「IFA」
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「IFA」 |
火曜の日経朝刊での特集は「リセット金融営業」。
サブタイトルは「顧客本位への改革急務、長期視点の独立系許す」。
いまだに「顧客本位」というお題目を掲げざるを得ないほど業界の歩みは遅い。
おそらくこの言葉が登場してから30年近い年月は経っているだろう。
いつまで経っても自立も顧客本位も実行できない証券会社や金融機関と言う構図だ。
かんぽの例を見るまでもなく、顧客本位でないことが意外と金融機関の精神なのかも知れない。
そもそも、顧客本位と収益が両立するかどうかは疑問のあるところ。
この昇華が結構難しいことであるのは言うまでもない。
だからといって、市場と向き合わないというのもいかがなものだろうか。
日経に投書していたのはIFA。
「会社の看板でどれだけ仕事が出来るかわからない」という地銀勤務の女性の声が紹介されている。
「バッジで仕事をしている」とか「バッジで仕事をするな」。
昭和の時代によく言われていたことを思い出す。
ノルマに縛られることなく、長期目線で個人の資産形成を手助けしやすいのがIFA。
このところ存在感を増しているという。
独立したIFAの中には「既存の金融機関に一石を投じたい」という思いもあるという。
アメリカでは独立系アドバイザーはかかりつけ医のような存在だという。
40年近くまえに証券会社に入ったときに理念的に言われたのは「アメリカでは友人にするなら医者・弁護士そして証券マン」。
「本当かよ」と疑念を抱いたことは間違いないが、ようやく本当にそうなってきたのかも知れない。
2000万円報告書で将来への資産形成への関心は高まった。
その関心をまた不信にしないことが重要だろう。
「顧客本位に原点復帰できるかが試される」というのが記事だが、もともと顧客本位ではなかったと思われる金融界。
他人のお金を自分のお金と錯覚しているような融資や投資の姿勢からまず改めるべきだろう。
偉いのは、ファンドマネージャーでもなく、融資担当者でもなく、個人という認識が必要だ。
長年染み付いた誤解と錯覚は一朝一夕には改まらないだろうが・・・。
株を買いに証券会社の店頭に出向いたら、出てきたときには保険に入っていたという笑えない話はもう聞きたくないものだ。
午前10時20分。
探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウへの2回目の着陸に成功したとみられる。
小惑星の地下にあった物質を採取できていれば世界初の快挙。
「リュウグウへ到着してから約1年、最後の大きな山場を乗り越えた」という見方だ。
「宇宙」という大きなテーマが一歩進んだ格好だ。
(櫻井)