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反発337ドル高、最高値更新 金融に買い 
【市況】反発337ドル高、最高値更新 金融に買い 

16日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比337ドル28セント(0.78%)高の4万3077ドル70セントで終え、2日ぶりに最高値を更新した。前日に下げが目立った半導体株の一角が買い直され、投資家心理の支えとなった。市場予想を上回る決算を発表した金融株にも買いが広がった。

この日公表した決算が想定を上回ったモルガン・スタンレーは6.4%高と伸長した。朝発表の2024年7〜9月期決算で売上高に相当する純営業収益と1株利益が市場予想を上回った。金融株に買いが波及した。
ゴールドマン・サックスなど他行の業績も比較的堅調だったことから、米景気を巡る楽観論が台頭。上昇基調が続いた米長期金利の低下も相場全体を下支えした。
 オランダの半導体製造装置大手ASMLが来年通期の業績見通しを引き下げたことをきっかけに前日売りが膨らんだ関連銘柄の買い戻しも進んだ。生成AI(人工知能)向け半導体の旺盛な需要が当面続くとの期待から、エヌビディアなどにも買いが入った。

決算を発表した地銀の一角にも買いが入った。米国のインフレが落ち着く方向にあるなかで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げが経済を支えるとの見方は根強い。米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの観測から、一部の景気敏感株が上昇。中小型株にも物色が広がり、株価指数ラッセル2000は1.6%高で終えた。

前日に悪材料が重なって下げたエヌビディアやマイクロン・テクノロジーといった半導体株が上昇した。オランダの半導体製造装置大手、ASMLホールディングが15日に四半期決算の発表と同時に示した収益見通しが慎重だったものの、16日に開いた決算説明会では人工知能(AI)関連の需要に楽観的な見方を示した。市場では「半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)が17日に発表する決算で、需要の強さを改めて示すとの期待から買いが入った」との指摘があった。

前日に急落したユナイテッドヘルス・グループが上昇し、ダウ平均を押し上げた。アナリストが投資判断を引き上げたシスコシステムズも高かった。半面、インテルが下落した。中国当局系団体が16日、国家の安全保障を脅かすとして審査を申し立てたと発表し、株価の重荷となった。アムジェンやメルクも売られた。

ナスダック総合株価指数は反発した。前日比51.492ポイント(0.28%)高の1万8367.079で終えた。半導体株の一部が上昇したほか、テスラにも買いが入った。半面、アプライドマテリアルズなどの半導体製造装置株には売りが続いた。

NYダウ    43077.70 ( +337.28 )
S&P500    5842.47 ( +27.21 )
NASDAQ  18367.08 ( +51.49 )
米10年債利回り  4.014 ( -0.026 )

NY(WTI)原油   70.39 ( -0.19 )
NY金      2691.3 ( +12.4 )
VIX指数    19.58 ( -1.06 )
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 
16日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比495円高の3万9450円で終えた。
NYダウ平均は、好決算を背景に金融株などが買われ、反発した。
米大手投資銀行が市場予想を上回る決算を発表し、投資家心理が改善。米株式相場が反発し、シカゴ市場の日経平均先物は買い戻された。
 
シカゴ日経225先物 (円建て) 
39450 ( +260 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39560 ( +370 )
 
( )は大阪取引所終値比
 




【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
16日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日比79.79ポイント(0.96%)高の8329.07と9月2日以来1カ月半ぶりの高値で終えた。16日発表の英物価指標を受け、物価上昇圧力が弱まっているとの見方が広がった。英イングランド銀行(中央銀行)が利下げに動きやすくなり、利下げが英経済を支えるとの観測が相場を支えた。
米株式市場でダウ工業株30種平均が上昇して始まったのも、投資家心理を上向かせた。
中型株で構成するFTSE250種株価指数は反発し、前日比0.88%高で終えた。
 
FTSEの構成銘柄では、ホテル大手ウィットブレッドが6.05%高と上昇率トップ。住宅大手バラート・デベトップメンツが4.66%高、賭け屋大手エンテインが4.55%高と続いた。一方、有害生物管理会社レントキルが2.54%安、自動車保険のアドミラル・グループが2.23%安だった。
 


■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
16日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比53.38ポイント(0.27%)安の1万9432.81で終えた。消費関連や自動車に売りが出て、DAXの重荷となった。半導体の独インフィニオンテクノロジーズも下げた。

個別では、スポーツ用品大手アディダスが15日発表した2024年7〜9月期の業績は市場予想を上回り、24年12月通期の収益見通しを上方修正した。だが16日の欧州市場では高額品を扱う企業を中心に消費関連の銘柄に売りが優勢で、アディダス株も売りに押された。(6.26%安)

医療機器のザルトリウス(4.03%安)、分子診断大手キアゲン(2.04%安)が売られた半面、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズ(1.61%高)や不動産大手ボノビア(1.20%高)が買われた。

 



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.39%安で終えた。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが15日公表した2024年7〜9月期の売上高は前年同期比で減少し、市場予想も下回った。LVMH株は朝方に前日比7%あまり下げる場面があった。ケリングやエルメス・インターナショナルも下落した。一方でBNPパリバなど金融株に買いが入った。


 
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