大幅続伸、米関税強化、警戒後退
【市況】大幅続伸、米関税強化、警戒後退 |
21日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比537ドル98セント(1.23%)高の4万4025ドル81セントで終えた。
トランプ米大統領は20日に就任し、メキシコとカナダからの輸入品に対し、2月1日から25%の関税を課すことを検討していると説明。一方で、全輸入品に対する10~20%の一律関税の即日発動を見送り、60%の対中関税についても導入時期を示さなかったことが株価の支援材料となった。
また関税の引き上げによるインフレ再燃懸念が薄れる中、米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が低下した。
また関税の引き上げによるインフレ再燃懸念が薄れる中、米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が低下した。
トランプ大統領は20日にカナダとメキシコからの輸入品に2月から25%の関税を課す考えを示したものの、これまで主張してきた世界一律の関税引き上げには踏み込まなかった。中国に対する即時引き上げも見送った。関税で米国の物価上昇圧力が高まるとの観測がいったん後退し、米長期金利は低下。金利と比べた株式の相対的な割高感が薄れ、主力株に買いが入った。
CBSニュースなど米メディアは21日、トランプ大統領が米国のAIインフラに巨額投資する方針を発表する見通しだと報じた。米オープンAIと日本のソフトバンクグループ、オラクルによる共同出資事業を計画しているという。報道を受けてオラクルは7%ほど上昇した。半導体株への買いも目立ち、ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが上げた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、テスラは下げた。トランプ大統領が電気自動車(EV)の促進策を廃止する大統領令に署名し、販売が鈍ると懸念された。市場では「トランプ氏の政策の不確実性は高いままだ」との見方が根強い。多くの投資家はトランプ大統領の発言を見極めようとする姿勢を維持している。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、スリーエムが上昇した。21日発表の四半期決算が市場予想を上回り、好感された。キャタピラーとナイキも買われた。半面、アップルは下げた。アナリストが投資判断を引き下げ、嫌気した売りが出た。メルクやシェブロンも安かった。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比126.580ポイント(0.64%)高の1万9756.779で終えた。アルファベットやメタプラットフォームズが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
21日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前週末比480円高の3万9275円で終えた。この日は20日に就任したトランプ米大統領による関税政策への警戒感が和らぎ日米株式相場がともに上昇したため、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが広がった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39275 ( +315 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39330 ( +370 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
21日の英FTSE100種総合株価指数は5日続伸し、前日比27.75ポイント(0.32%)高の8548.29と連日で最高値を更新して終えた。英イングランド銀行(中央銀行)が2月に結果を公表する金融政策委員会で利下げを決めるとの見方が、投資家心理を支えた。
21日発表された英雇用統計は強弱入り交じる内容だったが、英中銀が2月に利下げを発表するという市場の予想を変えるほどの結果ではないと受けとめられた。同日のドイツやフランス、米国株の相場上昇も英国株の買いを誘った。
FTSEの構成銘柄では、金融大手ロイズ・バンキング・グループが3.99%高、ゲーム大手ゲームズ・ワークショップが3.17%高、産金大手エンデバー・マイニングが2.97%高と相場をけん引。一方、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは2.74%安、食品・小売り大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは2.65%安、不動産サイト大手ライトムーブは2.56%安となった。
21日発表された英雇用統計は強弱入り交じる内容だったが、英中銀が2月に利下げを発表するという市場の予想を変えるほどの結果ではないと受けとめられた。同日のドイツやフランス、米国株の相場上昇も英国株の買いを誘った。
FTSEの構成銘柄では、金融大手ロイズ・バンキング・グループが3.99%高、ゲーム大手ゲームズ・ワークショップが3.17%高、産金大手エンデバー・マイニングが2.97%高と相場をけん引。一方、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは2.74%安、食品・小売り大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは2.65%安、不動産サイト大手ライトムーブは2.56%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
21日のドイツ株価指数(DAX)は6日続伸した。終値は前日比51.69ポイント(0.24%)高の2万1042.00と最高値の更新が続いた。市場関係者の関心が高い米国の関税政策について、いまのところ市場のさらなる懸念を誘うような内容が出ていない。米欧の長期金利の安定的な推移とあわせて、投資家心理を支えた。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.31%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが3.22%高、防衛大手ラインメタルが1.88%高と買われた半面、自動車大手BMWは1.79%安、郵便・物流大手ドイツポストは1.47%安、コメルツ銀行は0.94%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は6日続伸した。終値は前日比0.48%高い7770.95と2024年9月下旬以来の高値を更新した。一部金融機関が目標株価を引き上げたLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど消費関連の一角が買われた。一方で自動車の欧州ステランティスや欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタル、仏トタルエナジーズは下落した。