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ダウ続落79ドル安、利益確定売り優勢
【市況】ダウ続落79ドル安、利益確定売り優勢
 
5日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比79ドル88セント(0.22%)安の3万6124ドル56セントで終えた。
ダウ平均など主要株価指数が年初来高値圏にあるなか、一部の銘柄には利益確定売りが続いた。米金融政策を探るうえで、今週発表が相次ぐ雇用関連指標への関心が高く、買い手控えにつながった面もある。ダウ平均は前週まで5週連続で上昇し、約3800ドル上げていた。前週末には2022年1月以来の高値を更新した。
 
この日公表された10月の雇用動態調査によると、非農業部門の求人数は2カ月連続で減少し、市場予想を下回った。
非農業部門の求人件数は873万3000件と、2021年3月以来の低水準となった。
 
米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが終了するとの観測から長期金利が低下し、アップルやマイクロソフトに買いが入った。しかし、ゴールドマン・サックスやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などが大幅に売られ、相場の足を引っ張った。
 
今週は8日に発表される11月の雇用統計への注目度が高い。市場では「利下げ期待を後退させる強い雇用の伸びでもなく、景気後退の懸念を誘う弱さでもない程良い内容になるか見極めたい」との声が聞かれた。前週末にかけて短期的に買われすぎたとの指摘も多く、持ち高調整の売りが出やすかった。
 
11月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数は52.7に上昇した。市場予想(52.4)をやや上回ったが、FRBの利上げ停止観測を後退させるような材料にはならなかった。
 
米長期金利の指標である10年債利回りは一時4.1%台半ばとおよそ3カ月ぶりの低水準を付けた。米長期金利の低下が株式の相対的な割高感を和らげ、高PER(株価収益率)のハイテク株などの支えとなった。
 
ダウ平均の採用銘柄では日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が3%安となった。金融のゴールドマン・サックスや化学のダウ、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)も売られた。半面、スマートフォンのアップルは2%高となり、時価総額はおよそ4カ月ぶりに3兆ドル台を回復した。製薬のメルクや通信のベライゾン・コミュニケーションズなどディフェンシブ株も買われた。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比44.418ポイント(0.31%)高の1万4229.912で終えた。売りが先行したものの、米長期金利の低下を手がかりに次第に買いが優勢となった。画像処理半導体のエヌビディアやネット通販のアマゾン・ドット・コム、電気自動車のテスラが買われた。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
5日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比145円安の3万2905円で引けた。同日の日経平均株価の下落を受け、先物に売りが出た。
NYダウは、米雇用指標が弱含む中を売りが先行し、続落した。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
32905 ( +125 )
 
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
32905 ( +125 )
 
( )は大阪取引所終値比
 
 






【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7489.84(−23.12)
 
5日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ23.12ポイント(0.30%)安の7489.84で終えた。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが5日、中国政府の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたことが投資家心理を悪化させた。カタールの政府系ファンド、カタール投資庁(QIA)が保有株を減らすと伝わった英金融大手バークレイズなど金融関連の銘柄に売りが出た。

ロンドン証券取引所(LSE)では5日、FTSE100種指数や中型株指数「FTSE250」の構成銘柄以外の小型株を中心とする銘柄で取引が一時停止する場面があった。取引は午後に復旧した。同取引所を運営するLSEGは「6日から通常通り取引が始められるよう、システムの準備はできている」と説明している。

FTSEの構成銘柄では、産金大手エンデバー・マイニングが4.44%安と最も大きく下げ、建機レンタルのアシュテッド・グループが3.76%安、産金大手フレスニロが3.13%安で続いた。

一方、通信大手BTは3.29%高、保険大手ビーズリーは2.35%高、エンジニアリング企業のIMIは1.92%高となった。

 

 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16533.11(+128.35)

5日のドイツ株価指数(DAX)は6日続伸した。前日比128.35ポイント(0.78%)高の1万6533.11で終え、およそ4カ月ぶりに過去最高値を更新した。同日の欧州国債市場でドイツの長期金利が低下したことなどが投資家心理を支えた。不動産や公益、IT(情報技術)といった金利動向に敏感な業種を中心に幅広い銘柄が買われた。DAXを構成する40銘柄のうち30銘柄が上昇した。

個別では、商用車大手ダイムラー・トラックが3.43%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.96%高、製薬大手バイエルが2.85%高。半面、ディフェンシブ銘柄には売りが出て、ヘルスケア大手フレゼニウスは1.95%安、医療機器のザルトリウスは1.81%安、日用品大手ヘンケルは0.68%安だった。
 
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7386.99(+54.40)
 
フランスCAC40種指数は0.74%高だった。利下げ観測の高まりが景気敏感株の買いにつながった。

 
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