ダウ続伸507ドル高、イスラエルとイランが停戦合意
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【市況】ダウ続伸507ドル高、イスラエルとイランが停戦合意 |
24日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。前日比507ドル24セント高の4万3089ドル02セントと3月上旬以来の高値で終えた。
イスラエルとイランが停戦に合意したことを受け、中東情勢の緊張や混乱に歯止めがかかるとの期待が広がった。原油安も買い安心感につながった。
トランプ大統領は23日、自身のSNSでイスラエルとイランが「完全かつ全面的な停戦」に合意したと発表した。その後、両国が停戦に違反したと不満を表明しており、合意が順守されるか予断を許さないものの、中東情勢の緊張緩和への期待が株式相場を下支えした。原油相場安も好感された。
この日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、停戦合意を受けてエネルギー供給不安が和らぎ、大幅続落した。
この日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、停戦合意を受けてエネルギー供給不安が和らぎ、大幅続落した。
中東からの原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を回避できるとの見通しからニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では指標油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近物が前日比約6%下落した。前日も7%あまり下げており、原油高が米景気を冷やすとの懸念も薄れた。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は同日の米連邦議会下院での議会証言で改めて当面は利下げを急がず、経済や物価の動向を見極める姿勢を示した。年内の利下げの可能性については否定しなかった一方、労働市場が底堅いとの認識は繰り返した。「FRBが現状の米景気を堅調とみていることはポジティブ」との声があった。
投資家が運用リスクを取りやすくなり、主力株に広く買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースやアメリカン・エキスプレス、エヌビディアが高い。ゴールドマン・サックスやビザ、アマゾン・ドット・コムも買われた。
一方、原油安を受けてシェブロンが下げた。アップルが売られたほか、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株の一角も安い。ダウ平均の構成銘柄ではないがノースロップ・グラマンなど防衛関連株にも売りが優勢だった。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比281.558ポイント(1.43%)高の1万9912.533(速報値)と2月中旬以来の高値で終えた。マイクロン・テクノロジーやブロードコム、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株が買われた。半面、テスラが下げた。
S&P500種株価指数は続伸した。前日比67.01ポイント(1.11%)高の6092.18と2月中旬以来の高値で終えた。
NYダウ 43089.02 ( +507.24 )
S&P500 6092.18 ( +67.01 )
NASDAQ 19912.53 ( +281.56 )
米10年債利回り 4.296 ( -0.054 )
NY(WTI)原油 64.37 ( -4.14 )
NY金 3333.9 ( -61.1 )
VIX指数 17.48 ( -2.35 )

24日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比175円高の3万8765円で終えた。この日はイスラエルとイランの停戦合意で日米の株式相場が上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38765 ( -45 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38865 ( +55 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
24日の英FTSE100種総合株価指数は前日比横ばい圏となり、終値は同0.95ポイント(0.01%)高の8758.99だった。中東情勢を巡り、イスラエルとイランが停戦に合意したとトランプ米大統領が自身のSNSに投稿したのを受けて投資家のリスク回避姿勢が後退し、株式に買いが入った。
一方、中東情勢の緊張が原油供給に響きかねないとして相場水準が切り上がっていた原油先物は、24日に大きく値下がりした。FTSE100種指数への寄与度が大きい石油大手の英BPとシェルがともに下落し、指数の重荷となった。
FTSEの構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが6.77%高、格安航空大手イージージェットが6.40%高、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が6.09%高と急伸。一方、産金大手エンデバー・マイニングは6.11%安、石油大手BPは4.77%安、航空・防衛大手BAEシステムズは4.20%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
24日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比372.57ポイント(1.60%)高の2万3641.58で終えた。イスラエルとイランが停戦に合意したとするトランプ米大統領のSNSへの書き込みをきっかけに、中東情勢が悪化するとの警戒感が和らいだ。投資家のリスク回避姿勢が緩み、株式に買いが優勢となった。
個別では、一部金融機関が目標株価を引き上げたセメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが6.07%高、ドイツ銀行が5.34%高、エネルギー大手シーメンス・エナジーが4.35%高と大幅に上昇。
半面、防衛大手ラインメタルは3.10%安、自動車部品大手コンチネンタルは2.94%安、同社が2025年12月期について、中核であるタイヤ事業のEBITマージン(売上高に対する利払い・税引き前損益の比率)見通しを引き下げたことが材料視された。郵便・物流大手ドイツポストは2.16%安で取引を終了した。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反発し、前日比1.04%高で終えた。