兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
会員情報作成
ログイン
初めてのお客様は、
『会員情報作成』から登録をお願い致します。
204ドル安と続落、企業決算が重荷
【市況】204ドル安と続落、企業決算が重荷

29日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比204ドル57セント安の4万4632ドル99セントで終えた。
この日4~6月期決算を発表した米医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループが7.5%安、航空機大手ボーイングが4.4%安と大幅下落し、ダウ平均全体を下押しした。
メルクは4〜6月期決算で売上高が市場予想を下回り、売りが優勢となった。決算を発表したボーイングとプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も下げた。
 
翌日に連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定を控え、持ち高調整の売りも出た。米労働市場の軟化を示す雇用指標や、市場が予想していた通りの米中貿易協議の結果も売り注文を促した。
米労働省がこの日発表した6月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数は、前月比27万5000件減の743万7000件となり、ロイター通信調べの市場予想を下回った。採用数も26万1000件減の520万4000件にとどまった。
米民間有力調査機関コンファレンス・ボードが発表した7月の消費者景気信頼感指数は97.2と前月から上昇した。ただ、雇用機会に対する認識は2021年3月以来4年超ぶりの低水準に落ち込み、「職を得るのが難しい」との回答は18.9%と、6月の17.2%から増加した。
米中両政府は、スウェーデンで行っていた2日間の閣僚級貿易協議を終えた。両国は8月12日を期限としている一部関税の停止期間を延長することで合意した。
 
S&P500種株価指数とナスダック総合株価指数は前日まで連日で最高値を更新していた。高値警戒感や米国株の過熱感が意識されやすく、売りを誘ったとの見方もあった。
 
ベッセント米財務長官は29日、米中両政府が協議していた関税停止措置の延長について、トランプ米大統領が30日に最終決定するとの考えを示した。延長を決めるとの観測報道があったため、市場では「延長は織り込み済み」との指摘があった。
 
米連邦準備理事会(FRB)は30日午後、FOMCの結果を公表する。政策金利を据え置く公算が大きい。市場では、パウエル議長が記者会見で経済や政策運営についてどのような発言をするのかに注目が集まる。同日にはマイクロソフトとメタプラットフォームズが決算を発表する。重要イベントを前に持ち高を調整する動きが出やすかった。
 
その他のダウ平均の構成銘柄では、ハネウェル・インターナショナルやアップル、ナイキが下げた。半面、トラベラーズとコカ・コーラが上昇した。 
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前日比80.294ポイント(0.37%)安の2万1098.291で終えた。テスラやメタプラットフォームズが下げた。S&P500種株価指数は7営業日ぶりに反落し、前日比18.91ポイント(0.29%)安の6370.86で終えた。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
29日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比155円安の4万640円で終えた。この日は日米で株式相場が下落し、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
40640 ( -170 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
40690 ( -120 )
 
※( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
29日の英FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比54.88ポイント(0.60%)高の9136.32で終えた。取引時間中には7月24日につけた最高値(9138)を上回る場面があった。好業績を発表した銘柄への買いが、指数上昇を支えた。
 
29日に公表した2025年4〜6月期決算で売上高が市場予想を上回った製薬の英アストラゼネカや、25年4〜6月期の収益が市場予想以上だった英銀大手バークレイズに買いが集まった。国際通貨基金(IMF)が29日、2025年の英経済の成長率見通しを1.2%と従来見通しから小幅に引き上げたのも投資家心理を支えた。
 
航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財の一角も買われた。一方で不動産投資信託(REIT)が下落。素材や資源の一部が下げた。
 
FTSEの構成銘柄では、ゲーム大手ゲームズ・ワークショップが5.44%高、製薬大手アストラゼネカが3.41%高、産金大手エンデバー・マイニングが2.91%高と大きく買われた。一方、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルは10.38%安と急落し、有害生物管理会社レントキル・イニシャルは3.57%安、資源大手グレンコアも3.41%安と下落した。
 



■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
29日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前日比247.01ポイント(1.03%)高の2万4217.37で終えた。米関税政策が欧州の景気や企業収益に悪影響を及ぼすとの懸念から前日に下げていた反動で、主力株を中心に買いが入った。

個別では、防衛大手ラインメタルが3.46%高、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが3.45%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.03%高と上昇。半面、郵便・物流大手ドイツポストは2.74%安、化学大手BASFは2.16%安、高級車メーカーのポルシェは1.75%安で取引を終えた。




■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.72%高で終えた。

 
a