兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
会員情報作成
ログイン
初めてのお客様は、
『会員情報作成』から登録をお願い致します。
36円高と続伸 円安支え、中国関連銘柄が高い
東京株式(前引け)=36円高と続伸 円安支え、中国関連銘柄が高い

 
10日午前の日経平均株価は小幅に続伸し、午前終値は前日比36円92銭(0.09%)高の3万9197円42銭だった。
 
きょう前場はリスク選好の地合いでスタートしたが、日経平均の上値は重く、寄り後早々につけた3万9465円が前場の高値となり、その後は伸び悩む展開になった。
前場取引終盤は株価水準を更に切り下げたが、マイナス圏に沈む場面はなかった。前日の米国株市場ではNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価が揃って軟調だったが、外国為替市場でドル高・円安方向に振れたことが輸出セクターの株価下支え材料となった。ただ、日本時間の明晩に発表予定の11月の米消費者物価指数(CPI)を前に、積極的に上値を買い進む展開とはならなかった。
 
午前の外国為替市場で円相場は1ドル=151円40銭近辺と、前日夕に比べて1円程度の円安・ドル高が進んだ。中国共産党が9日に開いた中央政治局会議で拡張的な財政・金融政策の姿勢を示した。当局の景気刺激策に対する期待から中国の景気懸念がやや後退し、投資家のリスク選好姿勢の強まりから低リスク通貨とされる円を売る動きが強まった。自動車をはじめとした輸出関連株の収益改善につながるとみた買いが先行し、日経平均の上げ幅は300円を超える場面もあった。東京エレクトロンやディスコなど値がさの半導体関連の一角が上昇したことも支えとなった。
 
買い一巡後、日経平均は上げ幅を縮小した。今月に入り上昇が目立っていた日立や任天堂など主力株の一部に売りが出たほか、指数寄与度の高いファストリも下落し、指数の重荷となった。先週後半以降、日本の取引時間中に売り圧力が強まり、日経平均と東証株価指数(TOPIX)は陰線(終値が始値を下回る)を引く展開が続いている。年末を控え、個人や一部の国内機関投資家の持ち高整理の売りが上値を抑えているとの見方がある。
 
後場の東京株式市場は中国株睨みの展開となりそうだ。中国経済政策への期待感から上海総合指数、香港ハンセン指数はともにじりじりと上げ幅を縮小。中国関連銘柄の上値が弱くなれば、日経平均は前日比マイナス圏に突入する場面も見られよう。本日も陰線となれば5日連続となるだろう。

 
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは3.70ポイント(0.14%)高の2738.26だった。JPXプライム150指数は続伸し、2.80ポイント(0.23%)高の1216.73で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9272億円、売買高は8億2695万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は814。値下がりは767、横ばいは63だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、卸売業、輸送用機器などが上昇。下落はその他製品、保険業、医薬品など。
 
個別では、証券会社のポジシティブなレポートが材料視されてディスコが商いを伴い上昇、銅価格上昇が影響して住友金属鉱山が買われたほか、中国経済政策期待から資生堂、安川電機、TOTO、オムロンなど中国関連銘柄が買われた。東京エレクトロンも堅調。ソニーグループ、ルネサスエレクトロニクスがしっかり、ダイキン工業も買いが優勢。三井物産、丸紅など総合商社も値を上げた。学情が値上がり率首位となり、トプコンも値を飛ばした。
 
半面、売買代金トップのIHIがやや売りに押され、柏崎刈羽原発の再稼働が24年度内困難と伝わったことで三菱重工業、日本製鋼所も軟調。ファーストリテイリングも安い。幸楽苑が急落、PKSHA Technologyの下げも目立った。足元買われていた楽天Gが売られたほか、フジクラ、古河電工、住友電工の電線株もさえない。このほか、日立、富士電機、協和キリン、コムシスHDなどが下落した。

 
a