反発 米関税は想定内、ETFの捻出売りは重荷
東京株式(大引け)=反発 米関税は想定内、ETFの捻出売りは重荷

【大引け概況】
8日の日経平均株価は反発し、終値は前日比101円13銭高の3万9688円81銭だった。
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朝方こそリスク回避ムードに包まれていたが、思いのほか物色意欲は旺盛でおおむねプラス圏で推移した。方向感の見えにくい地合いで上値も重かった。前日の米国株市場ではハイテク株をはじめ広範囲に利益確定の動きが優勢でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落した。
また、トランプ米大統領が、日本に対し8月1日から25%の関税をかけると通告、これまでの24%を1%ながら上回る形となった。もっとも、市場では30~35%に引き上げられる可能性も意識されていただけに、従来の想定から外れたシナリオは回避できたことで、買いが優勢となった。この日はETF分配金捻出目的の売りが出ることが予想されており、上値を買い進む動きも限られた。なお、売買代金は取引最終盤にETF絡みの換金売りで膨らみ4兆5000億円台に達した。
トランプ氏は今回、日本を含む14カ国に対して新税率を発表した。だが、新税率は4月に相互関税を発表した際の税率から引き下げられたか、ほぼ据え置かれた格好で、市場では「最悪の事態は回避できたとして買い安心感につながった」との声が多い。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=146円台半ばと、前日夕時点から円安・ドル高方向に振れ、主力の輸出関連株に採算改善を見込んだ買いが入りやすかったことも投資家心理を支えた。非鉄金属や鉄鋼など景気敏感株が多く含まれる業種の上昇が目立った。
米関税政策による世界景気や企業業績の押し下げを警戒する見方は根強い。市場関係者は「企業業績や関税発動への警戒感から投資家が腰を据えて買う動きにはなっておらず、米国株のように最高値を試す機運は乏しい」と話す。20日投開票の参院選を前に日米関税交渉がまとまる可能性は低いといい、不透明感が払拭されない限りは日経平均はレンジ相場を脱却できないともみていた。
8日と10日はETFの運用会社が分配金(配当に相当)の支払いに備え、株価指数先物などに資金捻出のための売りを出す日に当たる。市場関係者の試算によると、8日は約5600億円、10日は約9000億円と、合計で約1兆4600億円の売り需要が発生する。「換金売り自体は大引けで出るのが一般的だが、需給の緩みを意識した短期筋が先回りで先物を売っていたとみられ、日経平均の上値を抑えた」と指摘した。

東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反発した。終値は4.82ポイント(0.17%)高の2816.54だった。JPXプライム150指数は6営業日ぶりに反発し、1.43ポイント(0.12%)高の1234.74で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5433億円、売買高は20億751万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1083。値下がりは484、横ばいは60だった。
業種別株価指数(33業種)は、ガラス・土石製品、非鉄金属、精密機器などが上昇。食料品、医薬品、保険業などが下落した。
個別では、売買代金上位のアドバンテストが堅調。フジクラは商いを伴い値を飛ばした。古河電気工業も大幅高。また、トヨタ自動車、サンリオが活況高となったほか、良品計画も強調展開。日立製作所が買い優勢となり、東京電力ホールディングスにも投資資金が流入した。上半期上振れ着地で通期予想を上方修正したネクステージが値上がり率首位、タダノも急騰した。オムロンの上げ足の強さが目立っている。トリケミカル研究所も物色人気を博した。
半面、売買代金トップとなったディスコは小安く引けたほか、ソフトバンクグループ(SBG)も冴えなかった。任天堂が軟調、三菱UFJFGや三井住友FGなどの金融株が軟調に推移。東京海上ホールディングス、富士通なども売りに押された。GMOインターネットが急落、日産自動車の下げも目を引く。株式売出実施による短期的な需給懸念が広がった丸井グループが大幅安、東京ガスが安く、中外製薬、サントリー食品インターナショナルも値を下げた。

8日の日経平均株価は反発し、終値は前日比101円13銭高の3万9688円81銭だった。
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時間:00:01:34 容量:18.70M ▼音声 VOICEVOX Nemo
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また、トランプ米大統領が、日本に対し8月1日から25%の関税をかけると通告、これまでの24%を1%ながら上回る形となった。もっとも、市場では30~35%に引き上げられる可能性も意識されていただけに、従来の想定から外れたシナリオは回避できたことで、買いが優勢となった。この日はETF分配金捻出目的の売りが出ることが予想されており、上値を買い進む動きも限られた。なお、売買代金は取引最終盤にETF絡みの換金売りで膨らみ4兆5000億円台に達した。
トランプ氏は今回、日本を含む14カ国に対して新税率を発表した。だが、新税率は4月に相互関税を発表した際の税率から引き下げられたか、ほぼ据え置かれた格好で、市場では「最悪の事態は回避できたとして買い安心感につながった」との声が多い。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=146円台半ばと、前日夕時点から円安・ドル高方向に振れ、主力の輸出関連株に採算改善を見込んだ買いが入りやすかったことも投資家心理を支えた。非鉄金属や鉄鋼など景気敏感株が多く含まれる業種の上昇が目立った。
米関税政策による世界景気や企業業績の押し下げを警戒する見方は根強い。市場関係者は「企業業績や関税発動への警戒感から投資家が腰を据えて買う動きにはなっておらず、米国株のように最高値を試す機運は乏しい」と話す。20日投開票の参院選を前に日米関税交渉がまとまる可能性は低いといい、不透明感が払拭されない限りは日経平均はレンジ相場を脱却できないともみていた。
8日と10日はETFの運用会社が分配金(配当に相当)の支払いに備え、株価指数先物などに資金捻出のための売りを出す日に当たる。市場関係者の試算によると、8日は約5600億円、10日は約9000億円と、合計で約1兆4600億円の売り需要が発生する。「換金売り自体は大引けで出るのが一般的だが、需給の緩みを意識した短期筋が先回りで先物を売っていたとみられ、日経平均の上値を抑えた」と指摘した。

東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反発した。終値は4.82ポイント(0.17%)高の2816.54だった。JPXプライム150指数は6営業日ぶりに反発し、1.43ポイント(0.12%)高の1234.74で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆5433億円、売買高は20億751万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1083。値下がりは484、横ばいは60だった。
業種別株価指数(33業種)は、ガラス・土石製品、非鉄金属、精密機器などが上昇。食料品、医薬品、保険業などが下落した。
個別では、売買代金上位のアドバンテストが堅調。フジクラは商いを伴い値を飛ばした。古河電気工業も大幅高。また、トヨタ自動車、サンリオが活況高となったほか、良品計画も強調展開。日立製作所が買い優勢となり、東京電力ホールディングスにも投資資金が流入した。上半期上振れ着地で通期予想を上方修正したネクステージが値上がり率首位、タダノも急騰した。オムロンの上げ足の強さが目立っている。トリケミカル研究所も物色人気を博した。
半面、売買代金トップとなったディスコは小安く引けたほか、ソフトバンクグループ(SBG)も冴えなかった。任天堂が軟調、三菱UFJFGや三井住友FGなどの金融株が軟調に推移。東京海上ホールディングス、富士通なども売りに押された。GMOインターネットが急落、日産自動車の下げも目を引く。株式売出実施による短期的な需給懸念が広がった丸井グループが大幅安、東京ガスが安く、中外製薬、サントリー食品インターナショナルも値を下げた。