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557ドル安と大幅続落、巨額AI投資に警戒
【市況】557ドル安と大幅続落、巨額AI投資に警戒


17日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、終値は前週末比557ドル24セント安の4万6590ドル24セントだった。

 

米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げ観測が後退し、投資家心理の重荷となった。週内に控えるエヌビディアの決算発表を前に持ち高調整の売りが優勢になり、下げ幅は700ドル以上となる場面があった。

ダウは3営業日続落となり、下げ幅は計1600ドルを超えた。

 

FRBのジェファーソン副議長は17日の講演で「政策金利は景気を熱しも冷ましもしない中立的な水準に近づいている」と述べた。そのうえで「リスクバランスは変化し続けている」として追加利下げを慎重に進める必要があるとの認識を示した。米短期金利先物市場ではFRBが12月に政策金利を据え置く確率が17日午後時点で55%となった。追加利下げ観測が後退し、株には売りが優勢になった。

 

米連邦政府機関の一部閉鎖の解除に伴い、公表が延期されていた9月の米雇用統計が20日に発表される。もっとも米政府閉鎖が長期化したため経済指標の集計などに影響する可能性が出ている。データ不足などを理由に、FRB高官から利下げに慎重な意見が増えれば、株式相場を下押しするとの警戒も重荷となった。

 

AI投資を巡っては、収益向上に関する懐疑的な見方や、人員削減につながるとの懸念がくすぶる。企業の財務悪化リスクも相まって、ハイテク株がけん引してきた相場に逆風が吹き付けている。エヌビディアやIBMなどAI関連株の売りが相場を押し下げた。

 AI相場にブレーキがかかる中、ダウ平均の構成銘柄のエヌビディアの8~10月期決算に注目が集まる。業績が市場予想を上回り、投資家心理の冷え込みに歯止めがかかるかどうかが焦点。相場が息を吹き返すには「強気の業績見通し」(市場参加者)が欠かせないとの声も聞かれる。

 

ダウ平均の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレス(アメックス)やIBM、セールスフォースの下げが目立った。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株にも売りが出た。シェブロンやアップルも安い。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とアムジェンが上昇した。

 

S&P500種株価指数は3日続落した。終値は前週末比61.70ポイント(0.91%)安の6672.41と、中期的な基調を示す50日移動平均を下回った。終値で50日移動平均を下回るのは4月以来約7カ月ぶり。チャート分析上で重要な下値メドとして意識される水準を割り込んだのも売りに拍車を掛けた。

 

ナスダック総合株価指数は反落した。終値は前週末比192.514ポイント(0.84%)安の2万2708.075(速報値)だった。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やクアルコム、インテルが下落した。一方、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイが7〜9月期に新たに株式を取得していたことが判明したアルファベットは上昇した。




【シカゴ日本株先物概況】








【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

17日の英FTSE100種総合株価指数は3日続落し、前週末比22.94ポイント(0.23%)安の9675.43で終えた。米経済統計などの材料不足から米金融政策の先行きを予想しづらく、投資家が慎重姿勢を強めた。

 

米政府閉鎖の影響で遅れている政府統計の発表が再開されるため、徐々に公表される米経済指標の内容を確認したいと様子見の雰囲気もある。日中関係の悪化懸念が、高級ブランドの英バーバリー・グループや空運株の重荷になったとの指摘が聞かれた。

 

FTSEの構成銘柄では、高級衣料のバーバリーが6.62%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションが4.73%安、産金大手エンデバー・マイニングが3.51%安と下げを主導。一方、広告大手WPPは11.03%高と急伸、フランスの同業などがWPP買収に関心を示していると伝わり、材料視された。投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは2.63%高、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコも2.14%高と買われた。

 




■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

17日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前週末比286.03ポイント(1.19%)安の2万3590.52で終えた。米国で連邦政府機関の一部閉鎖が解除され、遅れていた米政府統計の発表が徐々に再開される。米経済指標の内容を改めて確認したいと、投資家が慎重姿勢に傾いた。17日の米国株相場が下げ幅を広げる場面があり、欧州株の重荷となった面もある。

 

個別では、一部金融機関が目標株価を引き上げた医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが4.76%安、通販大手ザランドが3.36%安、ドイツ銀行が3.31%安と下落。半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは3.39%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは1.20%高、不動産大手ボノビアは0.35%高となった。


■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場で、フランスの株価指数CAC40は3日続落し、前週末比0.62%安で終えた。

 
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