反発47ドル高、CPIが市場予想並みで買い
【市況】反発47ドル高、CPIが市場予想並みで買い |
13日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比47ドル21セント(0.10%)高の4万3958ドル19セントで終えた。
朝方発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇した。エネルギー・食品を除くコアは同0.3%上昇し、いずれもダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と同じだった。コア指数の前年同月比の上昇率は3.3%と、市場予想と同水準で、FRBが12月に0.25%の利下げを行う観測が強まった。
これを受け、2年物米国債利回りが大幅に低下し、小売りやエネルギー関連などが買われた。
ダウは一時200ドル超上昇。ただ、大統領選と同時に行われた連邦議会選で、上院に続き下院でも共和党が多数派になることが確実になったと伝わると、取引終盤にかけ上げ幅を縮めた。
市場では「株式相場にとってよいニュースとなった」との声が聞かれた。「長期的には粘着的なインフレ圧力が残るものの、FRBの12月会合での利下げ観測を高めた」との見方もあった。
米短期金利先物の値動きからFRBの金融政策を予想する「フェドウオッチ」では13日夕時点で12月に政策金利を0.25%引き下げる確率が8割と、前日の6割弱から上昇。ダラス連銀のローガン総裁は13日の講演で米経済が堅調ながらインフレも落ち着きつつあると述べ、「利下げは注意深く進めるのが最善だろう」と語った。FRBの段階的な米利下げが景気を下支えするとの見方が根強い。
ダウ平均は下落に転じる場面があった。米大統領選後に短期間で大幅に上昇し、11日には最高値を更新していた。短期的な過熱感が意識されやすく、主力株の一部には利益確定の売りもでやすかった。
個別では、アマゾン・ドット・コムやシェブロン、ベライゾン・コミュニケーションズが買われた。ホーム・デポやウォルト・ディズニーも高かった。半面、ボーイングやキャタピラー、エヌビディアなどは売られた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比50.662ポイント(0.26%)安の1万9230.739で終えた。アルファベットやメタプラットフォームズが下げた。一方、テスラは小幅高で終えた。
NYダウ 43958.19 ( +47.21 )
S&P500 5985.38 ( +1.39 )
NASDAQ 19230.73 ( -50.67 )
米10年債利回り 4.464 ( +0.036 )
NY(WTI)原油 68.43 ( +0.31 )
NY金 2586.5 ( -19.8 )
VIX指数 14.02 ( -0.69 )
NYダウ 43958.19 ( +47.21 )
S&P500 5985.38 ( +1.39 )
NASDAQ 19230.73 ( -50.67 )
米10年債利回り 4.464 ( +0.036 )
NY(WTI)原油 68.43 ( +0.31 )
NY金 2586.5 ( -19.8 )
VIX指数 14.02 ( -0.69 )
【シカゴ日本株先物概況】
13日の日経平均先物は下落した。12月物は前日比290円安の3万8970円で終えた。
NYダウ平均は、この日発表された米物価指標を背景に連邦準備制度理事会(FRB)による利下げへの期待が高まり、反発した。
日経平均株価は大きく下げていたためシカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38970 ( +320 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39005 ( +355 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
13日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発し、前日比4.56ポイント(0.05%)高の8030.33で終えた。13日発表の10月の米消費者物価指数(CPI)で上昇率が市場予想並みにとどまった。米国で利下げ停止がありうるとの観測が後退し、投資家心理を支えた。
英HSBCホールディングスといった銀行が買われた。12日に2024年12月通期の収益見通しを上方修正した製薬のアストラゼネカや、エネルギー株が上昇した。
FTSEの構成銘柄では、通期の業績見通しを上方修正した医療機器・精密部品大手スミスグループが10.45%高と急伸。通信大手ボーダフォンが3.04%高、金融大手スタンダード・チャータードが2.34%高で続いた。一方、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループは7.23%安、複合企業DCCは3.79%安、医療機器のコンバテックは3.03%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
13日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比30.53ポイント(0.16%)安の1万9003.11と約1カ月半ぶりの安値で終えた。米長期金利が下がりにくいとの観測が重荷だった。13日発表の10月の米消費者物価指数(CPI)をきっかけに、米国で利下げ停止がありうるとの観測が弱まると、DAXは下げ幅を縮小する場面があった。
個別では、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEが6.17%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが4.70%安、製薬大手バイエルが3.52%安と下落。半面、中期の収益目標を引き上げたエネルギー大手シーメンス・エナジーは18.95%高と大きく買われ、電力大手RWE(6.14%高)と化学品商社ブレンターク(2.27%高)も相場を下支えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.14%安で終えた。投資家が注目していた10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想と一致したことも、積極的な売買を控える要因となった。