兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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「古希」
「古希」
「古希」
 
日経平均株価は古希を迎えた。
1950年9月7日が最初の算出日。
当時は東京証券取引所が算出。
途中から日本経済新聞社が引き継いだ。
ちなみに・・・。
日経平均のいちばん最初の値は176円21銭。
東証は算出開始にあたり、戦争で中断していた株式売買の再開日だった1949年5月16日を起点の100円にした。
10年前に迎えた「還暦」。
その時はこう書いていた。

日経平均株価の60回目の誕生日。
人間で言えば還暦ですから、ソコソコの歴史となりました。
その60年間の平均値は概ね9150円。
現在は、その60年間の平均値の水準に位置しているということになります。
因みに、リーマンショック時には58年しか経っていませんでしたから存在しなかった60年平均。
55年平均を持ち出してきた市場関係者がいたことが思い起こされます。
それにしてもかつての売買高上位銘柄を見てみると社名も結構な様変わり。
50年代は鐘淵紡績(旧カネボウ)、東洋レーヨン(東レ)、日本鋼管(JFE)など。
70年代は小西六(コニカミノルタ)、東京芝浦電機(東芝)など。
90年代は日本電気(NEC)、松下電器産業(パナソニック)など。
株価はともかく社名だけはまだまだ進化するのでしょう。
 
 
自然の営みには必ず光と影があるもの。
太陽があれば月も星もでる。
しかし、マーケットは不思議と一方通行で見ることが多い。
日銀が金融緩和を打ち出したのは、ある意味光の部分。
でも、「出尽くし感」という影の論理に置き換えてしまう。
この絶妙な論理。
「知ったら終い」とか「噂で買って事実で売る」。
それもまた影の部分。
素直な心で相場を眺めると痛い目に遭遇するということ。
もっとも小賢しく振舞っても大きな流れには逆らえないのも相場だが・・・。
「時よ止まれ おまえは美しい」はファウスト。
でもマーケットでは時間が止まるのはご法度かも知れない。
 
 
「火焔太鼓」
 
株好きの甚兵衛は女房と甥の定吉の三人暮らし、
お人好しで気が小さいので株式投資はまるでダメ。
 
おまけに恐妻家でしっかり者のかみさんに毎日尻をたたかれ通し。
今日もかみさんに「株で損ばかりしている」と小言を食っている。
今回甚兵衛が買ったのは上場もしていない未公開ベンチャー企業だった。
 
何せ甚兵衛の株式投資の「実績」は時として「監理銘柄」、「整理ポスト」、「上場廃止」、「会社更生法」。
「立派」な代物ばかりだから、かみさんの怒るのも無理はない。
 
それでも「買っちまったものは仕方がない」と定吉に調べさせてみると・・・。
「累損増加」、「債務超過」でホコリが出るわ出るわ、
もはやリストラもできず市場の誰も見向きもしないボロ銘柄。
 
調子に乗って定吉がホコリのいくつかを数え上げながら「ボロ株だボロ株だ」と踊りだす始末。
 
どこで聞きつけたか、外から身なりの良い侍が入ってきた。
「コレ、ボロ株と騒いでいたのはその方の宅か」
「今、殿さまがお駕籠でお通りになって『ボロ株』の声がお耳に入り、
ぜひ見たいと仰せられる。
すぐに屋敷にて披露いたせ」。
 
最初はどんなお咎めがあるかとビビっていた甚兵衛、
もしかすると「ボロ株」をお買い上げになるかも知れないと考えてにわかに得意満面。
 
ところがかみさんに
「ふん。そんな上場もしていない株が売れると思うのかい。
こんなにヒドイのを持ってってごらん。
お大名は気が短いから、
『かようなむさいものを持って参った者。当分帰すな』
てんで、庭の松の木へでも縛られちゃうよ」
と脅かされる。
「どうせそんなボロ株は誰も見向きもしないのだから
買い値の一分で押しつけてこい」と家を追い出される。
 
さすがに心配になった甚兵衛、
震えながらお屋敷に着くと、
さっきの侍が出てきて
「ボロ株を殿にお目にかけるから、
暫時そこで控えておれ」
 
今にも侍が出てきて
「かようなむさいボロ株を」
ときたら、
風のようにさっと逃げだそうと、
びくびくしながら身構えていると、
意外や意外、
殿様がえらくお気に召して、
三百両の値がついた。
 
聞けば
「調べてみれば・・・。
あれはノーベル賞級の技術開発をしている国宝級の株」
というからまたびっくり。
 
甚兵衛感激のあまり、
百五十両まで数えると泣きだしてしまう。
 
興奮して家に飛んで帰ると、
早速かみさんに五十両ずつたたきつける。
 
「それ二百五十両だ」
「あァらま、お前さん商売がうまい」
「うそつきゃあがれ、こんちくしょうめ。それ、三百両だ」
「あァら、ちょいと水一ぱい」
「ざまあみゃあがれ。オレもそこで水をのんだ」
「まあ、おまえさん、株ってのはたいへんに儲かるねェ」
「うん、未公開株ってのも怪しいけどたまにはこういうことがあるんだな。
でもハラハラドキドキはもう懲りた。
おらァこんだ上場しているまともな株を買ってくる」。
「お前さんどんな株だい」
「そうさな、腹も減ってきたから牛丼・寿司・ファミレスの株かな。
そうだ、ゼンショーを買ってくる」。
「ゼンショー?いけないよ。半鐘みたいな社名だとおジャンになるから」
(終)。
 
 
 
《兜町ポエム》
 
「大阪で生まれた株価」
 
踊り疲れた高値の戻り
これで相場も終わりかなと呟いて
あなたの株価眺めながら
下げたなと思ったら泣けてきた
大阪で生まれた相場やさかい
大阪の材料よう捨てん
大阪で生まれた材料さかい
NYへはようついていかん
踊りつかれた高値の戻り
25日線にしがみついた板
 

(櫻井)。
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