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43ドル高、追加利下げ観測高まる
【市況】43ドル高、追加利下げ観測高まる
 
1日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比43ドル21セント高の4万6441ドル10セントで終え、連日で最高値を更新した。労働市場の減速を示す経済指標の発表を受けて米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げをするとの見方が広がり、株への買いを支えた。
 
米連邦政府は1日、政府機関の一部閉鎖に追い込まれた。2025会計年度(24年10月~25年9月)末を迎えたが、財政資金を確保するつなぎ予算案が与野党の対立で議会通過できず、9月30日深夜に予算切れとなった。これを受け、9月の米雇用統計など重要な経済指標の発表が延期され、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の不透明感が高まるとの警戒感が広がった。ただ、日系証券筋は「市場では与野党の交渉が短期で妥結するとの期待感もある」と指摘した。
 
 米民間雇用サービス会社ADPが朝方発表した9月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)は前月比3万2000人減と、市場予想(ロイター通信調べ)の5万人増を下回った。米サプライ管理協会(ISM)が発表した9月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.1と、市場予想(49.0=ロイター通信調べ)を上回った。発表後、相場の動きは限定的だった。

米政府機関が一部閉鎖される影響で、3日に発表を予定されていた9月の雇用統計の発表が遅れるとみられる。「FRBの次回の会合での政策判断にADPのリポートが大きな影響を及ぼす可能性がある」との見方があった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、製薬のファイザーが連日で大幅高となった。前日にトランプ米大統領が米国内の薬価引き下げで合意したと発表。同社は米国の投資計画を公表し、当面は輸入関税の対象外となる。同業他社とも同様の合意が見込めるとの思惑が広がっている。製薬会社をめぐって関税の影響などへの懸念が薄れ、ダウ平均の構成銘柄ではメルクやアムジェンが大幅に上昇して指数を押し上げた。

ダウ平均は下げる場面もあった。米国では10月から始まる新しい会計年度の予算をまかなう「つなぎ予算」が成立せず、米連邦政府予算が1日に失効した。これに伴い、政府機関の一部が閉鎖した。米議会予算局(CBO)の試算では、政府職員のおよそ75万人が一時帰休となり、1日あたり約4億ドルの報酬の支払いが止まるという。

政府閉鎖が長期化すれば、個人消費や経済活動に響きかねないほか、主要な経済指標の一部の発表が遅れると意識されている。市場では「米株に対するセンチメントに悪影響を及ぼす」との見方があった。

ダウ平均の個別銘柄では、前日夕に発表した2025年6〜8月期決算が市場予想に反して増収となったナイキが買われた。ビザやIBM、キャタピラーも高い。一方、ホーム・デポやJPモルガン・チェース、シャーウィン・ウィリアムズは下げた。

 
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比95.148ポイント(0.41%)高の2万2755.157(速報値)で終えた。マイクロン・テクノロジーやアプライドマテリアルズ(AMAT)など半導体関連株の一角の上昇も目立った。インテルが7%高だった。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)をファウンドリー(半導体受託生産)の顧客に加える初期段階の協議をしていると米メディアのセマフォーが伝え、好感された。

S&P500種株価指数も4日続伸した。前日比22.74ポイント(0.33%)高の6711.20で終え、9月22日以来となる最高値を更新した。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比30円安の4万4825円で終えた。同日は米株式相場が堅調に推移したものの、日経平均株価が約3週ぶり安値をつけており、シカゴ市場の日経平均先物には売りがやや優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
44825 ( +285 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
44915 ( +375 )
 
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数


1日の英FTSE100種総合株価指数は4日続伸した。終値は前日比96.00ポイント(1.02%)高の9446.43と連日で最高値を更新した。英アストラゼネカが前日比11%高と急伸するなど製薬を中心にヘルスケア関連の銘柄が買われ、指数を押し上げた。


製薬株の上昇は9月30日にトランプ米大統領が米国内での薬価引き下げに向けて米製薬大手ファイザーと合意したと発表したことがきっかけとなった。消費者が医薬品をメーカーから直接購入できるサイトを設けるとの発表も踏まえ、米国での薬価や、医薬品を対象とした関税について先行き不安が和らいだ。
米民間雇用サービス会社ADPが1日発表した9月の全米雇用リポートが市場予想より弱い内容で、米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げへの期待が高まったことも株式への買いを支えた。
 
ヘルスケア関連のほか、不動産投資信託(REIT)や石油、公益株が上げた。他方、英スーパー大手テスコなど小売りや、ユニリーバといった日用品の関連銘柄の一部に売りが出た。

FTSEの構成銘柄では、製薬大手アストラゼネカが11.21%高と急伸し、小売り大手JDスポーツ・ファッションが6.82%高、製薬大手GSKが6.16%高で続いた。一方、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループは3.76%安、流通大手テスコは3.55%安、飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーは3.14%安と下げた。



■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
1日のドイツ株価指数(DAX)は4日続伸した。終値は前日比232.90ポイント(0.97%)高の2万4113.62と8月26日以来、約1カ月ぶりの高値となった。

ヘルスケア関連の上昇は前日にトランプ米大統領が、米国内での薬価引き下げに向けて米ファイザーと合意したと発表したことがきっかけとなった。消費者が医薬品をメーカーから直接購入できるサイトを設けるとの発表もあり、製薬株を取り巻く不安が和らいだ。

個別では、医薬大手メルクが10.05%高、製薬大手バイエルが4.99%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが4.76%高と相場をけん引。半面、防衛大手ラインメタルは1.69%安、不動産検索サイト大手スカウト24は1.03%安、商用車大手ダイムラー・トラックは0.54%安となった。




■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場で、欧州主要600社の株価指数であるストックス600は上昇した。終値は564.62と3月上旬につけた最高値を7カ月ぶりに更新した。フランスの株価指数CAC40は4日続伸。終値は前日比0.89%高の7966.95と8月22日以来の高値となった。


 
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