大幅続落、米関税政策の不透明感などが重荷
東京株式(前引け)=大幅続落、米関税政策の不透明感などが重荷

2日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前週末比551円08銭安の3万7414円02銭だった。

東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは前週末比27.90ポイント(1.00%)安の2773.67だった。JPXプライム150指数も続落で前場を終えた。

2日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前週末比551円08銭安の3万7414円02銭だった。
きょう前場は、前週末に続きリスク回避ムードの強い地合いpとなった。日経平均株価は先物を絡めて売り込まれ、500円を超える下げで3万7000円台前半まで水準を切り下げて前場の取引を終えている。前週末の欧州株市場が高安まちまちの展開で、米国株市場でもNYダウは小幅続伸したものの、ナスダック総合株価指数は反落するなどはっきりしない展開だった。外国為替市場では円高方向に振れており、輸出セクターには逆風材料となっている。トランプ関税に対する先行き不透明感が漂うなか、目先利益確定売りを優先する動きが続いている。
今後の日米関税交渉を見極めたいとのムードも広がるなかで、株価指数先物主導で下げ幅を広げる場面もあった。
トランプ米大統領は5月30日、自身のSNSに、中国が米国との「合意を完全に破っている」と投稿した。米ブルームバーグ通信は同日、米政権が中国のハイテク部門に対する規制を拡大する計画だとも報じた。ダウ工業株30種平均は方向感を欠く展開となった一方、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.1%安となるなどハイテク株の下げが目立ち、アドバンテストや東エレクが売られた。TDK、日東電といった電子部品株も下げた。
トランプ米政権の関税を巡って日本は赤沢亮正経済財政・再生相が米首都ワシントンで現地時間5月30日、4回目の閣僚協議に臨んだ。一連の関税の見直しを重ねて求め、協議後の記者会見では「互いの立場を十分に認識し、合意に向けた進展を確認できた」と語った。ただ、具体的にどのような進展があったかは定かではない。トランプ氏が30日、鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税を25%から50%に引き上げる方針も示しているなかで楽観した株買いは限られた。4日の関税引き上げを前にJFEなど鉄鋼株の一角が下げた。2日の東京外国為替市場で円相場が一時1ドル=143円台前半と、前週末夕時点から円高・ドル安方向に振れたのもあって自動車ではトヨタやホンダが下げた。
後場の日経平均も、引き続き軟調な動きが継続するだろう。やや円高基調に推移するなかで、日米ともに長期金利の高止まりも警戒されている。また、週末、トランプ大統領が鉄鋼輸入関税を25%から50%に引き上げると表明したことから、二転三転する米国関税方針は大型株の重しとなる。今週は米ISM景気指数や米雇用統計の発表が控えており、これらを見極めたいとするムードも強まりやすく、後場も積極的な買いは控えられるであろう。前週末の「国内株式市場見通し」でも触れられているが、手掛かり材料に乏しい中、スタンダードやグロース銘柄への短期資金による物色が続くと想定しておきたい。

東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは前週末比27.90ポイント(1.00%)安の2773.67だった。JPXプライム150指数も続落で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8510億円、売買高は8億611万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1066と全体の65%だった。値上がりは490、横ばいは73だった。
業種別では、ゴム製品、精密機器、輸送用機器などが下落した一方で、建設業、倉庫運輸関連、パルプ・紙が上昇した。
個別では、ディスコやアドバンテスト、レーザーテックなどの半導体関連株のほか、三井住友や三菱UFJなどの金融株が軟調に推移。また、ファストリ、ソフトバンクグループ(SBG)、KDDI三菱重工業、トヨタ自動車、東エレク、任天堂、ソニーグループ、リクルートHD、日立などが下落した。ほか、第2四半期の決算発表を延期すると発表したパーク24が急落、ラックランド、IRJ-HDなどが値下がり率上位となった。
一方、フジクラ、IHI、富士通、古河電工、住友不動産、楽天グループ、中外薬、コナミGなどが上昇した。そのほか、ヘッジファンド業界会合で有望銘柄として一部取り上げられたラウンドワンが大幅高、アドウェイズ、オエノンホールディングス、NJSなどが値上がり率上位となった。