兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
会員情報作成
ログイン
初めてのお客様は、
『会員情報作成』から登録をお願い致します。
反発88ドル高、関税巡る楽観が支え
【市況】反発88ドル高、関税巡る楽観が支え

14日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前週末比88ドル14セント(0.19%)高の4万4459ドル65セントで終えた。
米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見ムードが広がる中、反発した。
 
市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の金融政策の手掛かりを得ようと、15日発表される6月のCPIに注目しており、積極的な商いは手控えられた。今週は米国のインフレ関連指標や主要企業の四半期決算など注目材料が目白押し。卸売物価指数(PPI)や小売売上高統計に加え、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴを含む金融大手の四半期決算なども発表される。投資家らは物価動向に加え、トランプ政権の高関税政策が及ぼす企業業績への影響を注視している。
 
 
また、トランプ米大統領が欧州連合(EU)とメキシコに30%の追加関税を課すと明らかにし、売りが先行した。ただ、米国と貿易相手との交渉次第では税率が下がるとの楽観的な見方が根強く、株式相場を支えた。

トランプ氏は12日、自身のSNSで8月1日からEUとメキシコに30%の関税を課すと表明した。高関税が米国の消費減速や物価上昇を招くとの懸念につながり、取引開始直後にダウ平均は130ドルあまり下げる場面があった。

ただ、主力株への売りは続かなかった。EUが米国への報復措置の発動を延期し、交渉を優先する姿勢を示している。トランプ氏が交渉手段として高い関税率を示したとの見方がある。貿易相手との交渉の結果によっては税率を下げるとみる投資家が多く、下げたところでは押し目買いが入った。

トランプ氏は14日、ロシアに対し50日以内にウクライナと停戦しなければ、「非常に厳しい関税を課す」と表明した。ロシアから石油などを購入した国に100%の「二次関税」を課すとした。市場では「単なる交渉手段に過ぎないと受け止められている」との指摘があった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、ストラテジー(旧マイクロストラテジー)やコインベース・グローバルなどの暗号資産(仮想通貨)関連銘柄が上昇した。代表的な仮想通貨であるビットコインが14日に12万ドルを突破し、最高値を更新したことが材料視された。

ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングやウォルマートが上昇した。スリーエム(3M)やゴールドマン・サックスも上昇した。半面、原油先物相場の下落を受け、シェブロンが下げた。アナリストが投資判断を引き下げたプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)にも売りが出た。

ナスダック総合株価指数は反発した。前週末比54.800ポイント(0.26%)高の2万0640.327(速報値)で終え、2営業日ぶりに最高値を更新した。ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズやアルファベットが上昇した。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
14日のシカゴ日経平均先物は小幅ながら上昇した。9月物は前週末比10円高の3万9515円で終えた。この日は日経平均株価が下落したものの、米株式相場が上昇した。シカゴ市場の日経平均先物には買いがやや優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
39515 ( +105 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39565 ( +155 )
 
( )は大阪取引所終値比
 






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
14日の英FTSE100種総合株価指数は反発した。終値は前週末比56.94ポイント(0.63%)高の8998.06と、10日につけた最高値を2営業日ぶりに更新した。米関税政策を巡る情報に投資家が神経質になっているものの、関税を巡り英国は米国との暫定合意に至っており、不確実な要素が少ない。
 
英イングランド銀行(中央銀行)の利下げ余地が残るとの観測も、投資家心理の支えとなった。高血圧治療薬の治験で良好な結果を得たと公表した英アストラゼネカなど製薬の一角が買われ、指数を押し上げた。公益や、食品スーパーなどの小売り、銀行が買われた。エネルギーや資源には売りが優勢だった。
 
FTSEの構成銘柄では、流通大手テスコが2.17%高、送電大手ナショナル・グリッドが2.04%高、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)とアストラゼネカが共に2.03%高と上昇。一方、蒸気システム大手スパイラックス・サーコは2.59%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションは1.76%安、広告大手WPPは1.47%安と下げた。
 
 



■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
14日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前週末比94.67ポイント(0.39%)安の2万4160.64で終えた。米国と欧州連合(EU)の関税交渉の成り行きに警戒感が根強く、積極的な買いが入りにくかった。投資家は慎重に様子をみているものの、リスク回避に大きく傾いたわけではないようで、DAXは取引終了にかけて下げ幅を縮小した。
 
個別では、防衛大手ラインメタルが2.17%高、コメルツ銀行が2.16%高、エネルギー大手イーオンが1.03%高と買われた半面、通販大手ザランドは5.28%安、医療機器のザルトリウスは4.72%安、化学品商社ブレンタークは2.72%安と売り込まれた。
 



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は続落し、前週末比0.26%安で終えた。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど時価総額が大きい消費関連の銘柄が下げ、指数の重荷となった。




 
a