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555円安と続落 一時700円安、海外勢の先物売りで
東京株式(前引け)=555円安と続落 一時700円安、海外勢の先物売りで

 
22日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比555円13銭(安の3万8399円47銭だった。
 
きょう前場は朝方こそ売り買いを交錯させていたが、その後に先物主導で仕掛け的な売りが入り、日経平均株価は下げ幅を一気に広げた。一時700円を超える下落で3万8200円台まで売り込まれる場面があった。27日に衆院選の投開票を控え、自民党など与党が苦戦するとの見方が改めて強まり、海外投資家と思われる大口の売りなどが全体指数を押し下げている。
前日の米国株市場ではNYダウは上昇一服となったものの下げは限定的で、ナスダック総合株価指数は小幅ながら4日続伸と上値指向を継続した。ドル・円相場も急速な円安に振れたことで、東京株式市場では追い風が意識されたが、半導体関連株などの上値が重く見切り売りを誘発した。
 
日米の政治情勢の先行き不透明感から短期目線の海外投資家による株価指数先物への売りが相場を下押しした。11月の米大統領選を巡る思惑から日米の長期金利が上昇(債券価格は下落)するなか、日本株の相対的な割高さも意識された。
 
共同通信社は22日、27日投開票の衆院選について実施した世論調査では自民党は苦戦し、自民党と与党を組む公明党の議席も伸び悩む結果となり、与党で過半数議席の確保は微妙な状況と報じた。NHKが21日夜に報じた世論調査によると、石破茂内閣を「支持する」と答えた人は、先週行った調査より3ポイント下がって41%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は3ポイント上がって35%だった。
 
与党が大幅に議席を減らす結果となれば、政権運営に支障をきたすとの警戒感から売りが膨らんだ。政治の先行き不透明感から買い方が動けない状況を狙って「短期の海外筋が先物への売りを仕掛けた可能性が高い」との声があった。日経平均はチャート分析上で下値支持として意識された25日移動平均(3万8440円近辺)を下回った。
 
11月の米大統領選で財政拡張的な政策を掲げるトランプ前大統領が勝利するとの思惑から、21日の米市場では長期金利が前週末比0.11%高い(価格は安い)4.19%と、約3カ月ぶりの高水準を付けた。国内債券市場でも長期金利が上昇し、リスク資産である株式の持ち高整理を促した面がある。

 
 
一部メディアが中国のハイテク分野への米国からの投資を規制する法案の審議が最終段階にあり、米政府は近く公表する見込みと報じている。AIなどへの米投資が中国軍の支援にならないことを目的とするもよう。
現在検討されている規制案は投資を禁止、または投資について米財務省への報告を義務づけるとしており、半導体株の下げのきっかけとなった。後場もこうしたニュースなどが重しとなり、日経平均はさえない展開となりそうだ。選挙への不透明感からプライム市場の売買代金が膨らまない状況下、3万8000円台前半での弱い推移を想定する。
 
 
東証株価指数(TOPIX)も続落した。前引けは30.55ポイント(1.14%)安の2649.36だった。JPXプライム150指数は続落し、13.01ポイント(1.08%)安の1189.04で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9521億円、売買高は8億9097万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1515。値上がりは112、横ばいは18だった。
 
業種別では、機械、建設業、証券・商品先物取引、不動産、銀行などが下落した一方、海運業のみ上昇した。
 
個別では売買代金首位のディスコが反落したほか、レーザーテック、アドバンテスト、東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクス、ソシオネクストなど半導体製造装置関連が安い。一部証券会社のネガティブなレポートが影響してTOTOが下げたほか、日本製鋼所、川崎重、三菱重、IHIなど防衛関連銘柄も売られた。ソフトバンクグループ(SBG)が値を下げ、フジクラも下値を探った。ファーストリテイリングも売られた。IDOMが急落、メドレー、ビーウィズなども大幅安。このほか良品計画、エムスリー、メルカリの下げも目立った。
 
半面、外国為替市場での円売り・ドル買いを受けて、輸出採算改善の期待から三菱自、トヨタ自、SUBARU、マツダ、いすゞ自などトヨタやなどの自動車株の一角が高い。商船三井、川崎汽船、日本郵船など海運株がしっかり。イオンファンタジーも大幅高。ラクーンホールディングスが値を飛ばした。

 
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