ダウ小幅続伸16ドル高、ディフェンシブなどに買い
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【市況】ダウ小幅続伸16ドル高、ディフェンシブなどに買い |
20日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、前日比16ドル04セント(0.03%)高の4万4938ドル31セントで終えた。米利下げ期待が根強いなか、ディフェンシブ株などを中心に物色が続いた。半面、利益確定や持ち高調整の売りで半導体やハイテク株は下げ、指数の重荷となった。
ダウ平均は昨年12月に付けた終値ベースの過去最高値(4万5014ドル)を上回る場面があった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が強まる傾向にあり、ハイテクなどに比べて割安なうえ、米金利低下で投資妙味が強まる銘柄への物色が続いた。
カンザスシティー連邦準備銀行が主催する経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」は21~23日に西部ワイオミング州で開かれる。市場関係者らは22日のパウエル議長の講演を注視しており、積極的な買い意欲が乏しかった。
パウエル氏の講演では、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ決定の可能性について言及があるか注目されている。またこの日は7月のFOMC議事要旨が公表された。参加者は関税引き上げが経済やインフレに及ぼす影響は「なおも不明」と分析。影響がはっきりするまでには時間がかかるとの見方が示された。
ダウ平均は下げる場面もあった。株高をけん引してきたハイテク大手が足元で売られている。ダウ平均の構成銘柄ではアップルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトなどの下げが目立った。
トランプ政権がインテルに加えて、2022年に成立したCHIPS・科学法に基づいて補助金支給を受けるマイクロン・テクノロジーや台湾積体電路製造(TSMC)などの株式取得を検討していると、19日夕にロイター通信が報じた。米政府は経営には干渉しない方針と伝わるが、分野別の半導体関税などを含めて同産業への介入が拡大することへの不透明感から関連株の一角が売られた。
そのほかのダウ平均の構成銘柄ではトラベラーズやウォルマート、コカ・コーラ、シェブロンなどが買われた。一方、ユナイテッドヘルス・グループやホーム・デポは下げた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比142.095ポイント(0.66%)安の2万1172.857(速報値)で終えた。インテルやマイクロンの下げが目立った。同日発表の四半期決算や見通しが市場予想を上回った半導体のアナログ・デバイセズは上げた。

20日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比555円安の4万2835円で終えた。この日は日経平均株価が大幅に下落し、米株式相場も上値が重い展開となったため、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
42835 ( -85 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
42860 ( -60 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
20日の英FTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前日比98.92ポイント(1.07%)高の9288.14で終えた。終値としての最高値を連日で更新した。英ユニリーバなど日用品、英アストラゼネカといった製薬のほか公益株など、ディフェンシブ銘柄を中心に買いが入り、指数を支えた。
20日発表された7月の英消費者物価指数(CPI)は上昇率が市場予想を上回った。英金融政策の先行き不透明感は意識されるものの、イングランド銀行(中央銀行)の利下げに対する慎重姿勢は市場ではすでに一定程度織り込みが進んでいることもあり、20日の英株式相場の反応は限られた。
FTSEの構成銘柄では、医療機器のコンバテックが5.62%高、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズが3.48%高、日用品・食品大手ユニリーバが3.26%高と相場をけん引。一方、投資信託会社ポーラー・キャピタル・テクノロジー・トラストは3.24%安、航空機エンジン大手ロールス・ロイスは3.16%安、格安航空大手イージージェットは1.97%安と下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
20日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比146.10ポイント(0.59%)安の2万4276.97で終えた。ウクライナ情勢を巡る関係国の協議が続くとの観測を背景に、欧州エアバスをはじめ航空・防衛関連の銘柄に目先の利益を確定する目的の売りが出た。
個別では、ドイツ取引所が1.92%高、香料大手シムライズが1.84%高、日用品大手ヘンケルが1.60%高と買われた半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.88%安、航空機大手エアバスは2.57%安、総合電機大手シーメンスは1.99%安で終了した。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場で、フランスの株価指数であるCAC40は小幅に反落し、前日比0.07%安で終えた。欧州主要600社の株価指数であるストックス600は続伸し、3月上旬以来、約5カ月半ぶりの高値で終えた。