考。
2016年初に「SMAPの功罪」としてアチコチで使いました。
これが結構頭の整理に役だつことがわかりました。
バラバラに登場する材料をひとまとめにして俯瞰すると何かが見えてくるもの。
そしてシナリオを作る作業をすれば、結構スッキリするような気がします。
参考になる格言は「大取りより小取り」。
大相場というのはそうそう出るものではありませんい。
大相場であればあるほど、押し、戻りもまた大きい筈。
相場に小取りの機会は多々あるもの。
小取りを反復できればやがて大をなすもの。
換言すれば「一擢千金を狙うより、少しずつ計画的に利益を増やしていく方が賢い」。
「勝ちグセをつけろ」に通じる格言。
「負けなければ勝てる」でもあります。
「利食い千人力」としてしまうと何か面白くないのですが、結局相場は地道とマメが勝つ筈です。
第1章 常識と非常識のはざま
株式市場は「儲けたい」と言う欲望の集積場
相場はシンプルに考える:
横文字とカナは「わからない」人が語る言葉
専門家は理路整然と間違えがち「過去に饒舌、未来に寡黙」
流れに逆らわず流れに身を任せる
「この指止まれ」の相場解釈にごまかされない
「安く買いたい人は株価が下がって欲しい、
高く売りたい人は株価が上がって欲しい」のパラドックス。
相場の常識は非常識
リズムとハーモニーを体感する
第2章 時間軸のアノマリー〜リズムを感じる
格言は「辰巳天井」
上げの特異日、下げの特異日(バレンタインを狙え)
NYでは「セルインメイ」の格言
イスラムのヒジュラ暦と秋相場
11月3連休明けのアノマリー
ハロウィーン効果
月のアノマリー(10月は翌年相場のキーポイント)
7年周期13年周期で相場の変化
曜日のアノマリー
マンスリーアノマリー「月の10日にモノ買うな、
月の20日にモノ売るな」
「配当落ちアノマリー」
「225・JPX採用銘柄入れ替えアノマリー」
サンタクロースラリーと掉尾の一振
紅白歌合戦と3月期末株価の関係
第3章 相場は世相の鏡〜ハーモニーを奏でている
NHK[大河ドラマ」と相場の関係
NHK「朝ドラ」から銘柄検索
阪神タイガースの優勝は相場に好影響
巨人が優勝すると株価は安い?
甲子園で東京代表が優勝すると翌年は株安
箱根駅伝日体大優勝株高アノマリー
2012年競馬最後に勝ったのは「アルゴリズム」
スーパーボウルも株の材料
浮いては消える「スタジオジブリの法則」
「摩天楼の呪い」
オリンピックの後のバブル崩壊
選挙の年の株価習性
「事件事故に売りなし」
「電気が消えてお化けがでる」の格言
日経元旦朝刊のトップ見出しとその年の相場
第4章 相場は心理の万華鏡
流行色と相場
立派な本社への移転は売りサイン
材料株の上値メドはテンバーガー(10倍)
新月で買い満月で売る
買いたい弱気、売りたい強気を読み解く
本屋さんに株の本が並んだら天井・セミナーが閑散だったら底
週刊誌の見出しのアノマリー
渡辺淳一氏作品の日経連載と日経平均株価の推移
晴れた日は38915円が見える?
(櫻井)。