ダウ大幅反落600ドル超の下げ、ナスダックも安い
【市況】ダウ大幅反落600ドル超の下げ、ナスダックも安い |
3日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比626ドル15セント(1.50%)安の4万0936ドル93セントで終えた。1日の下げ幅としては8月5日(1033ドル安)以来の大きさだった。前週末まで連日で最高値を更新した後で、半導体などハイテク株を中心に利益確定売りが広がった。
ダウ平均の下げ幅は一時780ドルを超えた。9月の米利下げ観測などを背景に先週末は最高値を更新しており、利食い売りが出やすかった。2日はレーバーデー(労働者の日)で休場となったが、3日は市場参加者の多くが夏季休暇から復帰した。
米サプライ管理協会(ISM)が発表した8月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)は47.2となり、市場予想(47.5=ロイター通信調べ)をわずかに下回ったことも圧迫材料となった。
7月から改善したものの、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(47.9)に届かなかった。個別項目では「新規受注」と「生産」が悪化。米大統領選を巡る不透明感や高金利が重荷になっている。一方、「価格」は上昇。「経済全般にわたるインフレ圧力が完全には消えていない」との見方があった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが9.5%安で終えた。「前週に好決算を発表した後でも株価が上昇せず、半導体株の先行きへの懸念が浮上している」との見方があった。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やクアルコムといった他の半導体株も下げた。
主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7.7%安と、下落率が今年最大だった。ダウ平均にも採用されているインテルは8.8%安。経営再建を巡る観測報道があり、物足りないとの受け止めから売りが膨らんだ。
ダウ平均は前週末まで連日で最高値を更新していた。週内には8月の雇用統計など重要な経済指標の発表があり、利益確定や持ち高調整の売りが出やすかった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アップルやアマゾン・ドットコムが下落。キャタピラーとゴールドマン・サックスも売られた。アナリストが投資判断を引き下げたボーイングも安かった。一方、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やユナイテッドヘルス・グループといったディフェンシブ株の一角に買いが入った。
ナスダック総合株価指数は反落し、前週末比577.326ポイント(3.25%)安の1万7136.298で終えた。半導体株が軒並み下げたほか、アルファベットやメタプラットフォームズにも売りが出た。
NYダウ 40936.93 ( -626.15 )
S&P500 5528.93 ( -119.47 )
NASDAQ 17136.30 ( -577.33 )
米10年債利回り 3.833 ( -0.074 )
NY(WTI)原油 70.34 ( -3.21 )
NY金 2523.0 ( -4.6 )
VIX指数 20.72 ( +5.17 )
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比1395円安の3万7595円で終えた。
NYダウ平均は、前週末まで連日で最高値を更新した後を受け、利益確定売りが優勢となり、大幅反落した。
シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
37595 ( -1195 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37630 ( -1160 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8298.46(-65.38)
3日のFTSE100種総合株価指数は3日続落し、前日比65.38ポイント(0.78%)安の8298.46で終えた。米中の景気減速が原油需要の減退につながるとの観測から原油先物が大幅に下落した。英シェルなどエネルギー株が売られ、指数を下押しした。
原油の国際指標のひとつである北海ブレント原油先物(11月物)は3日に一時前日比4.7%安の1バレル73ドル台後半まで売られ、2023年12月中旬以来の安値を付けた。銅など非鉄金属の先物相場も下落し、英アングロ・アメリカンなど資源株の売りにつながった。銀行株にも売りが優勢だった。
FTSEの構成銘柄では、不動産サイト大手ライトムーブが6.78%安、産金大手フレスニロが5.63%安、資源大手アングロ・アメリカンが4.81%安と下げを主導した。
一方、格安航空大手イージージェットは2.74%高、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールは2.19%高、航空機エンジン大手ロールス・ロイスも1.72%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18747.11(-183.74)
3日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比183.74ポイント(0.97%)安の1万8748.11で終えた。3日に米サプライマネジメント協会(ISM)が公表した8月の製造業景況感指数をきっかけに米景気が減速に向かっていることが意識され、株価の重荷となった。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが4.68%安、商用車大手ダイムラー・トラックが3.47%安、高級車メーカーのポルシェが3.21%安。半面、香料大手シムライズは1.85%高、ハノーバー再保険は0.93%高、通販大手ザランドは0.70%高で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7575.10(-71.32)
フランスの株価指数CAC40も反落し、前日比0.93%安で終えた。原油や非鉄金属の先物相場下落を背景に、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルやエネルギー大手の仏トタルエナジーズが下げた。