NYダウほぼ横ばい、コロナウイルスへの懸念が和らぐ
![]() |
【市況】NYダウほぼ横ばい、コロナウイルスへの懸念が和らぐ |
11日のNYダウ工業株30種平均は前日比0ドル48セント安の2万9276ドル34セントと小幅反落で終えた。
新型肺炎の感染拡大の勢いが弱まりつつあるとの見方から、朝方は買いが先行した。ただ、米議会で証言に臨んだ米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長から金融緩和を示唆する発言がなく、次第に利益確定売りが優勢になって伸び悩んだ。
中国政府は11日、新型コロナウイルスによる肺炎で、同日午前0時時点の死者が1016人、感染者が4万2638人に達したと発表した。ただ、発生地とみられる湖北省以外の新規感染者は7日連続で減少しており、ウイルス封じ込めに向けた対策が効果を表し始めているとの期待が浮上。この日のダウは午前中に一時138ドル余り上昇し、取引時間中の最高値を更新した。
一方、午前10時に始まったパウエル議長の議会証言の最中にダウ平均は伸び悩み、小幅安に転じる場面もあった。議長は「現在の金融政策のスタンスは米経済成長の継続を支える」との認識を繰り返した。新型肺炎は世界経済の新たなリスクになると指摘したが、米景気への影響は「見極めるのは時期尚早」と述べた。市場では金融緩和に前向きな発言が出る可能性も意識されていたが、期待外れに終わったことから売りが出たもようだ。
米連邦取引委員会(FTC)が11日、巨大ハイテク企業5社の過去の企業買収が競争を制限していないか調査すると発表した。
その後、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が、米連邦取引委員会(FTC)がアップルやマイクロソフトなどのIT大手5社に対し、過去に買収した小規模企業の情報を提出するよう命じたと報道。反トラスト法(独占禁止法)に基づく調査が業績を圧迫するとの思惑から調査対象に加えられたマイクロソフトが2%強の下落となり、ダウ平均を押し下げた。
セクター別では、自動車・自動車部品や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で家庭用品・パーソナル用品やソフトウェア・サービスが下落した。
ナスダック総合株価指数は前日比10.553ポイント高の9638.942と過去最高値で終えた。半導体株が幅広く買われた。
NYダウ工業株30種(ドル)
29,276.34−0.48
S&P500種
3,357.75+5.66
ナスダック
9,638.942+10.553
NY金(ドル/トロイオンス)
1,570.10−9.40
NY原油(ドル/バレル)
49.95+0.38
円・ドル
109.78 - 109.79−0.02

11日のシカゴ日経平均先物は続伸。コロナウイルス感染拡大の勢いが弱まりつつあるとの報道を受け、買いが先行。また、米国金融資産の安全性に着目する声から米国株相場が堅調に推移、これをはやした買い物が日経平均先物を支えた。
3月物は前日比200円高の2万3885円で引けた。この日の高値は2万4010円、安値は2万3670円だった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23885 ( +245 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23895 ( +255 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7499.44(+52.56)
11日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日の終値に比べ52.56ポイント高の7499.44で引けた。
新型肺炎の感染拡大が続いているが、金融市場では景気刺激策や早期終息への期待感が広がった。英国の昨年10〜12月期実質GDP(国内総生産)の伸び率は横ばいだったが、市場予想通りとあって反応は薄かった。
前日10日に下落した業種を中心に上げた。銀行株や石油株、鉱業株などが軒並み買い戻された。いずれも時価総額が大きく相場の上げに貢献した。航空株の上げも目立った。
構成銘柄の約8割が上昇した。
個別銘柄では、格安航空会社(LCC)のイージージェットは4%高、アナリストが目標株価を引き上げたことも材料になった。旅行のTUIが日中を通して13%の大幅高。2019年10〜12月期の決算で予約数が好調となり買われた。航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も3.8%高と旅行関連株が連れ高した。金融大手HSBCホールディングス(2.3%高)、同バークレイズ(1.2%高)など銀行株も買われた。
半面、前日に30%高となった総合ヘルスケアのNMCヘルスは、この日は16%近く下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13627.84(+133.81)
11日のドイツ株式指数(DAX)は大幅に反発した。終値は前日と比べて133.81ポイント高の13627.84となり、1月下旬に付けた過去最高値(終値)を更新した。
新型肺炎の感染拡大をめぐる過度な警戒感がひとまず和らぎ、買い安心感につながった。ドイツテレコムが大幅に上昇したことも相場の上げに貢献した。
個別では、ドイツテレコムは、ニューヨークの連邦地裁が11日、子会社の米携帯通信TモバイルUSとソフトバンクグループ傘下の米スプリントの合併を認めたことを材料に買われた。航空のルフトハンザも高かった。下落したのは、2019年12月通期の決算が2年連続で最終減益となった自動車のダイムラーなど3銘柄だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6054.76(+39.09)
フランスの株価指数CAC40は前日終値比で0.65%上昇した。