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106円高と反発も上値の重い展開続く
東京株式(前引け)=106円高と反発も上値の重い展開続く

 
9日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前週末比106円40銭高の3万9197円57銭だった。
きょう前場は方向感が定まらず、日経平均は朝高後に値を消しマイナス圏に沈んだが、その後に買い直され結局前週末終値を100円あまり上回る水準で前場の取引を終えている。
 
前週末の米国株市場ではハイテク株が買われ、ナスダック総合株価指数は最高値を更新し、S&P500種株価指数がそろって最高値を更新した。
たが、東京株式市場ではその流れを引き継いだものの上値も重い展開になった。半導体の主力銘柄に売りが目立ち、全体相場の上値を重くしている。ただ、中小型株は相対的に強さを発揮しており、プライム市場の値上がり銘柄数は全体の74%を占めた。
 
6日発表の11月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比22万7000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万4000人増)を上回った。平均時給の伸び率は前月比0.4%と市場予想(0.3%)より高かった。一方、失業率は10月の4.1%から4.2%に上昇した。総じて市場予想の範囲内と受け止められ、12月の米利下げ観測が強まった。米長期金利の上昇に一服感が出るなか、米市場ではハイテク株を中心に買われ、きょうの東京市場でも幅広い銘柄が上昇した。
 
日経平均は一時、下落に転じた。前週の日経平均は週間で900円近く上昇していたうえ、年初からの日経平均の価格帯別売買高は3万9000円近辺で最も膨らんでおり、同水準では売り圧力が強いとの見方は多い。前週の日経平均は値がさの半導体関連株をけん引役に騰勢を強めたとあって、値がさの半導体関連には短期的な過熱感を意識した売りが出やすく、日経平均の重荷となった。
 
後場の日経平均株価は、積極的に買い上げるほどの材料は乏しく、上値の重い展開が続きそうだ。18-19日の日本銀行による金融政策決定会合での利上げ実施観測は、11月末の植田和男日銀総裁の発言時点よりは下がっているが、今週発表される第3四半期実質GDP(二次速報値)などの経済データ次第で再燃する余地は十分ある。
また、日銀会合前の17-18日にFOMCが開催されることから、11月の米消費者物価指数など米経済指標への関心も高まろう。今週は日米中銀会合への思惑でドル・円が上下に振れる展開を想定しておきたく、自動車など輸出関連銘柄や円高メリット銘柄などが上昇・下落ランキングの上位に顔を出しそうだ。

 


 
 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは11.21ポイント(0.41%)高の2738.43だった。JPXプライム150指数も反発した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8932億円、売買高は8億9737万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1222。値下がりは372、横ばいは50だった。
 
業種別では、サービス業、空運業、情報・通信業が上昇した一方で、鉱業、石油・石炭製品、保険業などが下落した。
 
個別では、IHIが商いを膨らませ上昇、ソフトバンクグループ(SBG)、ファーストリテイリングも上値を指向した。リクルートホールディングス、ソニーG、ファナックも堅調。任天堂が強さを発揮した。エラン、セレス、丸一鋼管が大幅高、株主優待を好材料視された楽天グループが急騰、バンナムHDやコナミGが買われた。
 
半面、ディスコ、アドバンテスト、SCREENホールディングスなどが安く、三菱重工業や川崎重工業などの防衛関連株が軟調に推移。サンリオも売られた。三菱UFJや日立、関西電力、三菱商事などが下落となった。古河電気工業も冴えない。第一三共や三越伊勢丹が下落した。上半期営業益は計画比下振れ着地となったアインホールディングスが急落、低位株では第1四半期順調決算だが出尽くし感が先行した日本駐車場開発も大きく値を下げた。
ほか、日本マイクロニクス、エターナルG、シンフォニアテクノロジーなどが値下がり率上位となった。

 
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