兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
会員情報作成
ログイン
初めてのお客様は、
『会員情報作成』から登録をお願い致します。
2231ドル安、貿易摩擦の深刻化懸念や利下げ期待後退
【市況】2231ドル安、貿易摩擦の深刻化懸念や利下げ期待後退

4日のNYダウ工業株30種平均は大幅に続落し、前日比2231ドル07セント安の3万8314ドル86セントで終えた。
4万ドルを割り込み、2024年5月下旬以来、約10カ月ぶりの安値となった。
昨年12月4日に付けた最高値から14.8%下げ、「調整局面」入りとされる水準となった。
 
雇用統計は良好だったが、中国がトランプ政権の相互関税に対抗する報復措置を発表したため貿易摩擦の深刻化懸念が台頭し、寄り付き後、下落。その後、トランプ大統領がベトナム指導者と建設的な会談を行ったと明らかにしたため一時下げ止まる局面も見られたが、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が関税によるインフレの可能性を警告、利下げを急がない姿勢を示したため再び売りに拍車がかかり続落。終盤にかけて、下げ幅を拡大し、終了した。
 
中国政府は4日、米国からの全ての輸入品に34%の追加関税をかけると発表した。米国が2日に発表した相互関税では中国に34%を追加で課すとしており、報復措置とみられる。中国は工業生産に欠かせないレアアース(希土類)の輸出規制も決めた。貿易摩擦の激化が世界経済を冷やしかねないとの警戒から、幅広い銘柄が売られた。

トランプ米大統領は3日夕に半導体と医薬品を対象にした関税を近く発表するとの考えを示した。貿易相手からの報復措置が広がる可能性も意識されている。JPモルガンは3日、世界経済が後退局面入りする確率を40%から60%に引き上げた。投資家の不安心理が高まるなか、「恐怖指数」とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は4日、45台と20年4月以来5年ぶりの高水準となった。

海外の売上高で中国の比率が相対的に高い銘柄に売りが出やすかった。スリーエム(3M)やエヌビディア、キャタピラーが売られた。中国販売の拡大が期待されていたボーイングは9%下げた。景気懸念からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株も大幅安となった。米原油先物相場は4日に一時は期近物として4年ぶりの安値を付け、シェブロンは8%安となった。

 
ダウ平均の構成銘柄ではないが、ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株も軒並み大幅安となり、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7.6%下げた。

半面、売りが先行したナイキは3%高で終えた。トランプ大統領が自身のSNSで「米国と合意できれば、ベトナムは彼らの関税率をゼロにしたいと言った」と投稿した。ベトナムなどでの生産比率が高く、収益懸念から前日には14%あまり下げた後で、交渉が進むとの期待から買い優勢に転じた。

4日朝発表の3月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比22万8000人増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(14万人増)を上回った。一方、失業率は4.2%と前月(4.1%)から上昇し、横ばいを見込んでいた市場予想より高かった。強弱入り交じる内容だったうえ、相互関税の今後の経済への影響に市場の関心が向かっており、相場への影響は限られた。

ダウ平均は週間で3269ドル下げた。週間の下げ幅としては、新型コロナウイルス禍の20年3月以来の大きさとなった。

ナスダック総合株価指数は大幅に続落した。前日比962.819ポイント(5.81%)安の1万5587.786(速報値)と昨年4月下旬以来の安値で終えた。昨年12月16日につけた高値からの下落率が22.7%となり、「弱気相場」入りの目安とされる20%を超えた。テスラが10%下げた。メタプラットフォームズやパランティア・テクノロジーズなども軒並み売られた。
ナスダック指数は週間では10%下げ、20年3月以来の下げ率となった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は大幅に続落した。前日比322.44ポイント(5.97%)安の5074.08(速報値)と、昨年5月上旬以来の安値で終えた。この日は構成銘柄の約97%が下落した。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】

4日のシカゴ日経平均先物は大幅に下落した。6月物は前日比1650円安の3万2245円で終えた。米国が2日決めた相互関税に対して、中国政府は4日に米国からの全ての輸入品に34%の追加関税をかけると発表した。関税の応酬が世界経済の悪化につながるとの見方から日本株先物に売りが膨らんだ。
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
32245 ( -1515 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
32345 ( -1415 )
 
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 
4日の英FTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日比419.76ポイント(4.95%)安の8054.98と2024年11月13日以来およそ5カ月ぶりの安値で終えた。米政権による相互関税を巡り、中国が4日に報復措置を発表した。貿易摩擦の激化が世界経済を下押しするとの懸念から投資家心理が冷え込み、ほぼ全面安となった。
 
世界景気の減速が需給の緩みにつながるとの観測から原油や銅などの先物相場が大幅に下げ、英シェルなどのエネルギーやスイスのグレンコアといった資源株が売られた。英金利の低下を背景に、英HSBCホールディングスなど銀行も下げた。幅広い業種・銘柄に売りが広がり、FTSE100種指数を構成する100銘柄のうち99銘柄が下落。
 
FTSEの構成銘柄では、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが11.66%安、産金大手フレスニロが10.65%安、同業アントファガスタが9.35%安と急落。他の銘柄も軒並み売られ、小売り大手JDスポーツ・ファッションが2.94%高と唯一買われた。


■ドイツ・フランクフルト株価指数
 
4日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比1075.67ポイント(4.95%)安の2万0641.72と1月中旬以来の安値で終えた。3月6日につけた最高値(2万3419)と比べた下落率が10%を超えた。
 
米関税政策を発端とする貿易摩擦が激しさを増せば世界景気が悪化するとの不安が、リスク資産とされる株式の売りを促した。昼ごろに中国が米相互関税に対する報復措置を発表すると、DAXは下げ幅を広げた。ドイツ財政拡大への期待など背景に最近まで堅調に推移してきた銘柄に利益確定の売りが出やすかった面もある。
 
個別では、ドイツ銀行が9.77%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが8.11%安、ドイツ取引所が7.20%安と下げを主導。一方、香料大手シムライズは0.59%高、スポーツ用品大手アディダスは0.54%高と、かろうじてプラス圏で取引を終えた。
 



■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は3日続落し、前日比4.26%安の7274.95で終えた。終値は2024年12月23日以来の安値で、年初来でマイナスに転じた。CAC40を構成する40銘柄がすべて前日比で下げた。金融大手の仏ソシエテ・ジェネラルが10%あまり下げたほか、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルの下げも目立った。
 
a