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436ドル安、金融に売り金利上昇も重荷
【市況】436ドル安、金融に売り金利上昇も重荷

15日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比436ドル36セント(0.98%)安の4万4023ドル29セントで終えた。米株相場が高値圏で推移するなか、決算を発表した金融株に売りが優勢になった。インフレ懸念も根強く米長期金利が上昇したことも、主力株の利益確定売りにつながった。半面、好材料が出たエヌビディアなどハイテク株の一角は買われ、相場を下支えした。
 
JPモルガン・チェースが朝に発表した2025年4〜6月期決算は1株利益などは市場予想を上回ったものの、純金利収入が届かなかった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、15日に決算を発表したウェルズ・ファーゴとブラックロックの下げも目立った。市場では「決算発表前までに金融株がかなり上昇しており、利益確定売りが出やすい」との指摘があった。
 
朝方発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇。5月(0.1%上昇)から伸びは加速。食品とエネルギーを除くコアの上昇率は前年同月比2.9%と、5月(2.8%)から拡大した。
 
トランプ米政権の高関税政策が物価を押し上げたとみられる。関税発動に伴うインフレ再燃への警戒感から、金融や小売りなどの銘柄が売られた。
 
市場では「関税による物価上昇のより明確な兆しを示した」(バンク・オブ・アメリカ)との受け止めがあった。今後一段と上昇する可能性も意識され、米連邦準備理事会(FRB)は利下げ判断に慎重な姿勢を維持するとの観測が強まった。米長期金利は4.49%と約1カ月ぶりの高水準をつける場面があり、株式の相対的な割高感につながった。
 
一方、エヌビディアは4%あまり上昇した。14日に中国向け人工知能(AI)半導体「H20」の出荷を再開する計画を表明し、好感した買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではないが、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やブロードコムなど他の半導体株も買われた。
 
傘下のグーグルによるAI関連の大規模なインフラ投資が明らかになったアルファベットなど、AI関連銘柄の一角も上昇した。関税による物価押し上げの影響など、今後の経済や金融政策を見極めたい雰囲気が強いなか、好材料が出たAI関連銘柄に資金が向かったとの見方もあった。
 
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレスやホーム・デポ、ユナイテッドヘルス・グループ、ゴールドマン・サックスなどが下げた。半面、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、アップルは上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比37.473ポイント(0.18%)高の2万0677.800(速報値)で終えた。連日で最高値を更新した。
 
S&P500種株価指数は反落し、前日比24.80ポイント(0.39%)安の6243.76で終えた。10日に付けた最高値(6280)を上回る場面もあったが、ハイテク関連など一部の銘柄を除くと買いは続かなかった。
 
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比100円高の3万9615円で終えた。この日は日経平均株価が上昇し、ナスダック総合株価指数が最高値を更新したのもあって、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て) 39615 ( -45 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て) 39665 ( +5 )
 
( )は大阪取引所終値比
 
 
 






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
15日の英FTSE100種総合株価指数は反落し、前日比59.74ポイント(0.66%)安の8938.32で終えた。前日の米国株相場の上昇が投資家心理を支え、同指数は上昇して始まった。取引時間中には初の9000台と最高値を上回る場面があったものの、買いの勢いは続かなかった。米物価統計をきっかけとした英米長期金利の上昇も嫌気された。
 
製薬の英アストラゼネカなどヘルスケア関連や、英豪リオティントといった資源に売りが優勢だった。住宅建設や不動産投資信託(REIT)が下落。小売りや日用品の関連銘柄にも売りが出た。他方、信用調査の英エクスペリアンや石油大手BP、空運が上げた。
 
FTSEの構成銘柄では、15日公表した2025年6月期の住宅完工件数が市場予想に届かなかった住宅大手バラット・レッドローが9.41%安と急落し、医療機器のコンバテックが5.64%安、産金大手フレスニロが4.67%安で続いた。
一方、信用リスク管理サービス会社エクスペリアンは4.28%高、広告大手WPPは1.40%高、投資信託会社ポーラー・キャピタル・テクノロジー・トラストは1.20%高と買われた。
 
 





■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
15日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落し、前日比100.35ポイント(0.41%)安の2万4060.29で終えた。前日の米国株高などを背景に前日比で高く始まったものの、米関税政策を巡る警戒感や米金利の先高観測が重荷となった。DAXは最高値圏にあるため、利益確定の売りも出やすかった。
 
個別では、コメルツ銀行が2.91%安、防衛大手ラインメタルが2.77%安、保険大手アリアンツが1.54%安と下げを主導。半面、化学品商社ブレンタークは2.80%高、自動車大手BMWは1.92%高、同業メルセデス・ベンツは1.49%高で取引を終えた。
 
 

■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は3日続落し、前日比0.53%安で終えた。

 
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