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反落 過熱感強く 好決算銘柄には買いも
東京株式(前引け)=反落 過熱感強く 好決算銘柄には買いも

 
4日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前週末比50円20銭安の5万2361円14銭だった。下げ幅は一時300円を超えた。日経平均は前週末まで3日続伸し、この期間に2200円近く水準を切り上げた。相場の過熱感を意識した売りが出やすかった。好決算を発表した主力株の一角には買いが入り、日経平均は上昇する場面も目立った。
 
きょう前場は気迷いムードのなか、前日終値を挟んでプラス圏とマイナス圏を往来する展開となり、結局小幅に下落して着地した。
前日の米国株市場ではNYダウが安かったものの、ナスダック総合株価指数が続伸しており、これを受けて日経平均は朝安後に切り返し220円あまり高い場面があったが、その後に軟化した。
ただ、個別では値上がり銘柄数が1000を超え、全体の3分の2を占めたほか、売買代金も前引け段階で4兆2000億円を上回るなど活況だった。
 
日経平均は歴史的な上昇が続いている。10月の月間の上昇幅は7478円(16.64%)と過去最大だった。月間で上昇して終えたのは7カ月連続。高値警戒感が強く、足元の株高をけん引してきたアドバンテストやソフトバンクグループ(SBG)をはじめ、幅広い銘柄に売りが優勢だった。3日の米株式市場でダウ工業株30種平均が下落したことも重荷だった。
 
一方、2025年4〜9月期の決算発表が本格化し、材料の出た個別銘柄を物色する動きが旺盛で、日経平均は一時上昇に転じた。ファナックは10月31日、26年3月期の純利益が一転して増益になると発表。市場予想も上回り、好感する買いが集まった。東京エレクトロンは26年3月期の純利益予想を引き上げた。人工知能(AI)向け半導体の需要増加が追い風になった。前引け時点で東京エレクトロン1銘柄で日経平均を136円押し上げた。
 
市場関係者は「米関税政策の影響が懸念された今期業績は為替の円安や企業のコスト削減策が奏功する形で良い方向になりつつある」と話す。そのうえで、高市早苗首相の経済政策への期待が海外投資家の資金流入につながっているとし、当面、下値は限定的との見方も示した。4日には高市首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が衆院本会議で始まる。

 
後場の日経平均株価は、概ね横ばいからやや上値を試す展開となる可能性がある。背景としては、国内で発表された4-9月期決算の市場想定以上の結果が一部銘柄に買いを誘っていることが挙げられる一方で、5万2000円台前半という価格水準が意識されており、利益確定の売りが上値を抑える圧力になっている。
さらに、為替市場でのドル・円の154円台前半と円安傾向が継続しており、輸出関連には支援材料となるが、その反面「上値余地の限定」が意識されやすい状況でもある。これらを踏まえると、特定の好決算銘柄やハイテク・半導体関連に物色が集中する一方、指数全体としては方向感を欠いた取引となる公算が大きいだろう。


 
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは12.65ポイント(0.38%)高の3344.48だった。JPXプライム150指数は続伸した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で4兆2546億円、売買高は14億1517万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は489。値上がりは1085、横ばいは40だった。
 
業種別株価指数(33業種)は小売業、サービス業などが下落した。非鉄金属、ガラス・土石製品、ゴム製品、石油・石炭製品などは上昇。
 
個別では売買代金トップのレーザーテックが大幅高に買われ、キオクシアホールディングス、東京エレクトロンも高い。住友電気工業が活況高、サンリオも物色人気に。住友ファーマ、アステラスが上昇した。CIJも商い急増のなか値を飛ばしストップ高に買われた。
SMCや村田製作所、トヨタが買われた。
 
半面、ソフトバンクグループ、アドバンテストが利食われたほか、ファーストリテイリングやリクルートホールディングス、イビデンも安い。SCREENホールディングスやソシオネクストが急落した。ロードスターキャピタル、東洋水産などの下げ、TDKやコナミグループが売られた。
 

 
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