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【市況】ダウ反発846ドル高、FRB議長講演で利下げ期待 |
22日のNYダウ工業株30種平均は大幅に反発した。前日比846ドル24セント(1.88%)高の4万5631ドル74セントで終え、8カ月半ぶりに最高値を更新した。上げ幅は5月12日(1160ドル)以来の大きさだった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演を受け、投資家の利下げ期待が強まったことで幅広い銘柄に買いが広がった。ダウ平均の上げ幅は一時970ドルを超えた。
パウエルFRB議長はこの日、年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演し、利下げの検討を「慎重に進められる状況にある」と述べた。
市場は、政策金利の引き下げに後ろ向きな姿勢が示される可能性を警戒していたが、「予想よりもハト派的」(米金融大手)と受け止められ、9月の利下げ観測が拡大。景気が下支えされるとの安心感から金融やITなど幅広い銘柄が買われた。
講演前には市場の一部でFRBが労働市場の減速よりもインフレリスクを重視し、利下げに慎重になるとの懸念があっただけに、株式の買い安心感につながった。利下げが米景気を支えるとの見方が強まり、キャタピラーやゴールドマン・サックスなどの景気敏感株やホーム・デポといった消費関連株の上昇が目立った。
パウエルFRB議長の講演を受け、米債券市場では長期金利が前日に比べ0.09%低い(債券価格は高い)4.24%を付ける場面があった。金利低下で株式の相対的な割高感が和らぐとの観測も支えだった。「恐怖指数」とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は14台前半と前日から大幅に低下し、昨年12月以来の低い水準となった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレスやアマゾン・ドット・コムが上昇した。ナイキやスリーエム(3M)にも買いが入った。半面、ベライゾン・コミュニケーションズとウォルマートが下落した。
ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発した。前日比396.223ポイント(1.87%)高の2万1496.535で終えた。テスラやアルファベットが上昇した。トランプ米大統領が米政府が株式の10%を取得することで合意したと明らかにしたインテルは5.5%高で終えた。このところ調整していた半導体関連にも買いが入り、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.6%上昇した。
S&P500種株価指数は6営業日ぶりに反発した。取引時間中には14日に付けた最高値(6468)を上回る場面があったものの、終値は前日比96.74ポイント(1.51%)高の6466.91と最高値に届かなかった。

22日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比315円高の4万2965円で終えた。米ダウ工業株30種平均が大幅に上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが入った。
シカゴ日経225先物 (円建て)
42965 ( +395 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
42980 ( +410 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
■ドイツ・フランクフルト株価指数
22日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比69.75ポイント(0.28%)高の2万4363.09で終えた。22日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演をきっかけに米国で9月にも利下げが決まるとの観測が再び強まり、投資家心理が強気に傾いた。
独メルセデス・ベンツグループやフォルクスワーゲン(VW)といった自動車・自動車部品が上げた。素材やヘルスケアの関連銘柄に買いが優勢だったほか不動産大手ボノビア、半導体のインフィニオンテクノロジーズが上昇した。DAXは7月上旬につけた最高値(2万4549)に近づいており、利益確定売りは指数の上値を抑えた。
個別では、商用車大手ダイムラー・トラックが3.10%高、通販大手ザランドが2.83%高、化学品商社ブレンタークが2.19%高と上昇。半面、コメルツ銀行は3.77%安、ハノーバー再保険は1.33%安、化粧品大手バイヤスドルフは1.18%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は3日ぶりに反発し、前日比0.39%高で終えた。