ダウ反発、利下げ観測も支え
【市況】ダウ反発、利下げ観測も支え |
4日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発した。前日比308ドル51セント(0.69%)高の4万5014ドル04セントと終値で初めて4万5000ドル台に上昇した。11月29日以来、3営業日ぶりに過去最高値を更新した。
米顧客管理ソフトウエア大手セールスフォースが前日発表した8〜10月期決算でAIを活用したサービスの好調さが示され、同社株が11.0%高と急上昇、ダウ平均を220ドルあまり押し上げた。半導体大手エヌビディアやマイクロソフトなど他のAI関連株にも買いが波及した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がこの日のイベントで「米経済は極めて良い状況にある」と述べ、市場に安心感が広がった。朝方発表された米経済指標が投資家の予想を下回り、長期金利が低下したことも相場を支えた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが3日夕の決算や見通しが市場予想を上回った半導体のマーベル・テクノロジーは上昇率が2割を超えた。半導体株やハイテクの一角に買いが広がった。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は同日午後に参加した討論会で「米景気が9月に想定していたよりも強い」と述べ、政策調整を慎重に進めることができるとの見解を示した。ただ、労働市場が軟化した場合は経済を支えるとも強調した。
4日発表の11月の全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数の前月比の伸びが市場予想に届かなかった。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した11月の非製造業(サービス業)景況感指数は市場予想を下回った。「FRBはおそらく12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%利下げするだろう」との声があり、相場の支えとなった。
ダウ平均ではエヌビディアやアマゾン・ドット・コムの上昇が目立った。IBMやマイクロソフトも高い。一方、ベライゾン・コミュニケーションズやコカ・コーラ、シェブロンが売られた。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比254.205ポイント(1.30%)高の1万9735.116で終え、連日で過去最高値を更新した。アルファベットが上昇し、アドビやクラウドストライク・ホールディングス、データドッグといったソフトウエア関連にも買いが入った。
S&P500種株価指数は4日続伸した。前日比36.61ポイント(0.60%)高の6086.49で終え、連日で最高値を更新した。
NYダウ 45014.04 ( +308.51 )
S&P500 6086.49 ( +36.61 )
NASDAQ 19735.12 ( +254.21 )
米10年債利回り 4.177 ( -0.047 )
NY(WTI)原油 68.54 ( -1.40 )
NY金 2676.2 ( +8.3 )
VIX指数 13.45 ( +0.15 )
NYダウ 45014.04 ( +308.51 )
S&P500 6086.49 ( +36.61 )
NASDAQ 19735.12 ( +254.21 )
米10年債利回り 4.177 ( -0.047 )
NY(WTI)原油 68.54 ( -1.40 )
NY金 2676.2 ( +8.3 )
VIX指数 13.45 ( +0.15 )
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比385円高の3万9625円で終えた。この日はダウ工業株30種平均など米主要株価指数が最高値を更新し、日経平均株価も上昇したため、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが活発になった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39625 ( +355 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39640 ( +370 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
4日の英FTSE100種総合株価指数は6日ぶりに反落し、前日比23.60ポイント(0.28%)安の8335.81で終えた。一部金融機関が目標株価を引き下げたと伝わった製薬大手の英アストラゼネカが下落し、指数を下押しした。同指数が前日まで5日続伸した後とあって、目先の利益確定などを目的とした売りも出やすかった。
FTSE100種指数への寄与度が大きいエネルギー株が下げたのも重荷だった。
FTSEの構成銘柄では、アストラゼネカが2.87%安、鉱業大手アングロ・アメリカンが2.47%安、送電大手ナショナル・グリッドが1.52%安と下落。半面、株主還元の拡充に前向きな姿勢を示した再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルは6.01%高、住宅大手ビストリー・グループは4.86%高、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は4.05%高と大きく買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
4日のドイツ株価指数(DAX)は5日続伸し、3日連続で最高値を更新した。終値は前日比215.39ポイント(1.07%)高の2万0232.14だった。フランスの政局混乱が懸念されるなか、4日の米株式相場が上昇して始まり、投資家心理を支えた。
個別では、一部金融機関が目標株価を引き上げたと伝わった通販大手ザランドが8.21%高と急伸し、業務用ソフトウエア大手SAPが3.76%高、商用車大手ダイムラー・トラックが3.33%高で続いた。他方、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは2.46%安、電力大手RWEは2.30%安、郵便・物流大手ドイツポストは1.00%安で引けた。一部銘柄には目先の利益確定を目的とした売りも出た。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は5日続伸し、前日比0.65%高で終えた。仏ルノー、欧州ステランティスといった自動車が上げた。このところ株価水準が切り下がっていたBNPパリバやソシエテ・ジェネラルなど金融株が買われた。一方で通信サービスの仏オレンジ、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルが下げた。