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109ドル安と続落、AIに過剰投資懸念
【市況】109ドル安と続落、AIに過剰投資懸念


30日のNYダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比109ドル88セント安の4万7522ドル12セントだった。四半期決算を発表したハイテク株を中心に売りが広がり、相場の重荷となった。一方、米中関係が改善に向かうとの期待は下値を抑えた。

 

マイクロソフトが2.9%安と、相場全体を押し下げた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、メタ(旧フェイスブック)は11.3%安。いずれも前日発表した決算でAI関連の設備投資を大幅に増やすと表明し、市場で投資に見合う利益を回収できるのかとの不安が拡大。両社などAI関連銘柄の売りが膨らんだ。

 米連邦準備制度理事会(FRB)による12月の金融政策会合での利下げ期待が後退したことも相場の重荷となった。一方で、米中首脳会談を受けて貿易摩擦への懸念が和らぎ、ダウは380ドル超上げる場面もあった。

 

パウエル議長は記者会見で12月の利下げ観測をけん制した。この発言を受けて前日に幅広い銘柄が売られたあとで、景気敏感株や消費関連株の一角に買い直す動きがあった。

 

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は30日、韓国で会談した。中国が合成麻薬フェンタニルの対策を講じる代わりに、米国は対中関税を10%引き下げる。中国はレアアース(希土類)の新たな輸出規制の導入を1年延期する。

 

トランプ氏は30日に自身のSNSに「非常に素晴らしい会談だった」と書き込んだ。市場では、「米中関係は常に不安定だが、ひとまずは楽観につながった」との見方があった。両国の緊張が緩和に動くとの期待は相場の追い風となった。

 

そのほかのダウ平均の個別銘柄では、ボーイングやベライゾン・コミュニケーションズ、エヌビディアが売られた。取引終了後に四半期決算発表を控えるアマゾン・ドット・コムも下げた。半面、シスコシステムズやセールスフォース、ウォルト・ディズニーは買われた。四半期決算発表を前にアップルにも買いが入った。

 

ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。終値は前日比377.329ポイント(1.57%)安の2万3581.144だった。

 

テスラが4.6%安と目立った。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の巨額報酬案の採決を11月6日に控えるなか、米国最大級の公的年金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)が報酬案に反対していると米ブルームバーグ通信が29日夕に報じた。報酬案の否決がテスラの経営に逆風との見方から売りが出た。

 

一方、アルファベットは2.5%高となった。前日発表の25年7〜9月期決算で売上高が市場予想を上回り、好感した買いが入った。

 

【シカゴ日本株先物概況】
 

30日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比230円高の5万1330円で終えた。この日は米株式相場が軟調に推移したものの、日経平均株価が連日で最高値を更新しており、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。


シカゴ日経225先物 (円建て)

51330 ( -130 )

 

シカゴ日経225先物 (ドル建て)

51405 ( -55 )

 

( )は大阪取引所終値比









【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

30日の英FTSE100種総合株価指数は前日比横ばい圏ながら、わずかに上昇した。終値は前日比3.92ポイント(0.04%)高の9760.06と最高値を6営業日続けて更新した。好業績を公表した銘柄への買いが指数を支えた。

 

市場で広がっていた米国での追加利下げ観測に対し、前日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がけん制する内容の発言をしたことは、投資家心理を冷やした。FTSE100種指数は前日終値を下回って推移する場面もあった。

 

FTSEの構成銘柄では、増益決算を発表した金融大手スタンダード・チャータードが3.63%高、通信大手エアテル・アフリカが2.38%高、中古車販売サイトのオートトレーダー・グループが1.92%高と上昇。他方、業績不振を受けて広告大手WPPは16.11%安と急落し、小売り大手JDスポーツ・ファッションは3.38%安、ホテル大手ウィットブレッドも2.66%安と売られた。





■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

30日のドイツ株価指数(DAX)は前日比横ばい圏で終えた。終値は同5.32ポイント(0.02%)安の2万4118.89だった。米国でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が29日、市場の利下げ観測をけん制する内容の発言をしたことが投資家心理の重荷となった。

 

30日の米中首脳会談を経て、両国が緊張緩和へ動いているとの受け止めが出たのは好材料となった。ただし米中貿易交渉が進展するとの期待は数日前から出ていた。一定程度織り込みが進んでいたため、30日の欧州市場で株式などのリスク資産の価格をさらに押し上げる効果は限られたとの声が聞かれた。

 

医薬・農薬大手の独バイエル、独メルクをはじめヘルスケア関連や、独フォルクスワーゲン(VW)など自動車株が下げた。他方、欧州エアバスが上昇。前日に急落していたスポーツ用品大手アディダスが買われた。

 

個別では、不動産検索サイト大手スカウト24が3.00%高、航空機大手エアバスが2.06%高、電力大手RWEが1.65%高と値上がりした半面、製薬大手バイエルは2.50%安、通信大手ドイツテレコムは2.45%安、高級車メーカーのポルシェは2.34%安となった。




■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は3日続落し、前日比0.53%安で終えた。自動車の欧州ステランティスの下げが目立った。30日に2025年7〜9月期決算を公表した仏ソシエテ・ジェネラルなど金融株に売りが優勢だった。公益株や通信サービスの仏オレンジが買われた。


 
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