463ドル高、S&P500 利下げ期待で連日最高値
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【市況】463ドル高、S&P500 利下げ期待で連日最高値 |
22日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比463.66ドル(1%)高の4万4922.27ドルで引けた。米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げをするとの観測が強まり、株を買う動きが優勢となった。
この日はダウ平均に加え、S&P500種株価指数やハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が上昇した。前日比でそれぞれ0.3%、0.1%上げた。
前日発表された7月の米消費者物価指数(CPI)がおおむね市場予想通りで、連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げに踏み切るとの見方が拡大。この日も幅広い銘柄の買いが促された。一方、これまで株高を引っ張ってきたIT大手の多くは利益確定の売りが優勢となった。
ベセント米財務長官はこの日、米メディアのインタビューで、9月に0.5%の利下げを始め、その後も政策金利の引き下げを続けることができるとの考えを主張。また、金利は今よりも1.5~1.75%低くあるべきだと述べた。
CMEのフェドウオッチによると、市場は9月の利下げを100%織り込んでいる。前日時点では94%で、観測はこの日さらに強まった。
CMEのフェドウオッチによると、市場は9月の利下げを100%織り込んでいる。前日時点では94%で、観測はこの日さらに強まった。
市場関係者は「労働市場の弱さを理由に来月利下げを再開する」とみている。結果的に「FRBは2026年1月までに合計100ポイント利下げすると予想している」とも指摘した。
出遅れ銘柄にも買いが波及しているようだ。業種別の上昇率上位には、昨年末比の騰落率で最下位(3%安)のヘルスケアが買われた。ユナイテッドヘルス(4%高)やメルク(3%高)、アムジェン(2%)などが上げた。
パラマウント・グローバルとスカイダンス・メディアとの合併が完了し、誕生したばかりのパラマウント・スカイダンスは前日比37%と急騰した。総合格闘技団体「UFC」の米国での放映権を取得したことが個人投資家の関心を集め「ミーム株(はやり株)」となりつつある。
利下げの期待で楽観論が支配的となった。「恐怖指数」とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)も13日、25年で最低水準の14.38まで下げた。
これまでマイナス材料となっていた関税の悪影響の懸念が後退したのも大きい。これまで発表されている四半期決算は好調であることを受け、シティグループは11日、S&P500種株価指数の2025年末時点での目標水準を従来の6300から6600に引き上げたsdf。モルガン・スタンレーのマイク・ウィルソン氏は「企業の好決算やキャッシュフローの改善で今後6〜12カ月は強気に見ている」と話す。
18日からはターゲットやウォルマートなど小売企業が相次いで決算発表を予定する。米経済を支える消費動向に市場関係者の視線が集まりそうだ。
JPモルガン・チェースのクリストファー・ホーバーズ氏は小売企業の決算について「予想通りの結果になる」と指摘する一方で「低所得者層の消費が弱まり、今後のインフレも予想されるなかで各社の通期業績予想を上方修正する可能性は低い」とも分析している。

13日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比130円安の4万3145円で終えた。この日は日経平均株価や米ナスダック総合株価指数が連日で最高値を更新するなど日米で株式相場が堅調となったものの、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢だった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
43145 ( -225 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
43170 ( -200 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
13日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に3日続伸し、前日比17.42ポイント(0.19%)高の9165.23で終えた。終値としての最高値を6日以来、1週間ぶりに更新した。13日までに伝わったベッセント米財務長官の発言も材料に米国での早期利下げ期待が強まり、投資家がリスク選好姿勢を強めた。
英製薬大手アストラセネカなど、業績が景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄に買いが先行した。ヘルスケア関連に加えて英BTグループなどの通信、日用品の英ユニリーバが上げた。
FTSE100種指数が最高値圏にあり、利益確定の売りも出た。ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)といったたばこが下落。英BPなど石油のほか英航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスが下げた。
FTSEの構成銘柄では、製薬大手アストラゼネカが3.23%高と上昇率トップ。蒸気システム大手スパイラックス・サーコが2.99%高、製薬大手GSKが2.17%高と続いた。
一方、年間の保険料成長率見通しを引き下げた保険大手ビーズリーが12.28%の大幅安となったほか、賭け屋大手エンテインは2.51%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
13日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反発し、前日比160.81ポイント(0.66%)高の2万4185.59で終えた。米国で9月にも利下げが決まるとの見方が足元で強まっており、投資家心理を上向かせた。
個別では、製薬大手バイエル(3.24%高)やヘルスケア大手フレゼニウス(3.19%高)、業務用ソフトウエア大手SAP(3.02%高)が買われた半面、エネルギー大手シーメンス・エナジー(5.03%安)や航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズ(1.67%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比0.66%高で終えた。終値は7804.97と2週間ぶりの高値となった。