続伸486ドル高、米政権の対中姿勢緩和を期待
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【市況】続伸486ドル高、米政権の対中姿勢緩和を期待 |
24日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比486ドル83セント(1.22%)高の4万0093ドル40セントで終えた。
トランプ米大統領はこの日、政権が関税問題を巡り、中国と会談を行ったと明らかにした。米中貿易摩擦で大きな打撃が予想される半導体関連やIT大手の株が、懸念の和らぎに伴い買われた。米長期金利の低下も相場を支えた。
米企業の1~3月期決算発表が本格化し、業績予想の下方修正や取り下げが相次ぐ中、全体としては堅調な内容が報告されていることも株価を下支えしている。ロイター通信によると、S&P500種株価指数の構成企業の今年の業績は、今月1日時点での予想を上回って伸びると見込まれている。
今週に入ってトランプ米大統領やベッセント米財務長官から中国との交渉や対中関税率引き下げに前向きな発言が相次いでいる。現時点で米国は中国からの輸入品の大半に145%、中国も報復関税として米国に125%の関税を課している。高関税が続けば、米国にとっても経済的な打撃が大きい。協議が進む過程で米中が関税率の引き下げに動くとの期待が強まった。
半面、米中貿易交渉の進展には不透明な部分が多く、ダウ平均は下げる場面もあった。中国は米政権からの圧力に反発し、24日には政府高官が米中の交渉が始まっていないと明らかにした。一方、トランプ大統領は24日に両国の政府関係者が会合を持ったと述べた。「トランプ大統領が方針を突然、転換する可能性もあり、投資家は依然として慎重だ」との声もあった。
ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースが5%あまり上げ、マイクロソフトも高かった。ダウ平均の構成銘柄ではないがクラウド業務管理のサービスナウが23日夕に四半期決算とあわせて楽観的な見通しを示し、ソフトウエア関連株に買いが広がった。
エヌビディアも上昇した。電力業界のカンファレンスに出席した同社幹部らが人工知能(AI)向けデータセンター需要に減速の兆候がないと指摘したことが買いを誘ったとの見方があった。一方、四半期決算を受けてIBMやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が大幅安となり、ダウ平均を押し下げた。
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比457.993ポイント(2.74%)高の1万7166.043(速報値)で終えた。ブロードコムなど半導体株の上げが目立った。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は5%あまり上昇した。

24日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比215円高の3万5570円で終えた。この日は米中貿易摩擦の懸念が和らぐとの期待感から日米で株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
35570 ( +540 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
35660 ( +630 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
24日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら9日続伸し、前日比4.26ポイント(0.05%)高の8407.44で終えた。原油や非鉄金属の先物相場が上昇し、エネルギーや資源の関連銘柄に買いが入った。
石油大手の英BP、資源大手アングロ・アメリカンなどが上昇した。公益や、英GSKといった製薬にも買いが優勢だった。半面、銀行を含め金融に売りが優勢だった。
FTSEの構成銘柄では、エンジニアリング会社ウィアーグループが4.54%高、建機レンタルのアシュテッド・グループが3.29%高、鉱業大手アングロ・アメリカンが2.67%高と買われた。一方、再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルは5.73%安、保険会社ヒスコックスは3.18%安、流通大手バンズルは2.85%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
24日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸し、前日比102.54ポイント(0.46%)高の2万2064.51で終えた。終値で2万2000を回復するのは2日以来、約3週間ぶりとなる。前日終値を下回って推移する場面が目立ったものの、24日の米市場で主要な株価指数が上げ幅を広げると、DAXも水準を切り上げた。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが7.08%高と大きく買われ、23日公表した2025年1〜3月期決算(速報値)で売上高(為替変動の影響を除く)が前年同期比2ケタ増となったスポーツ用品大手アディダスが2.52%高、総合電機大手シーメンスが2.11%高で続いた。半面、コメルツ銀行は2.75%安、化学品商社ブレンタークは1.62%安、ミュンヘン再保険は1.24%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3日続伸し、前日比0.27%高で終えた。