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101ドル高と反発、米金利低下を好感
【市況】101ドル高と反発、米金利低下を好感

12日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比101ドル85セント(0.23%)高の4万2967ドル62セントで終えた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが11日夕にオラクルが発表した決算や見通しが人工知能(AI)需要の強さを示し、ハイテク株や半導体株の一角に買いが入った。一方、米関税政策を巡る不透明感からダウ平均の上値は重かった。
 
オラクルは一時15%近く上昇し、上場来高値を付けた。AI開発需要の高まりなどからクラウド事業が好調で、見通しも全般に強気だった。ダウ平均の構成銘柄ではAI普及の追い風を受けると期待されるマイクロソフトやエヌビディアなどが買われた。
 
朝方発表された5月の米卸売物価指数は前月比0.1%上昇と、市場予想を下回った。トランプ米政権の高関税政策に伴うインフレ再燃懸念がやや後退。米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利下げ期待が高まったことで、買い安心感が広がった。
一方、中東情勢の緊迫化や、相互関税を巡る先行き不透明感が重しとなり、相場の上値は抑えられた。
米メディアによると、イスラエルが対イラン攻撃の準備完了を米側に伝えた。地域情勢の緊張が高まったことを受け、米国務省は在イラク米大使館の一部職員に国外退避を指示したことが投資家心理を圧迫。リスク回避の売りが先行し、ダウはマイナス圏に沈む場面もあった。
 
ダウ平均は寄り付き直後に250ドルあまり下げる場面があった。トランプ政権の関税政策や貿易相手との交渉を巡る不透明感が売りを誘った。トランプ米大統領は11日夜、中国以外の貿易相手に対する相互関税について「貿易協定の条件を示した書簡を1〜2週間以内に送る」と述べた。トランプ氏は4月9日に90日間、相互関税の一部を停止する措置を発表していた。猶予期間の延長については「その必要性はないだろう」との考えを示した。
 
一方、ベッセント米財務長官は11日に、誠意を持って交渉に臨んでいる国に対しては「交渉継続のための期限を延長する可能性が極めて高い」などと述べていた。関税交渉の進展への不透明感や、トランプ政権が貿易相手に示す条件が想定以上に厳しくなることへの警戒は投資家心理の重荷だった。
 
米中は9〜10日に開いた閣僚級会合で5月の合意内容の履行で一致した。ただ、中国のレアアース(希土類)の輸出再開が6カ月の期限付きとなるなど、米中の交渉を巡っても懸念が残っている。
 
ダウ平均ではユナイテッドヘルス・グループやメルク、アムジェンなどディフェンシブ株の一角も上げた。一方、ボーイングは4%超安で終えた。インドで12日に同社の中型機が墜落した。原因は明らかになっていないものの、受注や生産への影響が懸念された。スリーエムやベライゾン・コミュニケーションズ、ウォルマートも安い。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比46.609ポイント(0.23%)高の1万9662.485で終えた。
 
S&P500種株価指数は前日比23.02ポイント(0.38%)高の6045.26と2月中旬以来の高値で終えた。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】

12日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比130円安の3万8205円で終えた。この日は米株式相場が上昇したものの、日経平均株価は下落しておりシカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢だった。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
 
38180 ( +30 )
 
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
 
38310 ( +160 )
 
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

12日の英FTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前日比20.57ポイント(0.23%)高の8884.92と最高値で終えた。最高値の更新は3月3日以来、約3カ月ぶりとなる。英シェルやBPといったエネルギー、製薬のアストラゼネカなどの時価総額が大きい銘柄に買いが優勢で、指数上昇を支えた。

電力・ガス供給のナショナル・グリッドなど公益や食品スーパー、日用品関連の銘柄に買いが入った。一方で英豪リオティントなど資源の一角が下げたほか、空運が売られた。米関税政策の不透明感が改めて意識されたのは投資家心理の重荷で、FTSE100種指数は前日終値を下回って推移する場面もあった。

FTSEの構成銘柄では、産金大手エンデバー・マイニングが4.29%高、医療・安全装置メーカーのハルマが3.31%高、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズが2.68%高と買われた。一方、格安航空大手イージージェットは3.82%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションは3.76%安、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループは3.48%安となった。





■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
12日のドイツ株価指数(DAX)は5日続落し、前日比117.45ポイント(0.74%)安の2万3771.45で終えた。米関税政策の不透明感が改めて意識され、投資家心理を冷やした。核問題を巡る米国とイランの協議が難航するとの見方が出るなかで、米政府が中東に駐留する政府職員や米兵家族の退避を始めたと伝わるなど、中東での地政学リスクの高まりも重荷となった。
 
個別では、エネルギー大手イーオンが1.67%高、防衛大手ラインメタルが1.63%高、電力大手RWEが1.59%高と上昇。半面、通信大手ドイツテレコムは3.75%安、通販大手ザランドは3.18%安、不動産大手ボノビアは3.17%安と売り込まれた。





■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.13%安で終えた。


 
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