ダウ小反落、FRBの利下げが支え
【市況】ダウ小反落、FRBの利下げが支え |
7日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反落し、前日比0ドル59セント安の4万3729ドル34セントで終えた。
米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利したことで、企業業績にプラスになるとの見方が広がり、前日にダウは1500ドル超上昇。
この日は金融株を中心に利食い売りが広がった。連邦準備制度理事会(FRB)による0.25%の利下げ決定や、パウエル議長の続投表明が好感され、プラス圏に浮上する場面もあった。
前日に続き、IT大手は軒並み上昇。トランプ次期政権への関与が見込まれている実業家イーロン・マスク氏率いる米電気自動車(EV)大手テスラは、前日の急伸に続き、この日も値上がりした。
ダウ平均の下値は堅かった。FRBは7日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き下げると決めた。2会合連続の利下げで、金融緩和が米景気を支えるとの観測が改めて意識された。FRBのパウエル議長はFOMC後の記者会見で「インフレはかなり和らいできた」と述べた一方、米経済については「堅調なペースで拡大し続けている」との認識を示した。大統領選の結果は「短期的には我々の政策決定に影響を与えない」と話した。
市場ではFOMCについて「利下げは予想通りで、パウエル議長の会見での発言も特段の驚きはなかった」との受け止めがあった。FOMCを無難に通過し、投資家の間で買い安心感が意識された面がある。
ハイテク株の上昇も米株相場を支え、ダウ平均の構成銘柄ではアップルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトへの買いが目立った。7日の米債券市場で長期金利は4.3%台前半と、前日終値(4.43%)に比べ低下。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に金利と比べた割高感が薄れた。
個別ではゴールドマン・サックスとアメリカン・エキスプレス、キャタピラーが下げた。アナリストが投資判断を引き下げたJPモルガン・チェースも安かった。半面、インテルやボーイング、ホーム・デポが上昇した。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比285.993ポイント(1.50%)高の1万9269.459で終えた。初の1万9000台で、連日で最高値を更新した。トランプ氏の選挙活動を支援したイーロン・マスク氏が率いるテスラのほか、エヌビディアが上昇した。
S&P500種株価指数は前日比44.06ポイント(0.74%)高の5973.10で終え、連日で最高値を更新した。
NYダウ 43729.34 ( -0.59 )
S&P500 5973.10 ( +44.06 )
NASDAQ 19269.45 ( +285.99 )
米10年債利回り 4.328 ( -0.101 )
NY(WTI)原油 72.36 ( +0.67 )
NY金 2705.8 ( +29.5 )
VIX指数 15.20 ( -1.07 )
S&P500 5973.10 ( +44.06 )
NASDAQ 19269.45 ( +285.99 )
米10年債利回り 4.328 ( -0.101 )
NY(WTI)原油 72.36 ( +0.67 )
NY金 2705.8 ( +29.5 )
VIX指数 15.20 ( -1.07 )
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比345円安の3万9690円で終えた。
NYダウ平均は、前日の大幅上昇を受け利益確定の売りが優勢となり、小幅反落した。
同日は日経平均株価が下落し、シカゴ市場の先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
39690 ( +450 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39730 ( +490 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
7日のFTSE100種総合株価指数は3日続落し、前日比25.94ポイント(0.31%)安の8140.74で終えた。英国でインフレ鈍化のペースが弱まり、英イングランド銀行(中央銀行)が利下げを進めにくくなるとの観測が投資家心理の重荷となった。
FTSEの構成銘柄では、中古車販売サイトのオートトレーダー・グループが7.16%安と下げを主導。流通大手セインズベリーが4.11%安、航空機エンジン大手ロールス・ロイスが3.69%安で続いた。一方、エンジニアリング企業のIMIは5.42%高、産銅大手アントファガスタは4.75%高、鉱業大手アングロ・アメリカンは3.64%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
7日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比323.21ポイント(1.69%)高の1万9362.52で終えた。前日に下げていた反動から、目先の自律反発を見込んだ買いが入った。直近四半期の決算内容が好感された銘柄への買いも、指数を支えた。
個別では、2024年7〜9月期が前年同期比で大幅な増収となった防衛大手ラインメタルが9.28%高と急伸したほか、24年7〜9月期の売上高が市場予想を上回ったセメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは6.36%高、スポーツ用品大手アディダスも4.60%高と値上がりした。
半面、ヘルスケア大手フレゼニウスは2.68%安、エネルギー大手イーオンは1.72%安、ドイツ銀行は1.11%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.75%高で終えた。前日の欧州株は、米大統領選で当選したトランプ氏が関税強化などに動くとの懸念から、おおむね下落した。