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反落220ドル安、CPI控え利益確定売り
【市況】反落220ドル安、CPI控え利益確定売り

10日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比220ドル42セント(0.48%)安の4万5490ドル92セントで終えた。11日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)を見極めたい雰囲気が強いなか、前日に主要株価指数がそろって過去最高値を付けた後で主力株の一角に利益確定の売りが優勢になった。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)が今月半ばの金融政策会合で利下げを再開し、景気浮揚につながるとの期待感から足元の相場は最高値圏で推移。ただ、過熱気味の相場に対する警戒感も根強く、利食い売りが出やすい地合いだった。米IT大手アマゾン・ドット・コムなどがダウ平均を押し下げた。
翌11日には8月の米消費者物価指数の発表を控える。トランプ関税による物価高の影響などの見極めたいとの思惑から、積極的な取引は手控えられた。

一方、米労働省が朝方発表した8月の卸売物価指数は前月比0.1%低下と、市場予想(0.3%上昇=ロイター通信調べ)を下回った。トランプ関税が警戒していたほど物価高を招いておらず、市場では「9月利下げは確実」との見方が広がり、相場の下値が支えられた。
 
市場では16〜17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%利下げの観測を強める内容ではないと受け止められた。すでに0.25%の利下げはほぼ確実視されるなか、8月のCPIが11日に発表される前に目先の利益を確定する売りが出やすかった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、オラクルが36%近く上昇した。9日夕に発表した四半期決算で受注残が急増し、人工知能(AI)向けクラウドサービスの需要が強いとの受け止めが広がった。半導体などAI関連株に買いが波及し、ブロードコムやコアウィーブなどが大幅高となった。ダウ平均ではエヌビディアが4%近く上げた。

市場では「景気を巡る不透明感が根強いなか、AI関連以外の銘柄を売ってAI関連の一角に買いが集中しやすかった」との見方もあった。

アマゾン・ドット・コムやアップルが売られたこともダウ平均の重荷となった。「労働市場を巡る不透明感から個人消費の減速が懸念されていることを映す」との声も聞かれた。

このほかのダウ平均の構成銘柄では、マクドナルドやウォルマート、ビザなど消費関連株が下げた。セールスフォースやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も安い。ハネウェル・インターナショナルやシャーウィン・ウィリアムズ、ボーイングも売られた。一方、シェブロンやシスコシステムズ、キャタピラーは上昇した。

ナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日比6.571ポイント(0.03%)高の2万1886.060で終え、連日で最高値を更新した。半導体ではアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジーも買われた。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズも高い。

S&P500種株価指数は3日続伸した。前日比19.43ポイント(0.29%)高の6532.04(速報値)で終え、連日の最高値となった。
 
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
10日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比405円高の4万3900円で終えた。この日は日経平均株価が最高値を更新し、米市場ではハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数が最高値を連日で更新したのもあり、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
43900 ( +30 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
43900 ( +30 )
 
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
10日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら3営業日ぶりに反落し、前日比17.14ポイント(0.18%)安の9225.39で終えた。前日の米国や10日のアジア市場の株高を支えに高く始まったものの買いの勢いは続かず、下げに転じた。
 
FTSEの構成銘柄では、食品・小売り大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズが13.19%安と大幅に下落、10日公表した2025年9月13日までの今期の下半期の業績報告では、傘下の格安衣料品店「プライマーク」の売上高の伸びが物足りないと受け止められた。
情報サービス会社RELXは4.19%安、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も4.07%安と売られた。一方、保険大手プルデンシャルは3.36%高、投資信託会社ポーラー・キャピタル・テクノロジー・トラストは2.35%高、航空・防衛大手BAEシステムズは2.20%高となった。
 


■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
10日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比85.50ポイント(0.36%)安の2万3632.95で終えた。前日の米国株高や10日のアジア市場での株高が投資家心理を支えたものの買いの勢いは続かず、DAXは下げに転じた。
 
個別では、業務用ソフトウエア大手SAPが2.87%安、化粧品大手バイヤスドルフが2.21%安、通信大手ドイツテレコムが2.16%安と下げを主導。半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは4.57%高、防衛大手ラインメタルは3.29%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは2.20%高で取引を終えた。



■フランス・パリ株価指数
 
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は小幅に3日続伸し、前日比0.15%高で終えた。
 

 
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