6日ぶり反落427ドル安、景況感の悪化で
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【市況】6日ぶり反落427ドル安、景況感の悪化で |
1日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、終値は前週末比427ドル09セント安の4万7289ドル33セントだった。
米サプライ管理協会(ISM)がこの日発表した11月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は48.2と、前月から低下。市場予想も下回り、「製造業の縮小ペースが加速する」(米金融大手)との見方が広がり、金融株などの売りが先行した。
個別の項目では「新規受注」などが落ち込み、米景気は減速しているとの見方を強める内容だった。一方で「価格」は前月から上昇し、「物価上昇圧力が高まっているのではないかとの懸念を意識させた」との声も聞かれた。
直近5営業日のダウ上げ幅が1900ドルを超えたことへの反動や、米長期金利の上昇も相場を押し下げた。
米連邦準備理事会(FRB)が9〜10日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決めるとの観測から、ダウ平均は前週末までの5営業日で1964ドル上昇していた。短期間での大幅な上昇に対して過熱感を指摘する向きもあり持ち高調整の売りが出た。
日銀の植田和男総裁は1日の講演で、12月の金融政策決定会合で「利上げの是非を適切に判断したい」と語った。早期利上げを示唆する発言だったとして同日の東京市場で日本の債券相場が下落(利回りは上昇)し、1日の米長期金利の上昇圧力となった。国内外の金利上昇が米株の売りを促したとの見方があった。
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格が大幅安となった。情報サイトのコインデスクによると、1日午前に一時8万4000ドルを割り込み、前週末28日夕時点の9万1000ドル近辺から大きく水準を切り下げた。リスク資産の一角であるビットコインの下落で、投資家のリスク選好姿勢が後退した面があった。
ダウ平均の構成銘柄ではメルクやアムジェン、マクドナルドが下げた。ユナイテッドヘルス・グループやゴールドマン・サックス、アメリカン・エキスプレス(アメックス)が下落した。一方、ウォルト・ディズニーやナイキ、エヌビディアが上昇した。
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。終値は前週末比89.764ポイント(0.38%)安の2万3275.922だった。米金利上昇を受け、ハイテク株にも売りが出た。ショッピファイやブロードコム、アルファベットが下落した。ビットコインを保有するストラテジーの下げが目立った。
NYダウ 47716.42 ( +289.30 )
S&P500 6849.09 ( +36.48 )
NASDAQ 23365.69 ( +151.00 )
米10年債利回り 4.014 ( +0.018 )
NY(WTI)原油 58.55 ( -0.10 )
NY金 4254.9 ( +52.6 )
VIX指数 16.35 ( -0.86 )
【シカゴ日本株先物概況】1日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前週末比755円安の4万9475円で終えた。同日は日銀の利上げ観測の高まりで日経平均株価が下落し、米株式相場も軟調に推移したためシカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
50230 ( -20 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
50245 ( -5 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
1日の英FTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、前週末比17.98ポイント(0.18%)安の9702.53で終えた。ウクライナとロシアの和平交渉が進むとの観測が根強く、防衛・航空関連銘柄への売り圧力となった。英金利の上昇を背景とした不動産関連銘柄への売りも、指数の重荷だった。
金・銀など貴金属や、銅を含む非鉄金属先物の値上がりを受け、英アングロ・アメリカンをはじめ資源関連には買いが入り、指数を下支えした。石油株が上昇した。
FTSEの構成銘柄では、投資会社メルローズ・インダストリーズが4.64%安と下落幅トップ。プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループが3.61%安、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが2.90%安と続いた。一方、産金大手のフレスニロとエンデバー・マイニングがそれぞれ7.06%高、3.50%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
1日のドイツ株価指数(DAX)は6営業日ぶりに反落し、前週末比247.35ポイント(1.03%)安の2万3589.44で終えた。欧州エアバスが6%近く下げ、指数の重荷となった。独ラインメタルをはじめ防衛・航空関連の銘柄が売られた。
防衛関連銘柄の下げは、ウクライナとロシアの和平交渉が進むとの観測が根強いことが背景にある。独シーメンス・エナジーや半導体のインフィニオンテクノロジーズ、不動産のボノビアが下落した。他方、自動車には買いが優勢だった。
個別では、航空機大手エアバスが5.90%安、主力機A320シリーズの航空機のデータに異常が生じる可能性があると11月28日に発表したのがきっかけとなった。同社は1日、影響が及ぶ可能性がある約6000機のうち大半で修正作業を完了したと公表したものの、これに対する株価の反応は限られた。1日にロイター通信がA320の航空機の一部で胴体部分のパネルに品質問題が見つかったと報じたことも材料視された。ドイツ取引所が2.99%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが2.92%安だった半面、自動車大手メルセデス・ベンツが1.56%高、通販大手ザランドが1.55%高で終了した。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は5営業日ぶりに反落し、前週末比0.31%安で終えた。








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