NYダウ315ドル高と3日続伸、好決算銘柄に買い
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【市況】NYダウ315ドル高と3日続伸、好決算銘柄に買い |
29日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比315ドル50セント(1.0%)高の3万2845ドル13セントと6月上旬以来の高値で終えた。
7月のダウ平均は6.7%上昇し、2020年11月以来の高い上昇率となった。ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比228.095ポイント(1.9%)高の1万2390.688で終えた。月間上昇率は12.3%と、20年4月以来の大きさだった。
4〜6月期の決算内容が好感されたハイテク大手の一角が上昇し、相場全体を支えた。時価総額が大きいこれらの銘柄の決算が底堅かったことで、企業業績をめぐる投資家の警戒感も和らいだ。
アマゾン・ドット・コムは2四半期連続の赤字だったものの、売上高が市場予想を上回り、強気の業績見通しも好感されて大幅上昇。調整後1株当たり利益が予想を上回ったアップルも買われた。また、原油高で業績が急拡大したエクソンモービルとシェブロンも大幅高となった。
一方、決算が嫌気されたインテルとプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は売られ、ダウの上値を抑えた。インテルは経済活動の落ち込みを受けて赤字に転落。P&Gは増収増益だったものの、ドル高やコスト高で2023年6月期の業績が減速すると予想した。
市場予想を上回る決算が目立ち、業績悪化への過度の警戒感が和らいでいる。「決算シーズン前に持ち高を売りに傾けていた投資家の買い戻しが膨らんでいる」との指摘があった。景気減速が強まるようなら、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方も投資家心理を支えた。
相場をけん引したのはハイテク大手だ。前日夕に市場予想を上回る決算を発表したスマートフォンのアップルが3%上昇。ダウ平均の構成銘柄ではないが、前日夕の決算で売上高が市場予想を上回ったネット通販のアマゾン・ドット・コムは10%高で終えた。
原油高を受けて29日朝発表の決算が大幅増収増益となった石油のシェブロンも買われ、ダウ平均を押し上げた。
石油株も買われ、シェブロンは9%高で終えた。来週に決算を発表する建機のキャタピラーも資源高が業績の追い風になりやすく、石油株の連想買いで6%高で終えた。
一方、28日夕発表の決算が市場予想を大幅に下回り、最終赤字に転落した半導体のインテルは9%近く下げた。決算と併せてドル高や原材料高が収益を圧迫するとの見方を示した日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)も6%下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
32,845.13+315.50
S&P500種
4,130.29+57.86
ナスダック
12,390.688+228.095
FTウィルシャー5000
41,953.40+582.58
NY金(ドル/トロイオンス)
1,781.80+12.60
NY原油(ドル/バレル)
98.30+1.88
円・ドル
133.20 - 133.22−2.37

【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
29日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日に比べ78.18ポイント(1.06%)高の7423.43で引けた。原油高を受けてエネルギー株が買われた。
FTSEでは、エネルギーや金融、素材などの景気敏感株が買われた。通期の業績見通しを上方修正した金融大手ナットウエスト・グループが8.1%高で上昇率トップ。オンライン食品販売大手オカド・グループが6.8%高、産金大手フレスニロが5.7%高で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
29日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前日に比べ201.94ポイント(1.52%)高の1万3484.05で終えた。ユーロ圏の4〜6月期域内総生産(GDP)成長率が市場予想を上回り、投資家心理が改善した。
DAXでは、通販大手ザランドが6.5%高と急伸。製薬のサルトリアスと半導体のインフィニオンもそれぞれ4.2%高、3.5%高と買われた
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は1.72%高だった。
欧州企業の良好な決算を受けて景気後退懸念が和らぎ、幅広い銘柄に買いが入った。