英明コラム 7月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 7月 第2週
30日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500とナスダック総合が終値で過去最高値を更新。トランプ大統領は相互関税上乗せ分の猶予期限となっている7月9日は確定した期限ではないとの考えを示した。ベセント財務長官はこれに先立ち9月1日のレーバーデーまでに合意できるとの見通しを示していた。エヌビディアが1.8%上昇。時価総額は4兆ドルに迫った。スポーツ用品大手ナイキが15.2%高。
日経平均株価は336円高の4万487円と5日続伸。2024年7月17日以来、約11カ月ぶりの高値水準。ただ上値では利益確定売りも出やすく、前場に700円超上昇した後は上昇幅を縮小した。TOPIXも5日続伸。2024年7月19日以来の高値水準。東証プライムの売買代金は5兆6107億円。オリンパス、任天堂が上昇。日立、三菱重が下落。
1日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500とナスダック総合は過去最高値を更新。両指数とも四半期では2桁台の上昇率。1年超ぶりの大きさとなった。S&P500は第2四半期に10.57%、ナスダックは17.75%、NYダウは4.98%、それぞれ上昇。小型株のラッセル2000指数は8.28%上昇。日経平均株価は501円安の3万9986円と6日ぶりに反落。3日ぶりに4万円を下回って終えた。
日経平均は前日まで2000円強上昇しており、短期的な過熱感を警戒した売りが幅広い銘柄に出たとの解釈。下落幅は一時600円あまりに拡大。7月相場入りで、国内の機関投資家が四半期の初めに持ち高の評価益を実現益にする「益出しの売り」が膨らんだとの見方もあった。日銀短観では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)の大企業・製造業はプラス13。前回3月調査のプラス12から改善した。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は4兆6031億円。フジクラ、千葉銀が上昇。ファストリ、任天堂が下落。6月27日時点の信用買い残は2149億円減の3兆8390億円。
2日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。S&P500とナスダック総合は反落。NYダウは続伸。6月月間では1824ドル高で2か月続伸だった。「一部のハイテク銘柄への投資集中に警戒感が拡大」との解釈。NYFANG指数は1.8%安。トランプ大統領は「米国との貿易協定交渉期限である7月9日の延長は考えていない」とコメント。テスラが5%超下落。6月のISM製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.0。前月の6カ月ぶり低水準となる48.5から小幅上昇した。ただ4カ月連続で50を下回った。市場予想はほぼ横ばいの48.8。
日経平均株価は223円安の3万9762円と続落。日経平均の下落幅は一時500円を超えた。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は4兆8488億円。ダイキン、ニトリが上昇。コナミ、フジクラが下落。3日ぶりに日足陽線
3日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。米国がベトナムと関税交渉で合意。貿易戦争長期化への懸念が後退した。S&P500とナスダック総合は反発し過去最高値を更新。エヌビディアやアップル、テスラが上昇。6月30日に付けた最高値を更新した。NYダウは小反落。テスラが5%上昇。医療保険のセンティーンが40%急落して8年ぶりの安値水準。6月のADP全米雇用報告で民間雇用者数は3万3000人減。市場予想は9万5000人増で予想外の減少。減少は2023年3月以来、2年超ぶり。
日経平均株価は23円高の3万9785円と3日ぶりに小反発。前日の米ハイテク株の上昇を好感。大型株中心に買いもの優勢の展開。ただ全体的に方向感が乏しく、日経平均は小幅に下げる場面もあった。TOPIXは3日ぶりに小幅反発。東証プライムの売買代金は5兆319億円。大引けにかけて株価指数の銘柄入れ替えに絡んだ売買で膨らんだ。TDK、トヨタが上昇。住友不、コナミが下落。大引けの日経平均採用銘柄入れ替えでプラ転。
4日(金):
短縮取引となった木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。S&P500とナスダック総合は過去最高値更新。「FRBが9月まで利下げを行わないとの見方が高まった」との解釈。半導体大手エヌビディアが1.3%上昇。時価総額は4兆ドルに迫った。旅行情報サイト運営トリップアドバイザーが16.7%上昇。クラウドセキュリティ企業のデータドッグも14.9%高。6月の雇用統計で非農業部門雇用者数は14万7000人増。5月は14万4000人増に上方修正。市場予想は、非農業部門雇用者数が11万人増(予想レンジ:5万─16万人増)。失業率は4.1%。5月の4.2%から予想外に低下した。市場予想は4.3%だった。恐怖と欲望指数は63→78と今年の最高水準。
日経平均株価は24円高の39810円と小幅続伸。半導体関連など一部の値がさ株の上昇がけん引。朝方には一時4万円台に乗せた。TOPIXは反落。 東証プライムの売買代金は3兆8803億円。コナミ、ダイキンが上昇。京セラ、ファストリが下落。
(2)欧米動向
トランプ米大統領は12カ国の貿易相手国に対する関税率などをまとめた書簡に署名したという。
7日に送付される方向。
関税率などは国によって異なるという。
大半が8月1日に発効する予定だという。
(3)新興国動向
TSMCが熊本県で予定する第2工場建設計画を先延ばしし、米国事業を優先する方針だとの報道。
これに対し、TSMCは、米国での投資計画が他地域での既存の投資計画に影響を与えることはないと表明した。
TSMCは声明で「市場のうわさにコメントしない」。
世界的な製造拡大戦略は顧客のニーズ、ビジネスチャンス、経営効率、政府の支援レベル、コスト経済性に基づくものだ」とコメントした。
(兜町カタリスト 櫻井英明)