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英明コラム 5月第3週 マーケットストラテジーメモ
「英明コラム 5月第3週 マーケットストラテジーメモ」


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《マーケットストラテジーメモ》5月 第3週
 
12日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は小動き。週末にスイスで開かれる米中貿易協議を控え動けなかった格好。トランプ大統領は「中国に80%の関税をかけるのは正しいようだ」などと発言した。恐怖と欲望指数は61→62。昨年12月3日の60以来の水準。
 
日経平均株価は140円高の37644円と3日続伸。3月27日以来の高値を更新。米中の関税協議の進展に期待して株価指数先物に買いが入ったが協議の詳細公表を上値追いの勢いは限定的。TOPIXは12日続伸。12勝0敗でサイコロ100%。2017年10月の12日続伸の記録に並んだ。東証プライムの売買代金は4兆8542億円。トヨタ、トレンドが上昇。リクルート、ニトリが下落。
 
13日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って大幅上昇。4月9日以来の上昇率となった。米国と中国は、両国の貿易問題を巡り相互に発動した関税率を115%ポイント引き下げることで合意。上乗せ分の90日間の停止、経済・貿易関係に関する協議メカニズムの構築も打ち出した。S&P500は3月下旬以来初めて200日移動平均線を上回った。VIX(恐怖)指数は3月下旬以来初めて20を割り込んだ。合算売買高は約202億株と増加。
 
日経平均株価は539円高の38183円と4日続伸。2月27日以来の高値水準。米中両政府が相互に課していた追加関税の引き下げで合意し、米中対立をめぐる投資家の警戒感が和らいだ。日経平均の上げ幅は一時800円を超えたが買い一巡後の上値は重かった。TOPIXは13日続伸。13日続伸は2009年8月以来、およそ15年9カ月ぶり。東証プライムの売買代金は6兆169億円。東エレク、古河電工が上昇。ニトリ、フジクラが下落。
 
14日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。S&P500とナスダック総合は続伸。NYダウは、医療保険大手ユナイテッドヘルス下落の影響で反落。同社は通期業績見通しの発表を停止しCEOが退任。株価は17.8%急落した。暗号資産(仮想通貨)交換所大手のコインベース・グローバルが24%近く急伸。5月19日にS&P500に採用されることが好感された。4月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.3%上昇。伸びは3月の2.4%から鈍化。2021年2月以来、約4年ぶりの低水準。市場予想は2.4%上昇だった。前月比は0.2%上昇。3月の0.1%下落からプラスに転じた。市場予想は0.3%上昇だった。恐怖と欲望指数は68→70。
 
日経平均株価は55円安の38128円と5日ぶりに反落。利益確定目的の売りや戻り待ちの売りが優勢となった。TOPIXは14日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は5兆4483億円。ソニー、フジクラが上昇。 オリンパス、第一三共が下落。
 
15日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。プラス圏とマイナス圏の往来の展開。トランプ米大統領はサウジアラビアでムハンマド皇太子と会談。サウジによる米国への6000億ドルの投資確約を取り付けた。エヌビディアやAMDなどはサウジ政府系ファンドが所有するAIスタートアップ企業との業務提携を発表。エヌビディアは4%超上昇。AMDが4.7%高。ボーイングは0.6%高。メルクが4%安、アムジェンが3%安。
 
日経平均株価は372円安の37755円と続落。利益確定目的の売りが優勢だった。下げ幅は一時500円に迫ったが、根強い先高観を背景とした押し目買いや売り方の買い戻しも目立ち、やや下げ渋って終えた。TOPIXは続落。 東証プライムの売買代金は4兆7778億円。すかいらーく、良品計画が上昇。ソニー、任天堂が下落。日経平均EPSの今期予想は減少、前期は増加。プライム市場の騰落レシオは146.54
 
16日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。通期の業績予想を上方修正したシスコシステムズが5%近く上昇。司法省による刑事捜査が報じられた医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループが約11%急落。第2四半期の利益予想の公表を控えた小売り大手ウォルマートがは0.5%安。アマゾンが2.4%下落。4月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.1%増加。伸びは前月から減速。市場予想は横ばいだった。
 
日経平均株価は1円安の37753円と小幅に3日続落。朝方から軟調に推移し、下げ幅は一時250円を超えた。ただ後場は小幅ながら一時上昇に転じた場面もあった。TOPIXは3日ぶりに反発。東証プライムの売買代金は4兆4706億円。サイバー、Jフロントが上昇。ファナック、日本郵政が下落。
 
(2)欧米動向
 
米国の4月の財政収支黒字は、前年同月比23%(約490億ドル)増の2580億ドル。
関税の純収入が160億ドルと前年同月比で約90億ドル増加。
米国の4月の関税徴収額は1日あたり5億ドル超となった。
2025会計年度(24年10月─25年9月)の4月までの累計では、関税の純収入額は630億ドル。
前年同期の480億ドルから増加。
25会計年度の4月までの累計では、赤字は前年同期比23%(1940億ドル)増の1兆490億ドル。
同会計年度累計の歳入は3兆1100億ドル、歳出は4兆1590億ドル。
いずれも4月としては過去最高を記録した。
 
(3)新興国動向
 
中国の4月の新規人民元建て融資は予想以上に急減。
4月の新規融資は2800億元(約388億7000万ドル)。
市場予想の7000億元を下回った。
3月は3兆6400億元、前年4月は7300億元だった。
4月は例年、融資が低迷するが、米国との貿易戦争が長引き、融資需要が一段と減少した。
4月の融資残高は前年比7.2%増と過去最低を記録した。
3月は7.4%増、市場予想も7.4%増だった。
 


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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