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280ドル安と反落、クレディ・スイス経営難で
【市況】280ドル安と反落、クレディ・スイス経営難で

15日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比280ドル83セント(0.9%)安の3万1874ドル57セントで終えた。

米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻により、金融業界での影響波及が懸念されていたが、前日のダウは信用不安が幾分和らぎ反発。だが、世界的に事業を展開する金融大手クレディ・スイスの経営状況に警戒感が強まり、いったんは落ち着きを見せていた米市場で改めてリスク回避姿勢が強まった。
金融システムの不安定化が景気を冷やすリスクが警戒され、金融株を含む景気敏感株が下げた。

経営不振が続くクレディ・スイスを巡り、筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクの会長が「追加の出資要請には応じない」と述べたと伝わった。シリコンバレーバンク(SVB)など米銀の経営破綻が相次ぐなか、金融システムが一段と不安定になるとの懸念が高まった。金融株は軒並み売られ、ダウ平均の構成銘柄ではJPモルガン・チェースが5%安、ゴールドマン・サックスが3%安で終えた。

金融システム不安が米景気の減速につながるとの懸念から、航空機のボーイングや化学のダウなど景気敏感株も売られた。市場では、銀行が流動性を確保するために貸し出しに慎重になり、企業活動が冷え込むとの見方がある。

ダウ平均の下げ幅は一時720ドルに達したが、売り一巡後は下げ幅を縮小した。相対的に安全資産とされる米国債に資金が集まり、米長期金利が一時3.3%台と前日終値(3.69%)から大幅に低下。相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株には押し目買いが入りやすく、ソフトウエアのマイクロソフトは上昇した。製薬のアムジェンなどディフェンシブ株が買われたのも相場を支えた。

取引終了間際にはスイス国立銀行(中央銀行)が「クレディ・スイスは必要な資本と流動性を満たしているが、必要なら流動性を供給する」との声明を発表した。これを受けてダウ平均はさらに下げ渋った。

ナスダック総合株価指数は小幅に3日続伸した。前日比5.903ポイント(0.1%)高の1万1434.052で終えた。ネット検索のアルファベットや交流サイトのメタプラットフォームズが上昇した。

 

【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比720円安の2万6490円で引けた。
スイス金融大手クレディ・スイス・グループの経営難を受けて信用不安が再燃し、欧米市場で金融株が売り込まれる中、反落した。
日経平均先物に売りが波及した。



シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26490 ( -560 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26570 ( -480 )
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7344.45(−292.66)

15日のFTSE100種総合株価指数は大幅に反落した。前日に比べ292.66ポイント(3.83%)安の7344.45で取引を終えた。スイス金融大手のクレディ・スイス・グループの株価急落で金融システム不安が高まり、投資家がリスク回避の姿勢を強めた。ロンドン市場では金融株のほか、商品関連銘柄に売りが目立った。

個別では保険大手プルーデンシャルが12.4%安と下落率トップ。バークレイズ(9.1%安)やスタンダード・チャータード(7.7%安)など銀行株も大きく下げた。資源大手グレンコア(10.7%安)や石油大手シェル(8.5%安)も売られた。
 金相場の上昇を受け、産金大手フレスニロ(0.1%高)は堅調だった。




■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14735.26(−497.57)

15日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に反落した。前日に比べ497.57ポイント(3.27%)安の1万4735.26で終えた。経営不振にあるクレディ・スイス・グループ株の急落で、金融システム不安が再燃し、投資家のリスク回避姿勢が強まった。株式の持ち高を落とす動きが広がり、幅広い銘柄に売りが出た。

個別では、ドイツ銀行(9.3%安)やコメルツ銀行(8.7%安)が急落。CACでもソシエテ・ジェネラル(12.1%安)やBNPパリバ(10.1%安)など銀行株が売り込まれた。




■フランス・パリ株価指数
CAC40 6885.71(−255.86)

フランスCAC40種指数は3.58%安だった。
経営不安の高まりからクレディ・スイス株が急落したことを受け、リスク回避ムードが強まり、金融株など幅広い銘柄が売られた。



 
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