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5日続落35ドル安、米債務問題に警戒感
【市況】5日続落35ドル安、米債務問題に警戒感


25日のNYダウ工業株30種平均は5日続落し、前日比35ドル27セント(0.1%)安の3万2764ドル65セントで終えた。
3月29日以来、およそ2カ月ぶりの安値。米連邦政府の債務上限問題を巡る不透明感が引き続き重荷となった。半面、ダウ平均の構成銘柄ではないが、画像処理半導体(GPU)のエヌビディアが急騰し、ハイテク関連銘柄に買いが入り、ダウ平均を下支えした。

6月1日にも米連邦政府の資金繰りが行き詰まるとの警戒感が根強い中、政府の借入上限額である「債務上限」問題の協議が大詰めを迎え、バイデン政権と野党共和党の合意に向けた進展に依然関心が集まる状況。このところの弱地合いを引き継ぎ、ダウ平均は取引序盤から売り先行で推移した。下げ幅は一時200ドルを超えた。

売り一巡後は下げ渋り、小幅に上昇する場面もあった。25日の取引時間中にバイデン米大統領が交渉は「進展している」との考えを示したと伝わった。共和党のマッカーシー下院議長も「どこに隔たりがあるか分かっている。結論に至るように努力している」などと記者団に話したと報じられた。市場では債務不履行は避けられるとの見方も根強い。

エヌビディアは24%高で終えた。24日夕に四半期決算と併せて発表した5〜7月期の売上高見通しは市場予想を大幅に上回った。人工知能(AI)に使う半導体の需要急増が大幅な業績拡大を支えるとの見方が強まり、「エヌビディア株の急騰がハイテクを中心に相場を押し上げた」。AI技術の成長期待が広がり、ダウ平均の構成銘柄ではソフトウエアのマイクロソフトが4%高となり、スマートフォンのアップルも高い。

ハイテク株に資金が流入した半面、ディフェンシブ株や消費関連株は売られた。通信のベライゾン・コミュニケーションズやバイオ製薬のアムジェンが安い。ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスやホームセンターのホーム・デポも売られた。米原油先物相場が下げ、石油のシェブロンや化学のダウも下落した。

ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日比213.932ポイント(1.7%)高の1万2698.094で終えた。エヌビディアの好調な見通しを受け、同業のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は11%高となった。半導体製造装置株も高い。主要半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7%上昇した。ネット検索のアルファベットや交流サイトのメタプラットフォームズも買われた。



 

【シカゴ日本株先物概況】

25日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比605円高の3万1100円で終えた。同日に日経平均株価が上昇したほか、米国ではハイテク株が堅調に推移した。外国為替市場での円安・ドル高進行もあって日経平均先物には買いが優勢となった。
NYダウは、米債務上限問題を巡る不透明感が引き続き地合いを圧迫する中、5営業日続落した。


シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
31100 ( +270 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
31145 ( +315 )
( )は大阪取引所終値比






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7570.87(−56.23)

25日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日に比べ56.23ポイント(0.74%)安の7570.87と、3月29日以来約2カ月ぶりの安値で終えた。前日発表の4月の英消費者物価指数(CPI)の伸び率が市場予想を上回ったことから、イングランド銀行(英中央銀行)による金融引き締めの長期化が警戒されている。高インフレと利上げによる英経済の悪化懸念が投資家心理を圧迫した。

個別では、飲料大手コカコーラHBC(4.36%安)が下落率トップ。たばこ大手インペリアル・プランズ(4.17%安)、複合企業DCC(3.80%安)と続いた。一方、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは2.53%高、エネルギー小売大手セントリカ2.33%高だった。




■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15793.80(−48.33)

25日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落した。前日に比べ48.33ポイント(0.31%)安の1万5793.80と、3週間ぶり安値で取引を終えた。25日発表のドイツの1〜3月期実質国内総生産(GDP)が下方改定され、2四半期連続でマイナス成長となった。製造業を中心に景況感の冷え込みを示す指標の発表も続き、企業業績に対する警戒感が強まった。小売りや化学セクターの一角に売りが出た。

個別では、通信大手ドイツテレコムが2.76%安と売られた。電力大手RWEは2.51%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは1.87%安だった。半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.54%高、医療大手メルク1.07%高とそれぞれ買われた。



■フランス・パリ株価指数
CAC40 7229.27(−24.19)

フランスCAC40種指数は0.33%安だった。
軟調なアジア株や米株を背景に、欧州株も売りが優勢となった。



 
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