【市況】小幅続落6ドル安、長期金利が重荷に |
22日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比6ドル71セント(0.01%)安の4万2924ドル89セントで終えた。
ダウ平均は午前中に一時200ドル超安を付けたが、午後にかけ安値拾いの買いが入りプラス圏に浮上。ただ、終盤に再び売られた。
ダウ平均は上昇に転じる場面があった。国際通貨基金(IMF)は22日、24年と25年の米国の経済成長見通しを上方修正した。賃金の上昇などを背景に個人消費が堅調に推移すると予想し、投資家の間では米経済が大幅な悪化を避けられるとの期待が改めて意識された。
発表が本格化している7〜9月期決算も想定以上との見方が広がっている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、ゼネラル・モーターズ(GM)が市場予想以上の決算を受けて大幅高となった。市場では「経済データと企業業績の両方が投資家心理を支えている」との指摘があった。
23日にはテスラが7〜9月期決算を発表する。発表後に株価が大きく変動すれば米株相場全体に影響する可能性が意識され、様子見の投資家も多かった。
ダウ平均の構成銘柄ではベライゾン・コミュニケーションズの下げが目立った。22日発表の四半期決算で売上高が市場予想に届かなかった。インテルとスリーエム、ホーム・デポが下げた。一方、マイクロソフトやウォルマート、アムジェンは上昇した。
ナスダック総合株価指数は5日続伸した。前日比33.124ポイント(0.17%)高の1万8573.129で終えた。メタプラットフォームズやアルファベットが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比635円安の3万8390円で終えた。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
22日のFTSE100種総合株価指数は3日続落し、前日比11.70ポイント(0.14%)安の8306.54で終えた。米長期金利の先高観や、21日の米ダウ工業株30種平均の下落などが投資家心理の重荷となり、売りが先行した。午後には銀行株や資源株に買いが増え、指数は下げ幅を縮めた。
英国時間22日午後に国際通貨基金(IMF)が発表した世界の経済成長率見通しで、2024年の英国の成長率を上方修正したのも、相場を下支えした。
FTSEの構成銘柄では、自動車保険のアドミラル・グループが1.96%安、住宅大手パーシモンが1.81%安、同業テイラー・ウィンペイが1.71%安と下落。一方、産金大手フレスニロは2.88%高、投資会社メルローズ・インダストリーズは2.00%高、インターコンチネンタル・ホテルズは1.73%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
22日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比39.28ポイント(0.20%)安の1万9421.91で終えた。米欧の長期金利上昇や、前日の米ダウ工業株30種平均の下落が投資家心理を冷やした。ただ市場予想を上回る四半期決算を公表した銘柄には買いが入り、指数の下げ幅は限られた。
個別では、22日公表した2024年7〜9月期の純利益の水準(速報値)が市場予想を下回ったミュンヘン再保険が2.75%安、不動産大手ボノビアが2.04%安、化学品商社ブレンタークが1.93%安となった半面、SAPは2.14%高、航空大手エアバスは1.65%高、ドイツ銀行は1.23%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は小幅に続落し、前日比0.01%安で終えた。
米大統領選や中東情勢を巡る先行き不透明感が株価の重しとなった。堅調な米経済指標を背景に、米利下げペースが見極めにくいことも嫌気された。