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388ドル安と反落、金利高やドル高を警戒
【市況】388ドル安と反落、金利高やドル高を警戒

26日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前日比388ドル00セント(1.14%)安の3万3618ドル88セントで終えた。6月6日以来の安値。

米長期金利はこの日も上昇し、10年債利回りは約16年ぶりの高水準圏で推移した。これに伴いドル相場も上昇し、株価の重荷になった。米政府機関が一部閉鎖される可能性が高まっていることに加え、全米自動車労組(UAW)の長引くストライキや原油高なども投資家心理の悪化につながり、ダウ平均は430ドル強安となる場面があった。

1日の下げ幅としては、3月22日(530ドル)以来の大きさとなった。金融引き締めが長期化するとの観測が広がっており、26日の米債券市場では長期金利が一時4.56%と2007年10月以来の高水準を付けた。金利の上昇で、相対的な割高感が強まったとみられた株式に売りが出やすかった。ドルが主要通貨に対して上昇し、米企業の海外事業の収益が目減りするとの見方も、株式相場の重荷となった。

今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は26日に同連銀のサイトに公開した論文で、0.25%の利上げをした後も米経済がソフトランディング(軟着陸)できる確率が60%との見方を示した。インフレが想定以上に根強いケースについても触れており、総じて金融引き締めに積極的な内容と受け止められた。

米議会の予算協議が難航しており、新しい会計年度が始まる10月1日までに新年度の予算案が成立しなければ、政府機関の一部が閉鎖される可能性がある。25日には格付け会社が政府機関の閉鎖を格付けにネガティブとの見方を示しており、市場では「米国債の格下げリスクが意識され、投資家心理の悪化につながった」との見方があった。

26日午前発表の9月の米消費者信頼感指数は前月の改定値から5.7ポイント低下の103.0と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(105.5)を下回った。8月の新築住宅販売件数も市場予想に届かなかった。高金利のもとで米景気が悪化しているとの見方も株売りにつながった。

個別では、金利上昇で高PER(株価収益率)のハイテク株が売られやすく、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが下げた。建機のキャタピラーや航空機のボーイングといった景気敏感株にも売りが出た。

ナスダック総合株価指数は反落した。前日比207.710ポイント(1.56%)安の1万3063.610と、およそ4カ月ぶりの安値で終えた。

 

【シカゴ日本株先物概況】

26日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比595円安の3万1870円で終えた。

米金利の高止まりへの懸念や米政府機関の一部閉鎖への警戒感から米株式相場が下落した。投資家心理が悪化するとの見方から日経平均先物も売られた。


シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
31870 ( -210 )

シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
31905 ( -175 )

( )は大阪取引所終値比




【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7625.72(+1.73)

26日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発した。前日に比べ1.73ポイント(0.02%)高の7625.72で引けた。銀行株や保険株の上昇が指数を支えた。半面、中国の景気懸念は重荷となり、指数は前日終値を挟んで推移した。

英バークレイズは前日比3.9%上昇し、銀行株をけん引した。モルガン・スタンレーのアナリストが投資判断と目標株価を引き上げたのをきっかけに買いが集まった。

FTSEの構成銘柄では、工業・電子製品大手RSグループが5.49%高と上昇幅トップ。金融大手バークレイズが3.93%高、オンライン食品販売大手オカド・グループが3.74%高と続いた。
半面、医療機器・精密部品大手スミスグループは3.99%安、流通大手セインズベリーが2.86%安だった。



■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15255.87(−149.62)

26日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落した。前日比149.62ポイント(0.97%)安の1万5255.87と、3月下旬以来、半年ぶりの安値水準で終えた。中国景気の先行きに懸念が根強く、投資家心理を冷やした。ソフトウエアのSAPと自動車のフォルクスワーゲンがともに2%あまり下落したほか、重電のシーメンスも下げるなど、幅広い銘柄に売りが出た。

個別では、不動産大手ボノビア(5.22%安)やエネルギー大手シーメンス・エナジー(4.14%安)、高級車メーカーのポルシェ(3.51%)が売られた一方、製薬大手サルトリアス(2.25%高)や航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズ(1.33%高)が買われた。


■フランス・パリ株価指数
CAC40 7074.02(−49.86)

フランスCAC40種指数は0.70%安だった。
主要中央銀行による金融引き締めの長期化や中国経済の低迷に対する警戒感が重しとなり、リスク回避の売りが出ている。


 
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