174円高と3日ぶり反発、円安基調と日米金利の低下で
東京株式(大引け)=174円高と3日ぶり反発、円安基調と日米金利の低下で

【大引け概況】
23日の日経平均株価は3日ぶりに反発し、終値は前日比174円60銭高の3万7160円47銭だった。
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23日の日経平均株価は3日ぶりに反発し、終値は前日比174円60銭高の3万7160円47銭だった。
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時間:00:01:49 容量:21.80M ▼音声 VOICEVOX Nemo
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前日の米株式市場では、NYダウが小幅安だったものの、ハイテク株は堅調でナスダック指数は上昇した。為替も前日夕方に比べやや円安で推移するなか、日経平均株価は値を上げてスタート。大手重工など防衛関連株や半導体株などに買いが流入した。午前10時30分過ぎには日経平均株価は380円を超える上昇となった。ただ、3万7400円に近づいた水準では売りが膨らみ上値は抑えられた。週末には3回目の日米関税交渉も予定されるなか、後場は様子見姿勢が強まり3万7100円台を中心とする一進一退が続いた。
米長期金利の低下(債券価格は上昇)を受け、外国為替市場で円相場は1ドル=143円台後半で推移する場面が目立つなど、前日夕時点に比べて円安・ドル高方向に振れた。円安進行に歩調を合わせた買いが株価指数先物に断続的に入り、日経平均を押し上げた。
前日の米債券市場で長期金利は4.5%台に低下した。米財政悪化懸念から朝方には一時4.62%と約3カ月ぶりの水準に上昇したが、持ち高整理の債券買いが優勢となり、金利上昇が一服した。米株市場では金利低下を支えにナスダック総合株価指数が3日ぶりに反発。きょうの東京市場でもアドテストなど値がさの半導体関連株の一角が買われた。国内長期金利も低下し、株式の相対的な割高感が和らいだと受け止められたことも株買いにつながった。決算発表が一巡し、ゲーム関連や原子力発電関連など個別に材料の出た銘柄を物色する動きも活発だった。
ただ、大引けにかけては週末を前に持ち高調整目的の売りが出て、急速に伸び悩んだ。赤沢亮正経済財政・再生相が23日から訪米し、週末には日米関税交渉の3回目の協議に臨む。赤沢氏のカウンターパートであるベッセント米財務長官が欠席する見通しとも伝わるが、交渉の結果を見極めたいとの雰囲気も強かった。
石破茂首相は23日、トランプ米大統領と電話で45分間協議し、米国の関税措置への対応や経済安全保障分野の協力について意見を交わした。市場では「米国側による円安是正要求への警戒感はなお強く、午後に円が下げ渋ったことも日経平均の上値を抑えた」との声が聞かれた。

日米通商交渉ではベッセント財務長官が欠席する見通しとあって、交渉に大きな進展は期待できないのではないかとの見方がある。米国では23日、クック米連邦準備理事会(FRB)理事の講演が予定されるなど複数の米金融当局幹部の発言機会もあり、為替相場に影響を及ぼす可能性はありそうだ。26日は、米国がメモリアルデー、英国がスプリング・バンクホリデーでそれぞれ休場となるため、海外投資家の動きが鈍くなることが予想されるだけに、目先は3万7000円を挟んだレンジ内の動きになりそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反発した。終値は18.43ポイント(0.68%)高の2735.52だった。JPXプライム150指数も3日ぶりに反発し、9.05ポイント(0.76%)高の1202.75で終えた。
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反発した。終値は18.43ポイント(0.68%)高の2735.52だった。JPXプライム150指数も3日ぶりに反発し、9.05ポイント(0.76%)高の1202.75で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で3兆9321億円、売買高は15億7815万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1118。値下がりは450、横ばいは64だった。
業種別株価指数(33業種)は、非鉄金属、機械、その他製品などが上昇。鉱業、電気・ガス業、証券・商品先物取引業などが下落した。
個別銘柄では、三菱重工業や川崎重工業、IHI、日製鋼が高く、フジクラや古河電気工業が買われた。アドバンテストや東京エレクトロンもしっかり。
ファストリや東京海上が高い。任天堂やコナミG、バンナムHDなどゲーム株の上昇が目立った。三井住友フィナンシャルグループ、豊田自動織機が堅調。日本製鋼所や三井E&S、名村造船所が買い人気を集めた。
半面、レーザーテックやディー・エヌ・エーが安く、サンリオや三菱UFJフィナンシャル・グループが値を下げた。信越化学工業やリクルートホールディングス、SMC、京セラが下落し、セブン&アイ・ホールディングスやオリックス、日本郵船、ニトリホールディングス、エーザイが軟調だった。