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ダウ7ドル安と小幅続落、タカ派発言を受け
【市況】ダウ7ドル安と小幅続落、タカ派発言を受け


17日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比7ドル51セント(0.02%)安の3万3546ドル32セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)高官が金融引き締めに積極的な「タカ派」姿勢を示した。米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感を意識した売りが優勢となった。もっとも、好決算を発表した銘柄などが上昇し、取引終了にかけて下げ幅を縮小した。

セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁はこの日の講演で、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを継続する必要があるとの見解を表明。利上げ局面が長引くとの見方から米長期金利の指標である10年物国債利回りが上昇し、朝方のダウは売り優勢で推移した。米長期金利が一時は3.80%と前日終値(3.69%)から上昇し、ダウ平均は午前に300ドル強下げる場面があった。

10月の米消費者物価指数(CPI)上昇率の減速が明らかになった後、最近の株式市場の地合いは好転し、底堅い展開を継続。この日もタカ派発言が嫌気されたものの、ダウの下値は堅く一時プラス圏に浮上する場面もあった。「物価統計に落ち着きが出てくる一方、上値追いもできない最近の相場の典型的なパターン」との指摘が聞かれた。

急速な金融引き締めが景気を冷やすとの見方から消費関連銘柄など景気敏感株の下げが目立った。映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、建機のキャタピラーが下落。金利上昇の局面で売られやすい高PER(株価収益率)のハイテク株の一角も下げ、顧客情報管理のセールスフォースが安かった。

売り一巡後は下げ渋り、ダウ平均は小幅高に転じる場面もあった。前日夕に2022年8〜10月期決算とあわせて通期の業績見通しを上方修正したネットワーク機器のシスコシステムズが5%上げた。製薬のメルクなどディフェンシブ銘柄も買われ、指数を下支えした。市場では「FRBが12月の会合で利上げ幅を縮小するとの観測は根強く、取引終了にかけて買い直された」との指摘もあった。

ナスダック総合株価指数は続落し、前日比38.701ポイント(0.3%)安の1万1144.958で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや電気自動車のテスラなど主力株の一角が下落し、指数を押し下げた。




【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は反発した。12月物は前日比45円高の2万7965円で引けた。ブラード米セントルイス連銀総裁のタカ派発言を受けて長短金利が上昇したことが重しとなりNYダウは、下落してスタートしたが、終盤は下げ渋った。同日の米株式相場が引けにかけて下げ渋り、日経平均先物の買いを誘った。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27965 ( -15 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27975 ( -5 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7346.54(−4.65)

17日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続落した。前日に比べ4.65ポイント(0.06%)安の7346.54で引けた。17日に英国のハント財務相が増税や歳出削減を盛り込んだ財政再建策を発表した。英景気の一段の悪化への懸念から株式に売りが出た。
個別では、指数構成銘柄の半数超が下落。オンライン食品販売オカド・グループが8.6%安と売り込まれたほか、アントファガスタ(3.2%安)など資源関連株も軟調だった。




■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14266.38(+32.25)
17日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ32.35ポイント(0.23%)高の1万4266.38で終えた。2022年7〜9月期決算で市場予想を上回る増収増益を発表した重電大手のシーメンスが大幅高となるなど、資本財株の一角に買いが入った。
個別では、総合電機大手シーメンス(7.0%高)や航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズ(4.3%高)が買われた。



■フランス・パリ株価指数
CAC40 6576.12(−31.10)
フランスCAC40種指数は0.47%安だった。英政府が公表した中期財政計画はほぼ市場予想通りの内容だったものの、経済見通しが下方修正されたことを嫌気し、売りが先行した。



 
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