141ドル高、利下げ観測で引け間際に上昇
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【市況】141ドル高、利下げ観測で引け間際に上昇 |
4月30日のNYダウ工業株30種平均は7日続伸した。前日比141ドル74セント高の4万0669ドル36セントと、2日以来の高値で終えた。7日続伸は昨年5月以来となる。同日発表の米物価指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利下げを決めるとの観測が相場を支えた。月末の買いも入って、引けにかけて上げ幅を広げた。
米商務省が朝方発表した1~3月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比0.3%縮小。3年ぶりのマイナス成長を記録した。個人消費が減速する中、市場では「景気後退入りの可能性が高まった」(日系証券)との懸念から、金融など幅広い銘柄の売りが膨らんだ。
一方、トランプ米大統領が打ち出す高関税政策の影響回避に向けた輸入急伸がマイナス成長の主な要因で、「景気後退のスタートではない」(米金融大手)との見方も徐々に広がった。ダウと、投資家が重視するS&P500種株価指数は引けにかけてプラス圏に切り返した。
一方、トランプ米大統領が打ち出す高関税政策の影響回避に向けた輸入急伸がマイナス成長の主な要因で、「景気後退のスタートではない」(米金融大手)との見方も徐々に広がった。ダウと、投資家が重視するS&P500種株価指数は引けにかけてプラス圏に切り返した。
朝発表の4月の全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数が前月比6万2000人増と、市場予想(12万人増)を下回った。労働市場の減速感が意識されたことも重荷となった。ダウ平均は午前に一時780ドルあまり下げた。
ただ、引けにかけては次第に買いが優勢となった。市場ではGDP統計に対して「みかけほど悪い内容ではなかった」との受け止めがあった。設備投資は前期比年率で7.8%増、消費は同1.8%増と、「景気循環は健全なままだということを示した」との指摘もあった。
同日発表の3月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比で横ばいと、市場予想に一致。2月の0.4%上昇から伸びが減速した。食品とエネルギーを除くコア指数は市場予想(0.1%上昇)に反して横ばいとなった。
PCE物価指数はFRBがインフレ指標として重視する。市場では「インフレの進展を示さず、労働市場が大幅に軟化すれば5月会合での利下げもありうる」との見方があった。米債券市場で長期金利が低下したことに加え、4月の最終取引日とあって資産の再配分に伴う株買いも追い風となった。
個別では、ベライゾン・コミュニケーションズやマクドナルド、シャーウィン・ウィリアムズが上げた。朝に1〜3月期決算を発表したキャタピラーも高かった。半面、ナイキやアマゾン・ドット・コムといった消費関連株に売りが出た。シェブロンやハネウェル・インターナショナルも下げた。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比14.976ポイント安の1万7446.342(速報値)で終えた。前日夕に1〜3月期決算を発表したスターバックスが5.6%安、サーバーなど電子機器製造のスーパー・マイクロ・コンピューターが11.5%安となった。テスラも3.3%下げた。

4月30日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比80円高の3万6165円で終えた。
この日は日経平均株価とNYダウ工業株30種平均がともに上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いがやや優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
36165 ( +135 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
36235 ( +205 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
4月30日の英FTSE100種総合株価指数は13日続伸し、前日比31.39ポイント(0.37%)高の8494.85と4月2日以来、約1カ月ぶりの高値で終えた。主要企業の業績発表を受けた売買が交錯するなか、買いがやや優勢となった。
30日発表の米経済指標を受け、貿易摩擦が米経済に悪影響を及ぼす可能性が改めて意識されると、FTSE100種指数は下げに転じる場面があった。その後、米市場で主要な株価指数が下げ幅を縮小すると、FTSE100種指数も再びプラス圏に浮上した。
FTSEの構成銘柄では、業績見通しを維持した医療機器大手スミス・アンド・ネヒューが5.82%高と上昇率トップ。飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーが3.89%高、30日発表した2025年1〜3月期決算で収益が市場予想を上回った製薬大手GSKが3.60%高と続いた。一方、30日発表した25年1〜3月期の銅などの生産量が前年同期を下回った資源大手グレンコアが7.39%安、鉱業大手アングロ・アメリカンが4.63%安と落ち込んだ。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
4月30日のドイツ株価指数(DAX)は7日続伸し、前日比71.15ポイント(0.31%)高の2万2496.98で終えた。終値として4月1日以来、約1カ月ぶりの高値を更新した。業績への期待から一部銘柄に買いが入り、指数を支えた。
30日発表された米経済指標をきっかけに米経済への懸念が強まり、DAXは下げに転じる場面があった。その後、米市場で主要な株価指数が下げ渋ったのを支えにDAXも再び水準を切り上げた。
個別では、ドイツ取引所(3.73%高)や防衛大手ラインメタル(3.13%高)、不動産大手ボノビア(2.81%高)が買われた半面、通販大手ザランド(5.22%安)やスポーツ用品大手アディダス(4.13%安)が売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.50%高で終えた。