上値の重い展開か
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上値の重い展開か |
29日の日経平均株価は大幅に3営業日続伸し、3万1233円(前週末比317円高)で引けた。米債務上限問題の基本合意が好感され、前週末の米国株高に続き、日本時間29日の時間外取引で米株価指数先物が上昇。円安・ドル高も支えとなり、日経平均は一時640円超の急騰となった。
ローソク足では陰線を形成した。にもかかわらず、300円を超える上昇。直近まで上昇をけん引していた半導体株には利益確定売りも出てきたが、商社など別ジャンルの銘柄には買いが入った。
ただ、買い一巡後は上げ幅を247円まで縮小する場面もあり、上値では利益確定売りが出やすくなりつつあるようだ。
■本日のポイント
1.日経平均は3日続伸、前週末の欧米株全面高でリスクオン
2.先物を絡めて一時600円超の上昇、後半は伸び悩む展開に
3.為替が円安に振れ、輸出セクター中心に追い風材料となる
4.半導体関連株人気続くも、レーザーテクは朝高後売られる
5.売買代金は高水準続き、12営業日連続で3兆円台に乗せる
あす30日の日経平均株価は上値の重い展開か。
現地27日にバイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が米債務上限問題で基本合意し、懸念要因が後退した。ただ、日本株にはいったん織り込んだ格好だ。一方、現地29日はメモリアルデーの祝日で米市場が休場となる。手掛かり材料に欠けるほか、海外投資家の買いも鈍ると見られる。
市場では、「海外投資家の継続買いを背景に好需給が続いており、下がりにくい状況だ」との声が聞かれた。一方、連日の上昇で22日に付けたバブル経済崩壊後の最高値(終値3万1086円82銭)を上回り、1990年7月以来約33年ぶりの高値水準に浮上。「水準的には高過ぎで、過熱感への警戒はある」との指摘も出ていた。
きょうは3万1200円台で終えたが、場中に失速した分は火曜と水曜で埋め、再び3万1500円台を試しに行くと予想する。
■上値・下値テクニカル・ポイント(29日現在)
32786.95 ボリンジャー:+3σ(13週)
32476.53 ボリンジャー:+3σ(25日)
32168.25 ボリンジャー:+3σ(26週)
31529.69 ボリンジャー:+2σ(25日)
31494.93 ボリンジャー:+2σ(13週)
31233.54 ★日経平均株価29日終値
30946.38 6日移動平均線
30775.03 ボリンジャー:+2σ(26週)
30736.44 均衡表転換線(日足)
30582.86 ボリンジャー:+1σ(25日)
30573.93 新値三本足陰転値
30202.91 ボリンジャー:+1σ(13週)
29901.05 均衡表基準線(日足)
29636.02 25日移動平均線
29494.05 均衡表転換線(週足)
29381.81 ボリンジャー:+1σ(26週)
28910.89 13週移動平均線
28689.19 ボリンジャー:-1σ(25日)
28611.16 均衡表基準線(週足)
28376.30 75日移動平均線
27988.59 26週移動平均線
27871.40 均衡表雲上限(日足)
27783.38 200日移動平均線
ローソク足は31000円超えでマドを空けて寄り付き、5月23日のバブル後最高値を更新した後は上げ幅を縮小して中陰線を描いて上値での売り圧力の強さを窺わせた。株価下方を走る5日移動平均線やその下の25日線は上向きのため上昇トレンド継続が予想されるが、本日終値の25日線に対する上方乖離率が5.39%と4営業日ぶりに警戒5%ラインを上回った。TOPIXのパラボリックが5月25日から売りサイン点灯を続けていることもあり、反動安リスクへの留意も必要となるだろう。