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99ドル安、利下げ期待でナスダック最高値
【市況】99ドル安、利下げ期待でナスダック最高値

11日のNYダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比99ドル27セント(0.22%)安の4万4148ドル56セントで終えた。
 
この日の朝方発表された11月の米消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比で2.7%、前月比では0.3%となり、エネルギー・食品を除くコアも前年同月比3.3%上昇し、市場予想に一致した。
FRBの政策目標である2%には距離があるものの「高金利環境が景気悪化を招かない一方で、インフレの方向性は良い進展を遂げてきた」と受け止められた。
 
今月開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが決定されるとの観測が強まり、金利の影響を受けやすいハイテク株を押し上げた。
一方、ディフェンシブ株は売られ、ダウ平均の重荷となった。

CPIを受け、米短期金利先物の値動きから金融政策を予想する「フェドウオッチ」ではFRBが17〜18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%利下げする確率が11日夕時点で前日(88.9%)から9割台半ばに切り上がった。市場の一部ではCPIが予想から上振れすれば利下げが見送られる可能性も指摘されていただけに「政策金利の引き下げの継続を見込んだ株買いが勢いづいた」との声が聞かれた。

ダウ平均の上げ幅は100ドルを超える場面があったが、次第に伸び悩み下げに転じた。ハイテク株に資金が流入した一方、ディフェンシブ株や景気敏感株の一角が売られ、指数を下押しした。超党派の議員グループが健康保険会社や薬剤給付管理会社を所有する企業に対して薬剤事業の売却を義務付ける法案の成立に向けて動いていると11日に伝わった。業界の規制強化が意識され、ユナイテッドヘルス・グループが大幅に下げ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も安かった。

トランプ次期米大統領による関税強化などの政策もあり、インフレ率が高止まりするとの懸念も根強い。来年の利下げペースを巡る不透明感も投資家心理の重荷となる面があった。

個別銘柄では保険や製薬に加え、マクドナルドやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ベライゾン・コミュニケーションズなどが売られた。半面、エヌビディアが3%高となり、アマゾン・ドット・コムやセールスフォースといったハイテク株の上昇が目立つ。ナイキやゴールドマン・サックスも高かった。

ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比347.652ポイント(1.76%)高の2万0034.894(速報値)で終えた。6日以来となる過去最高値を更新し、初めて2万の大台に乗せた。

テスラは6%近く上昇し、2021年11月以来となる上場来高値を更新した。アルファベットやメタプラットフォームズといった主力ハイテク株が買われた。アップルと人工知能(AI)半導体で提携していると報じられたブロードコムは大幅高となった。
 
 
 
NYダウ    44148.56 ( -99.27 )
S&P500    6084.19 ( +49.28 )
NASDAQ  20034.89 ( +347.65 )
米10年債利回り  4.272 ( +0.043 )

NY(WTI)原油   70.29 ( +1.70 )
NY金      2756.7 ( +38.3 )
VIX指数    13.58 ( -0.60 )
 
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
11日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比745円高の4万0065円で終えた。
NYダウ平均は、ヘルスケアなど景気変動の影響を受けにくい業種の銘柄が売られる中、5営業日続落した。
この日はナスダック総合株価指数が上昇し、初の2万台に乗せて終了した。シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。


シカゴ日経225先物 (円建て)
40065 ( +655 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)
40070 ( +660 )

( )は大阪取引所終値比
 



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

11日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日比21.26ポイント(0.25%)高の8301.62で終えた。英ロイズ・バンキング・グループをはじめ銀行株に買いが優勢だった。

11日発表された11月の米消費者物価指数(CPI)は、おおむね市場予想に沿った結果だった。米国で月内に追加利下げが決まるとの見方も、投資家心理を支えた。

ロイズ・バンキング・グループの上昇は、英国で自動車ローンの不適切販売があったとされる問題で、ローンを提供する側の上訴を最高裁が許可したと伝わったことがきっかけとなった。そのほか日用品や飲食料品・たばこ株に買いが優勢だった。半面、エネルギーや公益株の下げは、指数の上値を抑えた。

FTSEの構成銘柄では、産金大手エンデバー・マイニングが5.93%高と急伸。教育・メディア大手ピアソンが3.35%高、生活用品大手レキット・ベンキーザーが2.81%高で続いた。一方、製薬大手GSKは2.40%安、不動産大手ブリティッシュ・ランドは2.10%安、物流施設大手セグロは2.01%安となった。



■ドイツ・フランクフルト株価指数
11日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前日比70.00ポイント(0.34%)高の2万0399.16と3営業日ぶりに最高値を更新した。11日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)を受け、17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決まるとの見方が広がり、投資家心理を支えた。
 
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.38%高、不動産大手ボノビアが2.78%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが2.67%高と買われた。半面、電力大手RWEは1.95%安、自動車大手BMWは1.51%安、製薬大手バイエルは1.42%安と値を下げた。
 


■フランス・パリ株価指数

フランスでは株価指数CAC40が反発し、前日比0.38%高で終えた。広告大手ピュブリシス・グループや航空機エンジンのサフランが上昇した。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど消費関連の一角が買われた。一方で石油大手トタルエナジーズが下げた。
 
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