小反落11ドル安、経済に不透明感くすぶる
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【市況】小反落11ドル安、経済に不透明感くすぶる |
20日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前日比11ドル31セント安の4万1953ドル32セントで終えた。
貿易相手国と同水準の関税を課す「相互関税」を巡り、トランプ氏は19日、SNSへの投稿で、導入する来月2日を「米国の解放記念日だ」と強調。相互関税が予定通り適用され景気減速が避けられないとの見方が広がり、小売り大手ウォルマートなどが売られた。
一方、前日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)が年内2回の利下げ想定を維持したことが好感され、ダウの上げ幅は一時300ドルに迫った。先行き不透明感が漂うものの、「関税政策が今後修正され、景気軟着陸の期待が残っている」(日系証券)ことも相場の下値を支えた。
米政府の関税引き上げと貿易相手国による報復措置が貿易摩擦の激化や世界経済の混乱を引き起こすとの懸念が改めて広がった。市場では、「米政権の政策の不確実性が市場を混乱させており、相場は不安定な動きとなった」との声が聞かれた。
ダウ平均は上昇する場面があった。20日発表の週間の米新規失業保険申請件数は22万3000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万5000件)を下回った。3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は12.5と市場予想(10.0)以上となった。2月の米中古住宅販売件数は前月比で4.2%増と、市場予想(3.2%減)に反して増加した。
市場では、「貿易摩擦の衝撃がまだ住宅市場に波及していないのはよいことだ」との見方があった。米指標が経済の底堅さを示したことは投資家心理の支えとなった。
FRBは19日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決め、あわせて公表した参加者の政策金利見通しでは年内に2回利下げする見通しを維持した。パウエルFRB議長は記者会見で足元の米経済の堅調さなどを背景に、利下げを急がない姿勢を強調した。先行きのインフレに過度の懸念を示さず、市場では利下げに消極的なタカ派寄りの発言が目立たなかったとの受け止めがあった。
個別では、IBMやナイキ、キャタピラーに売りが出た。一方、ユナイテッドヘルス・グループやハネウェル・インターナショナル、エヌビディアが買われた。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比59.164ポイント安の1万7691.626で終えた。ブロードコムの下げが目立ち、2.5%安で終えた。半面、メタプラットフォームズは上昇した。

20日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比190円安の3万7435円で終えた。米政権の関税政策を巡る警戒感を背景に米株式相場が下落した流れを受け、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが波及した。
シカゴ日経225先物 (円建て)
37435 ( -65 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て) 37530 ( +30 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
20日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら7営業日ぶりに下落し、前日比4.67ポイント(0.05%)安の8701.99で終えた。英イングランド銀行(中央銀行)は20日に政策金利を4.5%に据え置くと発表した。政策金利の据え置きはおおかたの市場予想通りだった。ただし英国を含む世界経済に不透明感が強く、先行きの利下げを慎重に判断していく姿勢が示唆され、投資家心理の重荷となった。
FTSEの構成銘柄では、教育・メディア大手ピアソンが5.71%安、金融大手M&Gが3.81%安、給食サービス大手コンパス・グループが3.68%安と下げを主導。一方、エネルギー大手SSEは3.09%高、保険大手プルデンシャルは2.92%高、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは2.87%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
20日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比288.91ポイント(1.24%)安の2万2999.15で終えた。米関税政策をきっかけとする貿易摩擦が欧州経済に悪影響を及ぼすとの懸念がくすぶる。利益確定の売りも出やすかった。
DAXを構成する40銘柄のうち35銘柄が前日比で下落した。
個別では、自動車株が売られ、フォルクスワーゲン(VW)は4.15%安、BMWは3.53%安、ポルシェは3.40%安。半面、エネルギー大手イーオンと不動産大手ボノビアは0.99%高、業務用ソフトウエア大手SAPは0.72%高、人工透析製品・サービスのフレゼニウスメディカルケアは0.38%高で取引を終えた。
DAXを構成する40銘柄のうち35銘柄が前日比で下落した。
個別では、自動車株が売られ、フォルクスワーゲン(VW)は4.15%安、BMWは3.53%安、ポルシェは3.40%安。半面、エネルギー大手イーオンと不動産大手ボノビアは0.99%高、業務用ソフトウエア大手SAPは0.72%高、人工透析製品・サービスのフレゼニウスメディカルケアは0.38%高で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は5営業日ぶりに反落し、前日比0.94%安で終えた。