英明コラム 10月第5週 マーケットストラテジーメモ
![]() |
「英明コラム 10月第5週 マーケットストラテジーメモ」 |
《マーケットストラテジーメモ一覧へ》
《マーケットストラテジーメモ》10月 第5週
20日(月):
週末のNY株式で主要3指数は揃って反発。トランプ大統領は「中国からの輸入品に100%の追加関税を課すという自身の提案は持続可能ではない」とコメント。「市場はトランプ氏の発言をどう受け止めればいいのかよく分かっていない。中国や貿易関税など、あらゆる問題を巡る発言が行き交っているだけだ」という見方もある。週末売られていた地銀株は反発。
日経平均株価は1603円高の4万9185円と高値引けで大幅に反発。10月SQ値48779円を上抜いて「幻のSQ値」脱却。終値ベースで初めての49000円台と史上最高値を更新した。「高市総裁の経済政策に期待した『高市トレード』の織り込みはかなり進んだ可能性が高い」という見方もある。TOPIXは反発。東証プライムの売買代金は5兆2873億円。ソフトバンクグループは株式分割考慮後の上場来高値を更新。アドテスト、フジクラが上昇。住友鉱、信越化が下落。日経平均採用銘柄のPERは18.86倍、EPSは2607円で過去最高。
21日(火):
週明けのNY株式で主要3指数は揃って続伸。金融株とハイテク株が買われ上昇を主導した。アップルは過去最高値を更新した後、約3.9%高。メタ、ネットフリックス、アルファベットが1.3─3.3%上昇。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.6%高で史上最高値を更新。ラッセル2000指数は2.0%上昇。
日経平均株価は130円高の4万9316円と続伸。連日で史上最高値を更新した。一時700円強上昇し心理的節目の5万円に接近した場面もあった。ただ材料出尽くしや利益確定に伴う売りが出て、日経平均は下げに転じた場面もあった。高値からは一時800円あまり下げる激しい値動き。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は6兆2013億円。任天堂、TDKが上昇。アドテスト、三菱重が下落。日経先物は一時5万円にタッチ。日経平均採用銘柄のPERは18.87倍(前日18.86倍)。EPSは2613円(前日2607円)と過去最高。
22日(水):
火曜のNY株式市場で好業績発表が相次いだが指数はマチマチマチマチの展開。NYダウは小幅続伸。S&P500はほぼ横ばい。ハイテク株中心のナスダック総合は小幅安。主要企業は総じて好調な決算を発表。GMは業績見通しを上方修正。関税による影響が想定よりも小さくなるとした。株価は14.9%上昇した。飲料大手コカ・コーラは4.1%上昇。通期見通しを上方修正した3Mは7.7%高。
日経平均株価は8円安の4万9307円と3日ぶりに小反落。持ち高整理や利益確定の売りが優勢。一時700円ほど下落した場面があった。ただ自動車など出遅れセクターが買われ、日経平均は140円ほど上昇する場面もあった。TOPIXは3日続伸で10月9日以来の史上最高値更新となった。東証プライムの売買代金は6兆1076億円。ファストリ、TDKが上昇。売買代金が1兆円を超えたSBG、アドバンテストが下落。
23日(木):
水曜のNY株式で主要3指数は揃って反落。前日発表されたネットフリックスの冴えない決算が悪材料。トランプ政権が米国製ソフトウエアを使用した多岐にわたる製品の中国への輸出制限を検討しているとの報道も嫌気された。ネットフリックスは10.1%急落。半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)が5.6%下落した。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は2.4%下落。日経平均株価は666円安の4万8641円と続落。米中の対立懸念や前日の米株式相場が下落した流れを受けた格好。
日経平均の下落幅は一時900円を超えた。TOPIXは4日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は5兆1011億円。三井不、川重が上昇。SBG、ディスコが下落。指数は下落ながら新高値105銘柄、新安値0銘柄。
24日(金):
木曜のNY株式で主要3指数は揃って反発。トランプ大統領が中国の習近平国家主席と会談するとホワイトハウスが確認。
米中緊張緩和の方向性が好感された。テスラは一時下落したいたが2.3%上昇。IBMは0.9%下落。ウォールストリート・ジャーナル紙はトランプ政権が、量子コンピュータ数社と資本参加について協議していると報道。これを受けて量子コンピュータ関連株が買われた。
日経平均株価は658円高の4万9299円と3日ぶりに反発。上昇幅が700円を超え、一時終値ベースの過去最高値(4万9316円)を上回る場面もあった。米インテル株が米時間外取引で上昇し、国内でも東エレクやレーザーテクなど半導体関連銘柄に買いが優勢となった。 TOPIXは反発し終値ベースの最高値を更新。東証プライムの売買代金は5兆3263億円。SBG、アドテストが上昇。ニデックが、第一三共が下落。
(2)欧米動向
9月の消費者物価指数(CPI)は前年比で3.0%上昇。
前月の2.9%上昇から伸びが加速した。
前月比は0.3%上昇、8月は0.4%上昇だった。
市場予想は前月比0.4%上昇、前年比3.1%上昇だった。
変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.2%上昇、前月は0.3%上昇だった。
前年比は3.0%上昇、前月は3.1%上昇だった。
政府閉鎖によりデータ集計は不十分だったがCPIは発表された。
社会保障局による2026年の生計費調整の算出などに利用するため。
当初は15日に発表される予定だった。
政府機関閉鎖により10月分のデータの半分以上が欠落している。
(3)新興国動向
週末の上海株は2015年8月以来10年ぶりの高値水準;
週間では2カ月ぶりの大幅上昇となった。
上昇の中心は、半導体や関連銘柄が買われた。
政策当局者が「断固として」今年の経済成長目標を達成すると表明したことが支援材料との解釈。
(兜町カタリスト 櫻井英明)








メルマガ


