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192ドル高と続伸、ナスダック連日の最高値
【市況】192ドル高と続伸、ナスダック連日の最高値

10日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比192ドル34セント(0.43%)高の4万4650ドル64セントで終えた。
 
米航空大手デルタ航空がこの日発表した4〜6月期決算は大幅な増益。トランプ米政権の高関税政策を巡る不透明感を考慮し、通期業績予想をいったん取り下げていたが、今回は強気な利益見通しを示した。
市場では「関税など負の要因が多くある中でも、思っていたような厳しい内容ではなかった」(日系証券)との受け止めが広がり、ダウ平均の構成銘柄ではないがデルタ株は12%高と急伸。ユナイテッド航空ホールディングスやアメリカン航空グループなどの航空大手にも買いが波及し、相場が押し上げられた。
投資家が重視するS&P500種株価指数も最高値を塗り替えて取引を終えた。
来週以降、JPモルガン・チェースなど金融大手が決算を相次いで公表する。高関税政策下でも消費は底堅さを保っていることなどから、市場では比較的好調な決算が予想されている。

半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が10日公表した4〜6月期の売上高は市場予想を上回った。半導体需要の底堅さが改めて確認され、エヌビディアなど関連銘柄に買いが入ったことも相場を支えた。
 
朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数が22万7000件と前週から減り、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(23万5000件)を下回った。6月上旬に25万件まで高まった後、減少している。前週発表の6月の米雇用統計も想定以上に好調な内容で、足元で労働市場の減速への懸念が薄れている。

関税が米物価上昇や景気減速を招き、企業収益を圧迫するとの警戒は根強い。トランプ米大統領は9日夕にブラジルに対する相互関税を50%にすると明らかにした。銅・銅製品への50%の関税を8月1日に発動する方針も示した。

一方、「関税率は最終的には許容される水準に落ち着くだろう」との見方があり、市場参加者はトランプ政権と貿易相手国・地域との交渉次第で相互関税に低下余地があるとみている。米経済への影響が大きい銅関税についても引き下げの可能性が意識されているもようだ。数日以内に米政府と欧州連合(EU)が貿易協定で合意する可能性が伝わるなど交渉進展への期待も強い。

ダウ平均ではエヌビディアが連日で上場来高値を更新し、時価総額が同日終値時点で4兆ドルを上回った。アメリカン・エキスプレスやマクドナルド、JPモルガン・チェース、キャタピラーも高い。半面、セールスフォースやウォルマート、ユナイテッドヘルス・グループなどが売られた。

ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比19.327ポイント(0.09%)高の2万0630.665(速報値)で終え、連日で過去最高値を更新した。アナリストが投資判断を引き上げたアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が上昇した。テスラも高かった。

S&P500種株価指数は続伸した。前日比17.20ポイント(0.27%)高の6280.46と、4営業日ぶりに最高値を付けた。
 

【シカゴ日本株先物概況】

10日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比220円安の3万9705円で終えた。この日は米株式相場が上昇したものの、日本の株式相場は下げており、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
39705 ( +65 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39750 ( +110 )
 
( )は大阪取引所終値比








【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
10日の英FTSE100種総合株価指数は3日続伸し、前日比108.64ポイント(1.22%)高の8975.66で終えた。6月12日以来、約1カ月ぶりに最高値を更新した。英豪リオティントやスイスのグレンコアとなど、前日に下げていた資源関連の銘柄が買われ、指数を押し上げた。
 
資源関連への買いは、銅先物の値上がりが支援材料となった。銅先物の値動きが足元で不安定になっていることや、米国で銅在庫が積み上がっていることなどを踏まえ、前日は資源に売りが出ていた。
 
製薬大手アストラゼネカといったヘルスケア、英ユニリーバなど日用品の関連銘柄も上げた。外国為替市場で英ポンドが対ドルで下落し、英国外での売上高比率が高い銘柄の支えになった面もある。不動産投資信託(REIT)や公益は下げた。
 
FTSEの構成銘柄では、資源大手リオティントティントが4.00%高、同業グレンコアが3.94%高、建機レンタルのアシュテッド・グループが3.80%高と急伸。一方、商業用不動産大手ランド・セキュリティーズは2.52%安、保険会社ヒスコックスは1.76%安、エネルギー大手SSEは1.72%安と下落した。




■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
10日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前日比92.75ポイント(0.37%)安の2万4456.81で終えた。前日に最高値を更新した後とあって、利益確定の売りが出た。DAXは取引時間中には最高値を上回る場面もあったが、取引終了にかけて水準を切り下げた。
 
個別では、自動車大手BMWが4.15%高、医療機器のザルトリウスが3.62%高、医薬大手メルクが2.83%高と買われた。半面、コメルツ銀行は3.96%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは2.62%安、保険大手アリアンツは2.22%安で取引を終えた。
 




■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は4日続伸し、前日比0.30%高の7902.25と約1カ月半ぶりの高値を更新した。



 
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