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347円安と3日ぶり反落、半導体関連に悪材料重なる
東京株式(大引け)=347円安と3日ぶり反落、半導体関連に悪材料重なる
【大引け概況】


16日の日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、終値は前日比347円14銭安の3万3920円40銭だった。

 
本日のマーケット動画 
時間:00:01:16 容量:16.14M  ▼音声 VOICEVOX Nemo

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きょうの東京株式市場はリスク回避ムードのなか、日経平均は再び下値を探る展開を強いられた。前日は欧州株市場が全面高様相となったが、米国株市場は後半に息切れし、結局NYダウは150ドルあまり下落して引けた。
東京株式市場では出足は強弱観が対立していたが、その後は買いが手控えられ、全体指数も次第安の展開となった。トランプ米政権が打ち出す関税政策や米中間の対立が先鋭化するなか、東京市場でも戻り売りを急ぐ動きが止まらなかった。米エヌビディア<NVDA>が対中輸出規制に絡む材料で時間外急落したことや、オランダのASMLホールディング<ASML>が発表した決算がコンセンサスを下回る内容だったことなどが嫌気され、半導体セクターへの売りが目立った。日経平均の下げ幅は一時600円を超えた。中国景気の先行き懸念も重荷だった。後場終盤は買い戻しなどで日経平均は下げ渋ったが、3万4000円台を下回る水準で着地している。
 
アドバンテストをはじめとする半導体関連への売りが相場を押し下げた。米エヌビディアが15日、中国向けに設計した人工知能(AI)半導体が米政府による輸出規制の対象になったのに伴い、費用を計上すると発表。エヌビディアの業績への影響が懸念され、時間外取引でエヌビディア株が大きく下落したのにつれて東京株式市場でも半導体関連に売りが先行した。
17日に決算発表を控えるディスコも下げ足を速めた。17日に台湾積体電路製造(TSMC)が決算発表を予定しており、半導体企業の業績に対する警戒が強まった。
 
中国国家統計局が日本時間16日11時に発表した1〜3月の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比5.4%増えた。生産が堅調に推移し、増加率は市場予想(5.0%)を上回った。しかし、米国との関税の応酬や輸出規制によって中国景気の先行きは冷え込むとの見方も多く、買いにはつながらなかった。上海総合指数は下げる場面が目立ち、東京株式市場の中国関連銘柄ではファナックが下げた。
 
日経平均は先週と比べると値幅が縮小している。ひとまず落ち着きを取り戻しているとの見方から下値では押し目買いも入りやすかった。ニトリホールディングスやイオンなど小売りの一角や、コナミGや東宝などトランプ関税の影響が相対的に小さいとみられるゲーム・エンタメ銘柄の一角に買いを入れる動きもあった。医薬品や建設株も上昇した。
 
さて、東京株式市場は本日もトランプ関税で細かい好悪材料にあいながらも基本的には戻り一服となる動きとなった。場当たり的な米国の関税策に対し中国は理にかなった対応を取り続けており、いずれ米国が妥協し始めるとの観測がじわりと広がっている様子。それが徐々に安定につながって行くのだろう。日米で長期金利が落ち着きを取り戻したことも目先の安心材料となっている。
 

 



東証株価指数(TOPIX)も3営業日ぶりに反落した。終値は前日比15.32ポイント(0.61%)安の2498.03だった。JPXプライム150指数も3営業日ぶりに反落し、5.51ポイント(0.50%)安の1096.71で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆8316億円、売買高は16億4582万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は941、値上がりは643、横ばいは53だった。
 
業種別株価指数(33業種)は精密機器、非鉄金属、機械などが下落した。空運業、建設業、倉庫・運輸関連業などは上昇。
 
個別では、売買代金トップとなった川崎重工業が安かったほか、米エヌビディアが同社のAI半導体に対中輸出規制が課せられたと発表したことや、ASMLホールディングスの決算発表などがネガティブ視されて、ディスコやアドバンテスト、ソシオネクスト、SUMCO、ルネサスエレクトロニクス、東京エレクトロンが大きく値を下げた。このほかKOKUSAI ELECTRIC、ローツェなど半導体製造装置関連の下落が際立っている。ソフトバンクグループ(SBG)、任天堂も冴えない。また、証券会社のネガティブなレポートが影響して、住友電工、安川電機も弱い。このほか、横河電機、東レ、レゾナックHD、日本郵船なども売られた。サンリオも大きく水準を切り下げた。HIOKIが値下がり率トップに売り込まれ、大阪チタニウムテクノロジーズの下落も目を引く。ミガロホールディングスも安い。
 
 半面、三菱重工業が底堅さを発揮し、複数の証券会社からポジティブなレポートが出たことで良品計画も終始買いが優勢だった。前日売られた東宝は反発。トヨタ自動車が前日比横ばいで引け、スズキもしっかり。ニトリホールディングスが買いを集めた。NECが強い動きで、中外製薬も値を上げた。日本調剤がストップ高、GMOインターネットも急騰した。ボードルア、東宝、クリエイト・レストランツ・ホールディングスなども物色人気に。
また、清水建設、長谷工コーポ、鹿島建設、大林組、大成建設など建設株が総じてしっかり。このほか、エーザイ、日本電気、明治HDなどが買われた。





 
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